ランゲ1は、昨年誕生25周年を迎えた。数ある時計のマスターピースにおいて四半世紀という歴史は、決して際立つものではない。それでも多くの愛好家やコレクターが評価し祝すのは、それがA.ランゲ&ゾーネ復興を高らかに宣言し、その象徴として歩んできた軌跡に他ならないからだ。文字盤の主軸に据えたアウトサイズデイトにしても、ドレスデンのゼンパー歌劇場の五分時計に由来し、その伝統を現代に受け継ぐ強い意思を感じさせる。
そしてこれまで基本的なダイヤルデザインを崩すことなく、多彩な機能や仕様を備えた10モデルのファミリーを構築し、ランゲ1自身は21年目のキャリバー一新という大きな節目に際してもケース径やスタイルをほぼ変えなかった。それは揺らがぬブランド哲学そのものであり、ランゲ1を腕にするということはそれに向き合うことと同義なのだろう。だからこそその名には原点であり、最上位である“1”がふさわしい。
一日の気持ちを作り上げる時計
朝起き、鏡に向かって身支度をする。それは日々のルーティンだが、今日という1日に思いを巡らせ、どのように向き合うかをあらためて確認する大切なひとときでもある。それにふさわしいシャツを選び、ネクタイを合わせる。そんな自分を整える、朝の儀式にランゲ1は欠かせない。
丁寧にリューズを巻くにつれ、ゆっくりと上を差していくパワーリザーブの針を見ていると、気持ちも上向きになっていくようだ。72時間の連続動作は毎日の巻き上げも不要にするが、忙しい朝だからこそこうしたゆとりの時間を持ちたい。38.5mm径のケースもしっくりと腕に収まり、スモールセコンドが確かに時を刻む。その針の動きに自身の1日もまた動き始めたことを実感するのだ。
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2020最新コレクションを1冊にまとめた豪華カタログ。※7月以降順次発送予定
手首で主張するアイデンティティ
ビジネスにはスーツやジャケットといった確固としたドレスコードがあり、個性をアピールするのはネクタイやポケットチーフといったアクセサリーに限られる。
だがその中でも時計は別格であり、相手に印象づける名刺代わりにもなり得るだろう。9.8mm厚のランゲ1のケースは、袖口に収まり、ひけらかすことはない。それでも独特なフェイスは視線を集め、愛好家ならそれがランゲ1であることも一目瞭然で、そこから時計談義に花を咲かせるかもしれない。
会社名や肩書き以上に、ライフスタイルや趣味、センスまでも映し出し、ビジネスパートナーとしての信頼感や共感を与える。時計が伝えるのは時間だけでなく、あなたらしさでもある。
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2020最新コレクションを1冊にまとめた豪華カタログ。※7月以降順次発送予定
自分に戻る時間を共にする
ビジネスで成功を収め、どんなに多忙な日常を送る人にも自分自身に戻る時間がある。例えば愛車に乗り込んだ瞬間、そこに広がるプライベートな空間で味わう自分だけのひと時だ。ランゲ1は、そんなリラックスタイムをより豊かに演出する。文字盤の各表示は、センターからオフセットし、黄金比や二等辺三角形に従って幾何学に則って配することで、煩雑さを感じさせない。
そこにドイツのデザイン思想に貫かれる論理性であり、タイムレスな機能美が伝わるのだ。そして新たなキャリバーの採用時も、性能や実用性は向上しても見た目は変えず、あくまでも完成度を極める熟成進化を目指した。そんな姿勢を好ましいと思う。いつまでも変わらぬ安定感に愛着はさらに増すだろう。
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Photos:Sunao Omori Words:Mitsuru Shibata Styling:Eiji Ishikawa(TRS) Hair&Make:Tomokazu Akutsu
〇衣装協力
スーツ29万円/スティレ ラティーノ、シャツ1万6000円/ブリッラ ペル イル グスト、タイ1万6000円/アーディ&シー、チーフ3800円/アルバート&サーストン、すべてビームス 六本木ヒルズ ☎03-5775-1623
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