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In Partnership

ブランパン ヴィルレとフィフティ ファゾムスからたどる歴史的アイコン

スイス最古の時計ブランドであるブランパン。創業以来、いかなるときも機械式時計だけを作り続けてきた。技術の結晶であるシックス・マスターピースやモダンダイバーズの金字塔を打ち立てた同社の最新モデルにみる、ブランドの歴史とアイデンティティ。

 ブランパンの創業は1735年にさかのぼり、現存するスイス時計ブランドとしては最も古い。だがその長さ以上に、ブランドの歴史はスイス機械式時計の歩みそのものであり、そこに伝統を受け継いできた価値があるのだ。同社は、時計師ジャン-ジャック・ブランパンにより、スイスのジュラ地方、ヴィルレ村に創業した。当初こそ冬の農閑期の仕事として家屋の2階に構えた工房も、近代化とともに大きく発展。時計技術が進化を遂げるなか、19世紀には2階建て社屋を建造し、高級時計を手がけるようになった。

 ふたつの大きな戦禍も乗り切り、順調に成長を続けたものの、1970年代に入ると時計業界の状況は一変する。クォーツという新たな技術の台頭である。これによりスイスの機械式時計ブランドの多くは、低迷の一途をたどることとなったのだ。

本特集はHODINKEE Magazine Japan Edition Vol.1に掲載されています。

 このように機械式時計が陥っていた窮状から脱却すべく、ブランパンが新たな戦略とともに復活を遂げたのは1983年のことだ。クォーツが席巻する中、あえて機械式にこだわり、その技術の結晶として「シックス・マスターピース」と呼ばれるコンプリケーションシリーズを発表したのである。ウルトラスリム、ムーンフェイズ、スプリットセコンドクロノグラフ、パーペチュアルカレンダー、トゥールビヨン、ミニッツリピーターの6種を一挙開発し、機械式時計の復権を高らかに宣言した。いずれも長い伝統によって培われた時計職人たちの技であるとともに、そこにはこれらを形にすることで後世に残すという大きな使命感があったのはいうまでもない。その意志は受け継がれ、現代のコンプリケーションの基礎になっていることからも明らかだろう。

 もうひとつ忘れてはならないのが、ブランドに漂うロマンチシズムだ。「シックス・マスターピース」のひとつ、ムーンフェイズは、かつて人々の生活に根ざした月齢表示ではあったものの、スピードを増す社会の流れに置き去りにされていた。これを復活させることで、天体の動きと結びついた自然の時間について再認識し、人間らしい生活を再び取り戻そうという思いが込められているようだ。まるでムーンディスクに描かれたユニークな表情の満月の微笑みもそう語りかけているようにも見える。

 全ての時計に自社製ムーブメントを搭載し、機械式時計しか作らないというブランドの精神を映し出すクラシックコレクションは、ヴィルレと名づけられている。それは発祥の地であるとともに、これからも変わることのないタイムレスなスイス時計のあり方を示唆している。洗練を象徴する薄型ドレスウォッチは、シンプルな美しさの内に極薄ムーブメントや繊細なケーシングなど卓越した技術を秘める。ブランパンが「シックス・マスターピース」にウルトラスリムを加えたのもそのためだ。この技術を熟成進化させ、ブランドのシンボルカラーでもあるミッドナイトブルーの文字盤とRGケースを初めて組み合わせた。ブルーに際立つ3針は視認性に優れ、日付表示もディスクを同色にすることで自然になじむ。搭載する自動巻きムーブメント1151は、センターローターにもかかわらず、ムーブメント厚を3.37mmに抑え、ふたつの香箱を搭載した100時間のロングパワーリザーブによって日常使いの実用性も高い。

ブランパン ヴィルレコレクション

 80年代にブランド再興を牽引したのは、高級ムーブメント専用メーカーだったフレデリック・ピゲの技術力だった。そして現在ではマニュファクチュールとしてはもちろん、スウォッチグループの技術開発の中枢を担っている。その技術力を存分に注いだこのコンプリートカレンダーは、ふたつの小窓表示で曜日と月、ブルーのサーペント針で日付を指すほか、ムーンフェイズを備える。通常の計時を妨げない多彩な表示は、伝統的な時計製造に基づいている。特徴的なダブルステップのケースは、多機能表示ながらもサイズは38mm径に抑え、内蔵するキャリバー6763はシリコン製ヒゲゼンマイを採用し、100時間のロングパワーリザーブを誇る。

 スポーツウォッチの代表格として人気の高いジャンルがダイバーズウォッチだ。腕時計における防水への取り組みの歴史は古いが、なかでもモダンダイバーズの金字塔を打ち立てたのがブランパンである。1940年代のスキューバダイビングの発明により戦後、レジャーダイビングが一大ブームになった。その中でダイバーズウォッチは必要不可欠な計器でもあった。こうした市場の要請もあっただろう。だがブランパンがその開発に精力を注いだのは、何よりも当時CEOだったジャン-ジャック・フィスターがダイビングをこよなく愛し、情熱を注いだからである。ある時フィスターは、潜水に熱中するあまりボンベの空気を使い切り、あやうく遭難しかける。

初代フィフティファゾムス(©Blancpain, The Original Fifty Fathoms)

1950年から80年までブランパンのCEOを務めたジャン-ジャック・フィスター。南フランスでのダイビングの様子を撮った写真。(©Blancpain, Jean-Jacques Fiechter, Scenes from his early dives in the south of France)

 この苦い経験から生まれたのが、潜水中の経過時間をひと目で確認できるロック付きの回転式ベゼルだ。そしてまた、当時フランス海軍から特殊潜水部隊が装着するための時計開発の依頼を受けたこともあり、このロック付きの回転ベゼルや防水性能を高めるための二重密閉構造のリューズシステムを開発、搭載し1953年にフィフティ ファゾムスを発表したのだ。この時計は、プロ、アマチュアを問わず多くのダイバーに愛用され、その完成度の高さから時計メーカー各社もこれに続き、現代に至るダイバーズウォッチの規格として確立したのだ。

フィフティ ファゾムスの特許(©Blancpain, Fiechter and Blancpain Patents)

 新境地を開いたブランパンは、その3年後の1956年にバチスカーフという新たなダイバーズを発表した。その名は当時話題になった深海潜水艇に由来し、フィフティ ファゾムスからサイズダウンするとともにデザインはすっきりと洗練され、日付表示も備えた。それはオリジナルモデルの機能を損なうことなく、タウンユースにも応えるものだ。日常生活でもいつも海を身近に感じられる。その魅力は色あせることなく、むしろいまのような時代だからこそ求められるだろう。時代を超えてバチスカーフが支持される理由がそこにある。

 現在のバチスカーフシリーズは、フィフティ ファゾムスが誕生60周年を迎えた2013年に復活した。オーセンティックなダイバーズをよりスタイリッシュに仕上げ、機能や素材のバリエーションを充実。最新作では、ブルーの文字盤とセドナ®ゴールドのケースをシリーズで初めて組み合わせた。ブランパンの水中世界に対する情熱とコミットメントを象徴するブルーに、経年による退色を抑え、やや赤みのある独自の美しさを維持するセドナ®ゴールドが輝きを添える。搭載する自動巻きキャリバー1315は高い信頼性とともに、3つの香箱を備え、5日間のロングパワーリザーブを誇る。さらにシリコン製ヒゲゼンマイにより、耐衝撃性や耐磁性に加え、等時性も向上している。

 バチスカーフの中でもクロノグラフは、多彩なカラーバリエーションでも人気が高い。新作ではこれまでのブラック、メテオグレー、ブルーに続き、グリーンが登場した。サブカウンターを備えるクロノグラフは、文字盤の加工や彩色の工程がより複雑になり、高い技術が求められる。サンバースト仕上げのグリーンは、見る角度によって深みを増し、またメタリックにも変化し、ブラックセラミックケースとのコントラストも美しい。フライバック機能付きのクロノグラフは自社キャリバーF385を搭載し、10振動(毎時3万6000振動)のハイビートによる高い精度を誇るとともに、垂直クラッチとコラムホイールを採用し、確実かつ心地良い動作が味わえる。

ブランパン ホリデーフェア

ブランパン ブティック銀座

フィフティ ファゾムス オートマティック 5015-12B40-98B

TI、自動巻き、300m防水。180万円(税抜)

ブティック3店舗(銀座・日本橋三越本店・阪急うめだ本店)にて、ホリデーフェアが開催される。メンズ・レディス共に、ギフトや自身へのご褒美にぴったりのアイテムが充実し、フィフティ ファゾムスのチタンケース&ブレスレットモデル 5015-12B40-98Bといった希少ピースなども入荷予定だ(数に限りがあるため、事前にご確認ください)。また、当フェア期間中に購入した場合、特典のプレゼント(数量限定)もあるとのこと。この機会にぜひブティックを訪れてみてはいかがだろうか。

開催期間: 2020年12月11日(金)~12月30日(水)

ブランパン ブティック銀座     : TEL (03) 6254-7233
ブランパン ブティック日本橋三越本店: TEL (03) 3241-3311(大代表)
ブランパン ブティック阪急うめだ本店: TEL (06)6361-1381(大代表)

ブランパン ブティック日本橋三越本店

ブランパン ブティック阪急うめだ本店

Photos:Jun Udagawa、Words:Mitsuru Shibata、Styling:Eiji Ishikawa(TRS)