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Rebirth of Ideals グランドセイコー 45GS復刻で鮮烈に蘇る、手巻きハイビートの誇り

Sponsored by Grand Seiko

グランドセイコーがおよそ50年ぶりに開発した新しい10振動の手巻きムーブメント「Cal.9SA4」を搭載した「ヘリテージ コレクション 45GS 復刻デザイン限定モデル」。グランドセイコーが描く理想形を目指すための、新たな一歩となる。#PR

2024年のWatches and Wonders Geneveにて発表され、国内外で大きな話題となったグランドセイコーの新しい10振動の手巻きムーブメントCal.9SA4。フラッグシップシリーズである「エボリューション9 コレクション」に搭載され話題を集めたが、今秋発売される「ヘリテージコレクション 45GS 復刻デザイン限定モデル SLGW004/SLGW005」は、グランドセイコーの理念や理想を具体化したモデルといえるだろう。なぜならオリジンとなる1968年製の「45GS」は、デザインと機構の両面を極めた初期グランドセイコーの理想形と呼ばれているからだ。

SLGW005 134万2000円(税込) 世界限定1200本(うち、国内425本) 11月9日発売予定

SSケース、38.8mm径、10.4mm厚。3気圧防水。クロコダイルストラップ。グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロン、グランドセイコーマスターショップにて展開。

 45GSが初期グランドセイコーの理想形とされる理由は、まずはデザインにある。グランドセイコーのデザインコードである「グランドセイコースタイル」は、“機能は見えるように、性能は感じるように”という理念のもと、セイコーのデザイナーであった田中太郎氏がまとめあげたもので、第二精工舎が製作した1967年の「44GS」によって完成した。シャープな平面を生かしたケースや多面カットのインデックスなどが特徴で、その後のグランドセイコーのデザインを方向付けることになる。45GSはその後継機で、グランドセイコースタイルを踏襲したデザインを備えていた。

 さらに、ムーブメントにもセイコーの歴史が詰まっている。諏訪精工舎と第二精工舎は、1964年からスイスのヌーシャテル天文台で開催されていた天文台コンクールに機械式時計で参加していた。諏訪精工舎は自動巻き式にこだわる一方で、第二精工舎は1966年と1967年に、10振動の手巻きムーブメントCal.052を投入し、優れた成績を収めた。そして第二精工舎ではそのノウハウを生かして10振動の手巻きムーブメントCal.4520を開発し、45GSに搭載したのだ。

 つまりシャープな造形美をもつ外装デザインと、10振動の高性能ムーブメントがはじめて融合したのが、かつての45GSだったのである。


そもそも45GSとは何だったのか?

 高速で回転するコマが安定しているのと同様に、テンプの振動が速い(振動数が高い)ほど、衝撃などの外因の影響を受けにくくなって精度が安定する。そのためグランドセイコーは、10振動というハイビートムーブメントの開発に力を入れてきた。

 「ヌーシャテル天文台コンクールへの参加に代表される高精度への挑戦は、すなわち10振動ムーブメントの開発史でもあります。そもそもグランドセイコーは、1969年の1年間の出来事ではありますが採用するムーブメントがすべて10振動だったこともあるくらい、ハイビートムーブメントにこだわってきました。

 1998年に機械式のグランドセイコーが復活し、その後、自動巻きの10振動ムーブメントを実現しました。かつてのグランドセイコーのように、手巻きでも10振動キャリバーを実現させて再び世に送り出したいという想いは、ずっと持ち続けていました」とグランドセイコーの商品企画を担当する江頭康平氏は語る。

 2020年にデビューした新時代の高性能ムーブメントCal.9SA5は、10振動の自動巻きである。しかし当初からこのムーブメントをベースとしてバリエーションを増やすことが計画されており、2023年にクロノグラフのCal.9SC5が、そして2024年に満を持して10振動の手巻きムーブメントCal.9SA4がデビューする。

 「このムーブメントは、まずは『エボリューション9 コレクション』に搭載しました。しかしなぜ10振動の手巻きムーブメントにグランドセイコーが挑戦したのかというストーリーを語るには、実際の時計を提示する必要性がある。だからこそ45GSを復刻させる必要があったのです」(江頭氏)

SLGW004 423万5000円(税込) 世界限定200本(うち、国内175本) 11月9日発売予定

18KYGケース、38.8mm径、10.4mm厚。3気圧防水。クロコダイルストラップ。グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロン、グランドセイコーマスターショップにて展開。

新世代手巻きハイビート Cal.9SA4を解き明かす

 ニッチではあるが、グランドセイコーの歴史を語る上で外すことができない「10振動の手巻きムーブメント」。それを実現したCal.9SA4は、知るほどに魅了されていくキャリバーである。

 「Cal.9SA5の自動巻き機構用のスペースに対して、パワーリザーブ機構を配置しました。ただ、ベースといってもCal.9SA4では新たに採用した部品が全体の40%を占めており、その多くは手巻き機構とパワーリザーブ表示用です。Cal.9SA5を設計する時点で、自動巻き部分にパワーリザーブを配置した手巻きムーブメントを想定しており、Cal.9SA5がローンチしてひと段落した2021年にCal.9SA4の設計を開始しました」とムーブメントを設計した田中佑弥氏は語る。

 Cal.9SA5はハイビートであるだけでなく80時間のロングパワーリザーブも有していた。Cal.9SA4も同様のロングパワーリザープを実現しているうえ、手巻きムーブメントとしての使いやすさにも配慮している。

 「Cal.9SA5は自動巻きに合わせた手巻き機構を搭載していますが、Cal.9SA4は手巻きを前提としてユーザーが使いやすくもっと巻きたくなるような巻上げ感を実現するため、新構造の手巻き機構を搭載しています。巻上げ回数と重さ、クリック感が手巻きの感触や使用感に大きな影響を与えるため、巻上げ回数と重さを決める輪列の減速比や、クリック感を決めるコハゼの形状は一から設計しました。もちろんグランドセイコーとしての耐久性は担保しています。また、巻き上げる際の心地よさを探るために、社内の多くの人にプロトタイプを巻き上げてもらい、重さやクリック感に関するコメントを集め、感性的魅力と実用性のちょうどいいバランスに落ち着かせました」(田中氏)


 リューズを巻き上げる行為とは、すなわち時計と対話することでもある。パワーリザーブ表示を裏面に配置したのは、ムーブメントを見ながらゼンマイを巻き上げて欲しいというメッセージだという。そしてブリッジには雫石川仕上げが入り、赤みの強いルビーの穴石を収める穴の面取りは斜面を浅くすることでポリッシュ面を広く取り、キラッと輝きを強めた。巻き上げ時にカチカチ動くコハゼの形は、盛岡市の鳥である「セキレイ」を模した。こういった仕様はムーブメント設計者だけでなく、デザイナーも交えたチームで考えた結果である。そのため機能だけでなく、美観も優れたムーブメントとなった。


「海外からの反応もよく、スウェーデン・ストックホルムで時計販売店とイベントをした際には、『私たちの鳥が時計に入っている』と興奮して話してくださったお客様もいました。北欧でもセキレイは馴染みのある鳥だそうで、これまでの製品にはなかったストーリーを加えることができました」(江頭氏)

 高性能で美しいCal.9SA4には、グランセイコーの”手巻き愛“がギュッと詰まっているのだ。

新旧45GSオーバービュー

左は新作のSLGW005、右はオリジナルの45GS。サイズ感やディテールは現代的にアップデートされているものの、コンセプトは確実に踏襲されているのが分かる。

 秀逸な10振動の手巻きムーブメントCal.9SA4を搭載したヘリテージコレクション 45GS 復刻デザイン限定モデルは、オリジンと比較してどのような進化を遂げているのだろうか?

 「グランドセイコーにおける10振動モデルの象徴として45GSを復刻させるわけですから、デザインは基本的にオリジンに忠実である必要があります。グランドセイコースタイルに則った平面と稜線を利かせたケースデザインはその典型でしょう。ただしサイズ感はオリジンに固執せず、現代的に進化させました。そもそもケース径はキャリバーサイズに関係する部分なので、オリジンよりも2.3㎜大きくなっています。しかしそれでも38.8㎜径という小ぶりなサイズに収めたのは、オリジンの45GSが44GSよりも小型だったという関係性を意識してのことです。現在の44GSモデルの多くは40㎜径なので、それよりも小さくしています」(江頭氏)


 ダイヤルデザインはオリジンに合わせてシンプルに徹しつつ、やや上面が黒色であったインデックスと針は、現在のグランドセイコーのデザインコードと異なるので採用せず、またケースバックもシースルーへと変更している。しかしなによりも目に留まるのは、12時位置のSEIKOロゴだろう。


 「45GSらしさを表現するために、変えるべきでない箇所はしっかり残しました。グランドセイコーは2017年に独立ブランドとなって以降、12時位置にはGrand Seikoと入るようになりましたが、それでは復刻モデルには見えません。だからあえてSEIKOロゴを掲げたのです。それが自然なことですから」(江頭氏)

左がオリジナル、右が新作のSLGW005。

 アクセサリー的に時計を楽しむ流れがある一方で、これ見よがしではないクワイエット・ラグジュアリーな時計が評価され始めている。細部まで美しくまとめられ、時計としてのスペックに優れる「ヘリテージコレクション 45GS 復刻デザイン限定モデル」は、まさにそういう価値をもっており、グランドセイコーをさらなる高みへと押し上げることだろう。

Photos:Yoshinori Eto(fraction) Styled:Eiji Ishikawa (TRS) Words:Tetsuo Shinoda