trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag
In Partnership

Tissot Gentleman 日常に溶け込む、上質なスタンダード

予算10万円台で良質なスイス製機械式時計を選ぶなら、1853年にスイス・ル・ロックルで創業した老舗、ティソは有力な候補のひとつだ。高い技術力と革新性を武器に、いまやスイス屈指のメガブランドへと成長した同社の強みは、量産体制がもたらす優れたコストパフォーマンスにある。2019年に誕生したティソ ジェントルマンは、ノーブルでタイムレスな魅力を備えた、ティソの旗艦コレクションのひとつだ。今年38mmケースが加わったことで、その魅力はさらに多くの手首に届くものとなった。 #PR

Play

スポーツからドレスまでを見渡す豊かなコレクションに加え、ティソ T-タッチやティソ PRC 100 ソーラーのような先進的なモデルも擁する現在のティソ。そのラインナップは、伝統と機能性の両方を求める現代のユーザーに向けて、大きな広がりを見せている。そのなかで2019年に登場したティソ ジェントルマンは、シーンを問わず着用できる汎用性の高い腕時計として生まれた。スイス製機械式時計の“最初の一本”を探す人にとって、有力な選択肢といえる存在だ。

 これまでティソ ジェントルマンは、クォーツ、オープンハート、ゴールドコンビなど、着実にバリエーションを広げてきたが、そのケース径は40mmに保たれていた。そこへ2026年、新たに38mmが加わる。近年の「より小ぶりで、より快適に日常使いできる時計」が求められる流れを踏まえつつ、バランスの取れたプロポーションと上質な仕上げ、そして手の届きやすい価格を維持したモデルだ。加えて、高性能ムーブメントであるパワーマティック 80を引き続き搭載することで、スペックを重視する時計愛好家の期待にも応えている。

カラーはシルバー、ブラック、ブルー、グリーンの4種からなる。

 では、この新しいティソ ジェントルマンの魅力はどこにあるのか。サイズやパワーリザーブといった数値的なスペックから読み解くことも、ひとつの方法ではある。しかし、日常使いの時計としてきわめてオーセンティックに仕上げられたこのコレクションの魅力を、それだけで端的に語るのは難しい。そこで今回は、HODINKEE Japanのエディターである和田将治が実際に1週間着用し、その完成度を確かめた。本稿では、和田のレビュー動画とともに、新作ティソ ジェントルマンの魅力をデザインとスペックの両面から見ていく。


トレンドに則ったサイズダウンに宿る、確かな普遍性

そもそも、ティソ ジェントルマンに新たなバリエーションを加えるにあたり、なぜ選ばれたのが“38mm”だったのか。まず、7年越しに小径化へ踏み切った理由のひとつとして、ティソは近年の時計業界全体における小型化への需要の高まりを挙げている。より小ぶりなケースをこの機会に投入することで、ティソ ジェントルマン コレクションに新たな魅力を加えることが狙いだったという。

 同コレクションは前述のとおり、40mm径のみで展開されてきた。それは、この時計がティソのコアコレクションとして、より幅広いユーザー層を見据えた存在であるためだ。時計愛好家のようにクラシカルなプロポーションを求めるとは限らない彼らにとって、40mmというケース径はごく標準的なものだったのである。そうした背景もあり、今回の小径化に際しても、ティソ PRXのような大幅なダウンサイジングではなく、38mmという絶妙な着地点が選ばれた。ティソ自身も、このバランスこそが現時点における最適解だと考えているという。

 実際に1週間着用した和田がまず挙げたのも、その優れた着用感に関した内容だった。「この大きさは、僕の細めの手首には(手首周り15.5cm)かなり収まりがよかったです。機能はシンプルで3針の時刻表示と日付表示のみ。実際に着けてみると見た目以上に手首に馴染み、ステンレススティールならではの重量感はありながら着用感はいたって自然でした。また、ベーシックなデザインでサイズ的にも主張は控えめですが、一方でダイヤルのピラミッドパターンは光の下で見てみると確かな存在感を放っています」

 新作では、サイズだけでなくダイヤルの意匠にも手が加えられている。ティソ ジェントルマンにはこれまで、文字盤にクロスモチーフを採用したモデルがあった。プリントで表現されたその意匠は、ティソのヘリテージを掘り起こしたものだったという。一方で、文化や地域によっては解釈に幅が生じるモチーフでもあった。そこでティソは、38mmモデルを打ち出すにあたり、コレクションの統一感を保ちながらそれを別のかたちで表現し直そうと考えた。

 その結果として生まれたのが、中央からなだらかな傾斜を描くピラミッドパターンである。「ピラミッドパターンのダイヤルはかなり控えめですが、自然光に傾けてみるとその変化がよく見えます」と和田。過度に主張することなく、従来のティソ ジェントルマンが持っていた端正なサンレイ仕上げも損なわない。結果として、よりモダンで、国際市場にも受け入れられやすい表情にまとめられている。

 さらにケースの仕上げにも目を留めた。「ステンレススティール製のケースは、鏡面仕上げとサテン仕上げが組み合わされていますが、ケースのエッジに走るラインもいいアクセントになっていますね」

 ティソの時計を語るうえでしばしば挙げられるのが、価格に対して感じられる上質感だ。なかでも、ケースや針、インデックスに施された丁寧な磨き分けは、同価格帯のモデルと一線を画す要素になっている。とりわけケースにおいて、ティソは効率よく“高級感”を演出する要点を的確に押さえている。ポリッシュの効いたベゼルと、サテン仕上げのケースとの対比。さらに、側面にさりげなく加えられた面取り。そうした積み重ねが、シンプルな外装に豊かな表情を与えている。そしてその美意識と技術は、この38mm径の新作にも確かに受け継がれている。

 また、40mmよりひと回り小ぶりになっても、38mmが存在感のうえで見劣りしない理由のひとつは、ティソがサイズダウンに際してダイヤルのサイズを変えなかった点にある。開発チームが目指したのは、ティソ ジェントルマンのアイデンティティを保ちながら、よりすっきりとした印象を実現すること。その答えとして選ばれたのが、ベゼルの再設計だった。

 従来のジェントルマンのベゼルは、ケースに対してやや幅広く、ソリッドで力強い印象を与えていた。対して新作では、ベゼルをより細くシャープに仕上げると同時に、全体の比率を見直すことでより洗練された表情へと導いている。それでいて、視認性や実用性は損なわれていない。ティソによると、新しいティソ ジェントルマンの主なターゲットは、小径化のトレンドに敏感に反応しながらも快適な日常使いの時計を求める25〜34歳の男性とのこと。その狙いは実機の印象にもよく表れている。


思わず毎朝手が伸びる、実用時計の最適解

パワーマティック 80。ニヴァクロン製のヒゲゼンマイが使用されている。

38mm径が加わったことで、ティソ ジェントルマンは現代的なサイズ感を求める声にもこれまで以上に応えられるようになった。コアコレクションとしての裾野はいっそう広がった印象だが、もともとの強みであるスイス製機械式時計としての高い実用性能は、本作においても遺憾なく発揮されている。

 「実際に使っていて便利だと感じたのは、やはりパワーマティック 80の存在が大きいですね。金曜の夜に帰宅して時計を外しても、月曜の朝までそのまま動いている。約80時間のパワーリザーブは、10万円台の日常使いの時計として、突出した実用性を実感させてくれます。15万円までの価格で競合になり得る機械式スイス時計を問われたら、正直あまり思いつきません。ニヴァクロン™製のヒゲゼンマイを採用しているので、精度や耐磁性の面でも安心感があります。現代では、スマートフォンやスピーカー、バッグのマグネットなど、身の回りに磁気を帯びる要因が数多くありますが、そこまで神経質にならず使えるのは本当に楽でした」

 実際、日常的にスチールや動画の撮影を行っている和田のバッグのなかには、磁気を発する物が少なくない。「ヴィンテージウォッチも何本か所有していますが、仕事用の時計として考えた場合、パワーマティック 80の搭載は大きなアドバンテージとなります」。また、本作が10気圧防水を備えている点についても、「日常で使うことを前提にしっかり作られていますね」と高く評価した。

同じく38mm径のティソ PRX 38mm チタンとの比較。同一のムーブメントを搭載しつつ、別の個性を備えている。

 ちなみにティソでは近年、パワーマティック 80を搭載するモデルの拡充を積極的に進めている。昨年末には、ティソ ジェントルマン以上にミニマルな外装を持つティソ クラシック ドリーム コレクションを立ち上げ、6万円台からパワーマティック 80の恩恵を享受できるようになった。ひとつのムーブメントを軸にしながら、ティソはコレクションごとに異なる個性を描き分け、その表現の幅を着実に広げつつある。

 ただ、同じティソの人気シリーズであるティソ PRXと比べても、ジェントルマンの個性は明快だ。「ティソ PRXはよりスポーティで、カジュアルなスタイルやシーンに似合う時計です。一方でティソ ジェントルマンはかなりニュートラルで、オン・オフを問わず使える王道的な時計だと思います。僕はジャケットにクリース入りのパンツを合わせるような、ややきれいめの装いをすることが多いので、ティソ ジェントルマンのデザインは自然に馴染みましたね」。打ち合わせやデスクワークはもちろん、撮影の現場でもそのまま使え、少しカジュアルな服装にも合わせやすい。過度に主張しないからこそ、毎朝気負わず手が伸びる一本になり得るのだ。「ドレスウォッチほどではないにせよ、少しかしこまった場にも違和感なく馴染む。フォーマルとカジュアルのどちらにも振り切らず、バランスよくデザインに落とし込んだこんな時計がちょうどよく感じられる場面は、意外と多いのではないでしょうか」

 同じく38mm径のティソ PRX チタンモデルを手に取りながら、和田は「同じスペックを備えながら、ここまで表現の幅を持つブランドも珍しいですよね」と印象を述べた。

 また、18mmのラグ幅にも和田は言及。ティソによれば、設計にあたっては常にラグ幅を偶数ミリで揃えることを意識しているという。そこには、ストラップ交換のしやすさを見据えた実用的な配慮がある。さらに、同じコレクション内でケースサイズを変える際には、どの寸法が最も調和するかを徹底的に検証したという。今回38mmへと小径化したケースに対しては、同じ偶数でも20mmや22mmのラグでは視覚的な主張がやや強すぎた。そのため、ケースとのバランスが最もよく、外観の一貫性も保てる18mmが採用されたという。

 この判断について、「デザイン上の理由から19mmや21mmといったラグ幅を選ぶブランドも少なくありません。もちろん、それが美観を突き詰めた結果であることは理解できます。ただ、気分やスタイルに合わせてストラップを替えるユーザーが増えているいま、偶数ミリで揃えるという判断は、そうした需要に真摯に向き合った結果だと思います」と、その意義を評した。

 比較的手の届きやすい価格で、幅広いシーンに対応し、洗練された実用性能を備えるスイス製ウォッチ。ティソ ジェントルマンの本質は、この新作でも変わらない。そこに38mmという、現代のユーザーの嗜好に即した選択肢が加わったことで、その守備範囲はさらに広がった。

 「ティソ ジェントルマン 38mm パワーマティック 80は、税込11万5500円です。40mm径のモデルより2万円以上価格が抑えられていて、より手に取りやすくなっています。スペックを踏まえても、機械式時計の最初の一本としてきわめて正当で、間違いのない選択肢だと思います」

 そう話す和田は、エントリー層だけでなく、自身の視点も重ねながら、こう締めくくった。「“最初の一本”としても、“普段使いの一本”としても成立する時計です。これ見よがしな派手さはありませんが、だからこそ長く使える。たとえば、尖った個性を持つ高級時計をいくつか所有しているコレクターにとっても、コレクションの隙間を埋めるような、どこへでも着けていける時計として活躍してくれると思います」。実際、和田自身も、現行モデルからヴィンテージまで、いわゆる名作と呼ばれるアイコニックな時計を多く所有している。「そして38mm径の登場によって、その守備範囲はさらに広がりました。手首の細い人が比較的多い日本市場において、ティソというブランドの裾野を広げる存在になることでしょう。僕個人としても、日常のなかで自然に使い続けられる、完成度の高い一本が選択肢に加わったと感じています」


ティソ ジェントルマン 38mm コレクションギャラリー

Photos:Keita Takahashi, Ryuta Arakaki Styled:​Eiji Ishikawa(TRS) Words:Tetsuo Shinoda