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The G-SHOCK

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MRG-BF1000B

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The Frogman: A Passion For The Deep

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 G-SHOCK初号機のデザインを踏襲したMRG-B5000に続き、アイコニックモデルとして2023年4月にデビューを飾ったMR-G フロッグマン。最高峰シリーズであるMR-Gにふさわしい艶やかな質感を実現するべく、外装パーツは76個に分割されていた。チタン製パーツには徹底的な研磨を施し、そのうえでISO規格200m潜水用防水性能を確保することで、ダイバーズウォッチとしての本質もしっかりと備えたフロッグマンの頂点に位置するモデルだ。第1弾となるMRG-BF1000Rは発売後約半年にわたって欠品状態が続き、間髪を入れずに発売された700本の限定モデルMRG-BF1000Eも即完売。MR-G化によってスペックだけでなく高級ラインとしてのプライシングも果たしたフロッグマンだが、熱烈なファンはこれを好意的に受け止め、MRG-BF1000R、MRG-BF1000Eともに手に取った愛好家も少なくなかったという。

2023年4月に発売された、MR-G フロッグマンの初号機であるMRG-BF1000R。

 そんなMR-G フロッグマンに今回新しく追加されたのが、G-SHOCKのブランドカラーであるブラック×レッドをまとったMRG-BF1000Bだ。2023年第1弾のMR-G フロッグマンはブルーのアクセントカラーとラバーバンドの組み合わせにより、ダイバーズモデルらしいスポーティなイメージを打ち出していた。しかし、本作ではレッドの挿し色を抑えることで、その後のイエローを強調したMRG-BF1000Eとも対照的な落ち着いた雰囲気でまとめられている。このアクセントカラーはダイヤルのみならず、気密性と電波受信を両立させたサファイアガラスのケースバックにも採用。しかも、シルバーとレッドの蒸着を施したサファイアガラスの裏面には波型のパターンを刻印し、表面には初代フロッグマンにも使われていた潜水ガエルのキャラクターをレーザーで描くことで、深紅の海をカエルが泳いでいるかのような奥行きを感じさせるデザインに仕上げている。

 このブラック×レッドは初号機のDW-5000Cにも用いられていたカラーリングで、今もなおG-SHOCKにおけるコンセプチュアルなシリーズや限定モデルなどで好感されている。一般的にブラックは強さを、レッドは情熱を表すと言われているように、そのカラーコンビネーションはG-SHOCKがデビュー当時から掲げているタフさや、それを追求する姿勢を表現するものであると認知されてきた。まさにG-SHOCKを象徴する要素であり、最高峰シリーズのラインナップにおいては不可欠なカラーなのだ。

 ダイバーズウォッチと聞いて思い浮かぶ色はブルーだ。それはダイビングと海とが密接につながっているだけではなく、水深と光の波長にも関係している。青い光は200mの水深でも認識できるが、赤い光は水分子に吸収されてしまい、10mに満たない深さでも見えにくくなるという。つまり深海生物は天敵から身を守るために赤い体を持つ個体が少なくないわけだが、カシオはその特性を理解したうえでダイバーズウォッチとしての視認性を損なわないよう意識した。ダイヤル上の赤が少しずつ見えなくなっていくなかでも、ブルーのネオブライトを塗布したインデックスと針のみが海中でしっかりと確認できる──つまり、ダイビング時の視認性をしっかりと確保したうえで、ブランドカラーのレッドを取り入れたのだ。

 MRG-BF1000Bのもうひとつのハイライトが、チタンバンドの採用だ。これは限定モデルであるMRG-BF1000Eに付属していたチタンバンドと仕様は共通で、MR-G フロッグマン専用に設計されたものだという。ダイビングでも装着しやすいよう、細かく可動するピッチの短いHゴマを採用し、手首に滑らかに沿うように設計されている。その質感は最高級シリーズにふさわしい仕上がりで、これはひとつひとつのコマに深層硬化処理とDLCコーティングを施すという、手間のかかる製造工程によって実現したものだという。

 しかもこのチタンバンドは、ケース裏面に配置されたボタンを押しながらピンを外すことで着脱できるようになっている。MRG-BF1000Rを持っているなら、そのラバーバンドとの交換も容易だ。バックルは従来のMR-Gと同じくロック機構を備え、時計の脱落を防止するように配慮されている。加えて、このバンドはさらにエクステンション機構も装備しており、ウェットスーツの上からでも着用しやすい設計となっている。もちろん、時計本体の構造はこれまでのMR-G フロッグマンを踏襲。ねじロックリューズやプッシュボタンに保護パーツを組み込むことで内部のモジュールにかかる衝撃を緩和するクラッドガード構造をベースに、さらにリューズ部分には耐水性に優れたフッ素ラバーの緩衝材を採用。ダイビングでの使用を踏まえた、耐衝撃性の高い作りとなっている。

「カラーバリエーションを作るうえで、一見制限はないように思えます。しかし、時計が身につけるプロダクトであることを踏まえると、必然的につけやすい色は限られてくる。一方でより目新しいデザインも求められているので、カラーバリエーションを展開するうえではそれとつけやすさのバランスを取ることを意識しています」と説明するのは、MR-G フロッグマンの企画担当であり、初代フロッグマンのデザイン(と、カエルのキャラクター)を手掛けた石坂真吾氏だ。フロッグマンの誕生とMR-G化それぞれに携わったキーパーソンであり、このモデルを知り尽くしているからこそ「大勢の熱いファンの期待に応える新しいものを、これからも生み出していきたい」と、その思いはますます強くなっているという。

 本作はブラック×レッドのカラーを取り入れ、フルチタンのブレスレットを組み合わせただけではない。MRG-BF1000Rとは配色を変え、ベゼルに記された“FROGMAN”のロゴや、LIGHT/STARTの機能表記、3時位置に配された潮汐表示をイメージした意匠をブラックに統一したことで、より日常での着用を意識した精悍な顔つきとなっている。こうしたチューニングの存在も踏まえると、MRG-BF1000BはMR-G フロッグマンの単なるカラーバリエーションではなく、コアなファンも満足させる新たなアプローチを行ったMR-G フロッグマンと呼べるのではないだろうか