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パテック フィリップが全ラインナップの防水性能を30mに統一

アクアノートとノーチラスコレクションが、スペック上で防水性能の打撃を受けたが、実用的な観点からは何を意味するのだろうか?

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先週、鋭い目を持つ何人かのパテック フィリップファンが、アクアノート・トラベルタイムの防水性能が突然120mから30mへと減少したことに気づいた。私も5164GについてHands-On記事を書いたときに気づいたが、初めはケース素材がスティールからホワイトゴールドに変わったためだと思っていた。しかしその後、以前は120mの防水性能があった同じモデルのローズゴールド(5164R)も、今は30mまで減少していることに気づいた。カタログを見てみると、なんとノーチラスコレクションにも同じことが起こっていた。5990から5811まで、すべてのモデルが90mの防水性を失っていたのだ。何が起こったのか? 答えはパテック フィリップからのプレスリリースにある。

Patek 5164G

ダイバーズウォッチ? 今はもう30mまでしかない。

 プレスリリースには、“お客様に提供する情報の均一性と明瞭性を確保するため、パテック フィリップは防水性が認定されたすべての時計に対して、30mという新しい統一基準を導入することを決定しました。これは、空気中および水中で3気圧(水深30mに相当)という高圧下でテストされたものです”と述べている。

 “この措置により、関連するすべてのモデルで同じ性能水準を保証することができ、お客様がその時計を着用して行う日常的な活動(手洗い、シャワー、入浴、水泳、その他の水中活動、30mまでのダイビングを含む)について、明確に理解しやすい情報を提供します。これは実際の使用状況にほぼ一致しています”

Patek 5326P and 5396G

パテックの5236PPと5396Gがアクアノート並みの防水性能に。

 この変更は、顧客がパテック フィリップの時計を使用してできることとできないことについての混乱を解消することを意図していたのだろうが、逆に混乱が増してしまったようだ。ただし防水性についての質問に、明確な答えがあることはめったにないため、驚くことではない。この話題が記事で取り上げられるたびに、コメント欄で論争が起きる可能性が高い。過去の記事でも防水性能について取り上げたが、その際も各深度レーティングが何を意味するのかについて、厳密なガイドラインが存在しないとした。ある人は、30mというレーティングはリューズにかかる水しぶきの強さが規格を超える可能性があるので、シャワーを浴びるべきではないと言う。またある人は、100mの防水性能の時計でダイビングをするべきではなく、200mでなければならないと言うだろう(これは、レクリエーションダイバーにとって明らかに誤りである。通常、彼らは最大40mの深さまで潜る訓練を受けている)。

 パテックにとって、これは技術的に時計のケースをアップグレードするような、全ラインナップにわたる完全な刷新ではない。これは技術的な変更ではなく、パテックが時計に圧力テストを行う際の実用的(そして哲学的)な変更に過ぎない。たとえば、Ref.5178G “カセドラル・ゴング”のミニッツリピーターや、Ref.6300 グランドマスター・チャイムのようなモデルが、突然防湿仕様から水泳可能な仕様に変わったわけではない。これらのモデルは“非防水”のままである。また、インライン永久カレンダー Ref.5326Pのような時計が、30mまでのスキンダイビングに適していると考えるべきではない。技術的には、パテックがそれが大丈夫であると明確に述べているが、行間を読むと、最後の文が示しているのは、パテックの時計がダイビングに最も役立つわけではないことを彼ら自身が知っているということである(ブランドはダイバーズウォッチを製造していない)。したがって、新しい評価は実際どのように時計が使用されているかを暗示しているのだ。

 アクアノート 5164Aに長いあいだ憧れていた者として、時計の防水性能に関する長年の議論を総合的に考えると、この変更は確かに興味深い。アクアノートやノーチラスをダイビングに持っていくというのは最初から考えてもいなかったが、もし時計をプールに持っていっても、必要とする防水耐性の20倍はあるという安心感があった。多くの人にとって、防水性能の評価は安心感を意味する。この場合、数値は今は低くなっているが、水辺でのパテックの使い方がどう変わるかは想像できない。もし単に30mより深く潜る必要があるのなら、その場合はパテックにダイバーズウォッチをつくるよう説得するしかないだろう。