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BVLGARI Octo Finissimo with Kazuyo Sejima

ブルガリのオクトは現代におけるウォッチメイキングの金字塔だ。10周年を迎えるオクトで同社が到達した時計づくりと珠玉のタイムピース。10人のキーパーソンたちとともに、その魅力に迫る。今回はブルガリ アウローラ アワード 2018受賞者であり、建築家の妹島和世氏が登場。

70年代に台頭した新しいカルチャーやライフスタイルを背景に、一体型ブレスレットを備えたSSの薄型高級時計が登場した。ラグジュアリースポーツと呼ばれる、現在の人気ジャンルだ。時計は実用道具と同時に、個性を表現するアクセサリーでもあり、時代の感性に磨かれ、進化し続ける。その系譜はオクト フィニッシモ Sにも継承されている。2021年に誕生し、オクト フィニッシモ オートマティックをベースに、ねじ込み式リューズを採用し、防水性を従来の30mから100mに向上させた。アクティブに機能を高めつつケースの厚みは6.4㎜に抑え、薄型のスタイルを貫く。これを手にしたのが建築家の妹島和世さんだ。

 「幾何学的でカチッと作られているにも関わらず、繊細な薄さやラインのバランスがとてもエレガントですね」と語る。作品は、建築の境界を越え、身体感覚から環境や風景につながることをテーマにする。そんな妹島さんの手がける時計をいつか見たい。「男性だけでなく、薄くて繊細なので女性と両方で使えると思うんです。これがこのまま厚かったら、エレガントというよりはもうちょっとマッシブに楽しむことになると思います。同じ素材でもこの仕上げが微妙に変えてあって、その全体の混じり方がすごく綺麗ですね」。

オクト フィニッシモ S Ref.103464 155万1000円(税込) ブルー文字盤に続く、バリエーションとして加わった。バーティカルブラッシュ加工のシルバー文字盤が、シャープネスな硬質感と優美な品格を演出する。SS、自動巻き、ケース径40mm、100m防水、SSブレスレット。

 

妹島和代・1981年日本女子大学大学院修了。87年に妹島和代建築設計事務所設立。2010年、建築家・西沢立衛氏とプリツカー賞を共同受賞。ブルガリ アウローラ アワード 2018受賞。

 
 
 

Photos:Kazumi Kurigami(CAMEL)[Hero Image]、Tetsuya Niikura(SIGNO)[watch] Words:Mitsuru Shibata