2作の複雑機構で世界最薄記録を樹立後、次なる偉業達成に多くの時計愛好家が注目した。そこに登場したのがオクト フィニッシモ オートマティックだ。自動巻きはゼンマイを巻き上げる手間もなく、トラブルの原因になりやすいリューズ操作も極力省くことができる、よりデイリーユースに応える仕様だ。比重が高く、巻き上げ効率に優れるマイクロローターを手巻き式の自社キャリバーに埋め込むことで、ムーブメントはわずか2.23㎜厚、ケースは5.15㎜厚を実現した。
アクティブなシーンに合わせてコレクション初の専用ブレスレットも開発設計した。ケースとの一体感あるデザインに、バックルの折畳み部分までも薄さを徹底。エレガントな薄型に、高い実用性と心地よい装着感を添え、3度目の世界最薄の栄光に輝いたのである。愛用者でもある写真家の操上和美さんは魅力をこう語る。「デザイン的に相当優れていると思います。そういう意味では写真に撮りやすい。時計自体が主張して生きているということですから。時計が厚かったりすると肌に染み付きません。オクトの薄さは腕につけたときも皮膚感覚のように収まり、違和感がありません。デザイン要素がいっぱい入ってるのに過剰ではないので、時計だけが目立たないのもいいですね」
オクト フィニッシモ オートマティック Ref.102713 185万9000円(税込) 2017年発表。自動巻きにも関わらず、ムーブメントとケースの厚みはオクト フィニッシモ第一作である手巻きからほぼ変わらない。60時間パワーリザーブ。チタン、自動巻き、ケース径40mm、30m防水、チタンブレスレット。
Photos:Kazumi Kurigami(CAMEL)、Tetsuya Niikura(SIGNO)[watch] Words:Mitsuru Shibata