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Hands-On シチズン エコ・ドライブ フォトンは、光発電時計の先駆者であり続ける

過去を尊重しつつ、未来を見据えた時計。

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1カ月以上前、シチズンはニューヨークで盛大なパーティーを開催し、エコ・ドライブ50周年を祝った。その場ではいくつかの新作も発表されたが、なかでもひときわ印象的で、これまでのシチズンにはなかった雰囲気を放っていたのが、新作フォトンだった。その名は実にふさわしい。エコ・ドライブを動かす光そのもの——粒子なのか、いや波なのか——に由来しているからだ。そして話を進める前に、これらは一般的な“ソーラーウォッチ”とは少し異なる。エコ・ドライブはオフィスや自宅の照明はもちろん、ニューヨークの空に顔をのぞかせ始めている太陽の光など、身の回りにあるあらゆる光を動力源としている。

Citizen Photon

 エコ・ドライブについてもっと詳しく知りたいなら、友人のグリフィンが、この技術(とその歴史)を掘り下げた記事を公開しているので、ぜひそちらも読んでみて欲しい。ただし、このフォトンを理解するには、もう少し別の文脈も必要になる。下のダイヤルを見ればわかるように、そのデザインはかなり異色だが、シチズンにとっても例外的なものと言える。というのもシチズンは、ダイヤルに光を透過させるためのスリットを必要としないデザインを長年追求してきたブランドだからだ(これは他ブランドが技術的に苦心してきた課題でもある)。

Citizen Photon

 新しいシチズン エコ・ドライブ フォトンは、直径39.6mm×厚さ9.9mmのケースに一体型ブレスレットを組み合わせた2モデルで構成される。いずれもデュラテクト技術を施したスーパーチタニウム™製だ。ひとつはチタンカーバイドコーティングを施したモデル、もうひとつはツートンダイヤルとケースバンドを備え、DLC仕上げを施したモデルとなっている。各モデルとも世界限定5000本で、発売は今秋を予定している。価格はチタンモデルが14万8500円、DLCモデルが17万8200円(ともに税込)だ。気に入った方には、まだ検討する時間は残されている。

Citizen Photon

 ご覧のとおり、この時計はケースだけでも十分に目を引くが、やはり見逃せないのはダイヤルだ。このダイヤルは、“二重スリット実験”を思わせる多層構造を採用している。光が粒子であり、同時に波のようにも振る舞うことを示す、あの有名な実験だ。とはいえ、光は同時に粒子でもある。Introducing記事のコメント欄でも指摘されているように、物理学者リチャード・ファインマン(Richard Feynman)は光を単なる粒子だと考えていた。もっとも、私は物理学者ではない。そもそも私は、“physicist”という単語の綴りにも自信がない。だから物理について深く語るつもりはない。だが、この時計そのものについてなら話せる。

Dial illustration

Illustration courtesy Citizen

 シチズンはこの技術においてきわめて優れており、タグ・ホイヤーなどの他社に技術ライセンスを提供しているほどだ。ダイヤルはまず、5分刻みの夜光インデックスと分目盛りを備えたリング(ダイヤルカバー)から始まる。そこに丸みを帯びたドーフィン針が組み合わされ、秒針にはオレンジ、あるいは紫がかった青色が施されている。

 その次の層は3つの三角形の層が互いに重なり合い、中心に向かって収束するメタリックダイヤルだ。さらにその下には同心円状のメタリックなダイヤルが配置される。そして最後に、構造色フィルムの層が光を透過させる。その結果生まれるのは、見る角度によって表情を変える視覚効果である。モアレ効果によって、ダイヤルのパターンがまるで動いているかのように見えるのだ。

Citizen Photon
Citizen Photon
Citizen Photon

 スーパーチタニウム™製ケースを採用したこの時計は、素材だけを見るとツールウォッチにも思える。だが防水性能は50mに留まり、夜光も備えてはいるものの、それほど強力ではない。むしろ全体としては、ロイヤル オークやノーチラスのような“一体型ブレスレットウォッチ”に近い立ち位置を狙っているように見える。しかし、その価格帯ははるかに現実的だ。

Citizen Photon

 時計の裏側はソリッド仕様で、内部を見せる必要性があまりないエコ・ドライブ搭載モデルとしては、自然な選択と言えるだろう。裏蓋には限定番号(5000本限定)が刻印されている。ブレスレットはしっかりとしたつくりでありながらも、硬すぎず、メイン部分にはサテン仕上げ、全体をつなぐセンターリンクにはポリッシュ仕上げが施されている。

Citizen Photon
Citizen Photon
Citizen Photon

 実際に手首に着けてみると、本作は(予想どおり)快適な装着感だった。最初に手にしたときは、動作しないサンプル品とはいえ、本当にムーブメントが入っているのか疑ったほどだった。ブランドに確認したところ、もちろん内部にはムーブメントが搭載されていたのだが、本作はスーパーチタニウム™製ケースと、私が普段着けているチタン製ダイバーズウォッチに搭載されている自動巻きムーブメントに比べてかなり軽量なムーブメントのおかげで、驚くほど軽く感じられた。もっとも、そのサンプルでは精度を試すことはできなかった。ただ、新型のCal.E036はフル充電時で最大1年間駆動し、公称精度は月差±15秒となっている。

Citizen Photon

 私の手首に対して完璧なサイズというわけではなかったが、それでもかなりなじんでいるのがおわかりだろう。その理由のひとつが、マイクロアジャスト機構が内蔵されていたおかげで細かな調整ができたからだ。もちろん、そこにごまかしはない。ブレスレットの内側にグローブを詰めて無理やりフィットさせたり、手首から浮いている部分を隠したりといったことは一切していない。7.25インチ(約18.4cm)の私の手首に、ただ自然に快適に収まっていた。

Citizen Photon
Citizen Photon
Citizen Photon

 最後に、多くの人が強く反応していたのが、このデザインそのものだった。たしかに、H.モーザーのストリームライナーとの類似性を指摘する声もあるが、私は完全には同意できない。確かにロイヤルオークやノーチラスよりは、角張ったケース、丸形のダイヤル、傾斜したブレスレットといった点で、ストリームライナーに似ているかもしれない。しかしほかの手ごろな価格帯のブランド(シチズン自身も含め)が最近発売しているモデルと比較すれば、このモデルのほうがはるかに独創的だ。なかには既存の有名デザインにかなり接近したモデルも少なくない。特に15万円前後の価格帯であることを考えると、シチズンは素晴らしい仕事をしたと思う。

Citizen Photon

 シチズン エコ・ドライブ フォトンの詳細はこちらから。発売は2026年秋を予定している。