Introducing ヴィンテージ感漂うパネライ ラジオミール オットジョルニが新登場

　スティール製のラジオミールケース、8日間のパワーリザーブを誇る手巻きムーブメント、そしてヴィンテージの雰囲気を強く保つためのいくつかの新しい工夫の数々。パネライの真骨頂がここにある。

　新しいパネライ ラジオミール オットジョルニ（イタリア語で“8日間”）PAM01347とPAM01348は、現代のパネライ ラジオミールでおなじみの仕様に加えて、いくつかの美的装飾が施されている。それぞれの45mmケースはパネライのeスティール™️製で、パネライによればリサイクルされたスティール材から製造されているとのことだ。しかし、このケースは、PVD加工によって風化したヴィンテージ感を演出するための処理が施されている。

　どちらのダイヤルも、中央の明るい部分から端の暗い部分へと変化するグラデーションが特徴で、PAM01347の場合はブラウン、PAM01348の場合はブルーである。9時位置にはスモールセコンド、3時位置には“8 Giorni Brevettato（8日間特許取得済み）”の表記が配され、そのほかのダイヤルはおなじみのものだ。サンドイッチダイヤルにはスーパールミノバが使用され、12時と6時位置に大きなアラビア数字が配されている。

　パネライのキャリバーP.5000は、サファイアクリスタルのシースルーバックから眺めることが可能だ。このムーブメントについては以前触れたことがあるのだが、印象的で堅牢性の高いキャリバーで、フリースプラングテンプに調整可能な偏心錘を備えている。ほかの自社製キャリバーのような華やかな外観ではないものの、パネライを選ぶ理由はそこにあるわけではない。8日間のパワーリザーブを誇る堅牢な手巻きムーブメントは、アンジェラス社製の8日間ムーブメントを使用していた往年のパネライへのオマージュでもある。

　これらふたつの新しいリファレンスは、カタログに掲載されている既存の8日間巻きラジオミールの派生モデルに加わるのだが、ほかのモデルとは異なり、全世界に展開するパネライブティックでのみ入手可能である。

　パネライのリサイクルeスティール™️はクールな取り組みであり、より多くのブランドもこれに追随するべきだと思う。ケースにPVD加工を施し、ラジオミールにヴィンテージ感とディストレス（ヤレ）感を与えたのもクールで、新しいパネライに、すべてのパネライが持つべきくたびれた外観を与えているように感じられる。しかしスライ（シルベスターの愛称）・スタローンのように、パネライが初めて商業用時計を作り始めた1992年から愛用している人ばかりではない。ましてや軍用時計としてしか製造されなかった商業化以前の時代のラジオミールなど、もってのほかである。だが考えてみてほしい、私たちは皆ジョン・ゴールドバーガーのような著名コレクターばかりでもないのだ。

　特にブラウンダイヤルは、パネライのレトロなモチーフにぴったりだ（目を細めると、ゴールドバーガーのTalking Watch Part.2のラジオミールに似ている気さえしてくる）。それぞれにマッチしたカーフレザーストラップとコントラストを効かせたステッチを合わせると、少なくとも数人のパネライ愛好家が地元のブティックに出向いて実際にチェックすることになりそうだ。1935年にイタリア海軍が最初のラジオミールのプロトタイプを発注し、今日も世界中の愛好家がこれを着用し続けているのには理由がある。パネライに代わる存在はないのである。

ブランド：パネライ（Panerai）
モデル名：ラジオミール オットジョルニ（Radiomir Otto Giorni）
型番：PAM01347、PAM01348
 
直径：45mm
厚み：15mm
ケース素材：スティール（パネライのeスティール™️、プレコンシューマーリサイクルのスティールスクラップから作られる）
ダイヤルカラー：デグレード（ダメージ加工された）ブラウン（PAM01347）、ブルー（PAM01347）
インデックス：アラビア数字、アワーマーカー
夜光：スーパールミノバ（サンドイッチダイヤル）
防水性能： 100m
ストラップ/ブレスレット：カーフレザーダークブラウン（PAM01347）、ダークブルー（PAM01348）ストラップ

キャリバー：P.5000
機能：時・分表示、スモールセコンド
直径：35.7mm
厚み：4.5mm
パワーリザーブ：8日間
巻き上げ方式：手巻き 
振動数：2万1600振動/時
石数：21

価格：129万3600円（税込）
発売時期：6月発売予定