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Hodinkee Shopで販売されている現在のヴィンテージウォッチの全セレクションを見るには、こちらをクリック。
今週のヴィンテージウォッチ
アメリカではレイバー・デーが過ぎ、夏が終わりを告げようとしている。2022年の終わりを迎える前に、私たちは少々くつろげるときを迎えるわけだが、Hodinkee Shopのヴィンテージウォッチセレクションは、一層充実した内容になるよう準備している。これから数週間、私たちのチームは、最も問い合わせの多いヴィンテージウォッチの素晴らしい個体を提供していく予定だ。例えば、初期のグロッシーダイヤルのエクスプローラー Ref.1016をお探しだろうか? 今週は、そんな皆さんのご要望にお応えする。ギュブランの“アンドレッティ” オータヴィアを見逃した方、あるいは特別なヴィンテージのデイデイトをお待ちの方は、ぜひご覧いただきたい。乞うご期待だ。
先日、Hodinkee Shopに10本の新鮮なヴィンテージウォッチが登場。そのセレクションは、ボルボの50周年記念に作られたサーチナから、印象的なリアマウントラグ付きの18Kイエローゴールドのヴァシュロン・コンスタンタンまでと幅広い。ヴィンテージチーム面々は今回、大村サオリからは特別なスピーディ、リッチはトロピカルダイヤルのゼニス A384、そしてショーンがクラシックなHodinkeeらしい1本として1940年代のユニバーサル・ジュネーブ トリコンパックスをそれぞれ取り上げる。また、Hodinkee Shopで販売されているヴィンテージウォッチはすべて、こちらでご覧いただける。
1967年製 オメガ スピードマスター“エド・ホワイト”Ref. 105.003-65 パルスメーターベゼル
スピードマスターの歴史に残る数々のデザインのなかでも、ヴィンテージスピードマスターの要素を最も豊富に取り入れた「エド・ホワイト」は傑出した存在だ。このニックネームは、エドワード・ヒギンズ・ホワイト2世が1965年にアメリカ人宇宙飛行士として初めて宇宙船外活動を行った際、このモデルに長いベルクロストラップを用いて宇宙服に装着していたことから付けられた。
まず、最初は目立たないのだが、時計をよく見ると、非常に力強いストレートのラグが備えられているのに気づく。数年後に登場した、もっとよく知られているねじれた竪琴形のラグではない。ヴィンテージのスピードマスターを知っている方なら、その違いがわかるはずだ。また、後期モデルに使用されているCal.861は、オメガのロゴはプリントされているが、 このCal.321のムーブメントでは、ロゴはアプライド仕様だ。中身も外見も、とにかくシャープな感覚の時計となっている。
多くの人を混乱させるのは、パルスメーターベゼルだ。これは、当時の購入者にオプションとして提供された希少なベゼルとなっている。スピードマスターと言えば、アメリカの宇宙開発ミッションのイメージが強いが、「Gradué pour 15 pulsations」というフランス語の文字が、この時計のスイスらしさを演出しているようでもある。国際的な雰囲気を醸すと同時に、ベゼルの目的を明確にしているところに好感が持てる。スピードマスターは間違いのないものであり、目にすると、ついつい欲しくなってしまう。他の人とは違う、自分以外にはわからないものを手にしているという、自己満足に浸れるのだ。この時計は、そんな私の条件を見事に満たしている。この素晴らしいヴィンテージのスピーディの詳細については、こちらをご覧いただきたい。
1970年代 ゼニス エル・ プリメロ Ref.A384 トロピカルダイヤル
ヴィンテージのゼニスは、私の心のなかで常に特別な位置を占めている。入手困難なS.58ダイバーから70年代のエル・プリメロのバリエーションに至るまで、このブランドには掘り下げるべき対象が豊富にある。その背後にある歴史も、非常に興味深い。このブランドには、20世紀を通じてたどることができる最高の物語があるのだ。それでも、エル・プリメロのムーブメントが、スイスウォッチメイキングにおける大きな歴史のなかで、いかに重要な位置を占めているか、腕時計界はまだ十分に理解していないように思う。現代の視点から見ると、ゼニスはリバイバルのラインナップとそれ以外の製品群の両方において、ヴィンテージを現在のデザインに反映させるという点で、市場をリードしている存在なのだ。
リバイバルと言えば、ゼニスは2019年にエル・プリメロの50周年記念にて、パンダダイヤルのA384に着目した。これも素晴らしい現代的な解釈がなされた時計なのだが、ヴィンテージ愛好家なら誰もが言うように、今回私たちが紹介するような個体における正真正銘の本物が醸し出す、数十年間の魅力に代わるものはないだろう。
他のエル・プリメロ初期モデルと同様、A384は非常に限られた本数しか生産されず、そのなかにはトロピカルな雰囲気を与える文字盤を備えた製造ロットも存在する。このトロピカルA384はあまり出回っておらず、以前はブラックだったサブレジスターとアウタートラックに、さまざまなニュアンスのブラウン系の色合いが見られる。私たちが今手にしているモデルでは非常に微妙にしか見ることができないが、自然光の下では、はっきりと深い茶色を帯びる。ダイヤル以外のケース部分は、あらゆるジオメトリー性が損なわれておらず、正しいブラッシングが施されているため実に力強い外観をキープしている。当然ながら、ゲイフレアー製のラダーブレスレットとの相性もよく、真のヴィンテージであるエル・プリメロの見栄えを完璧なものにしている。Hodinkee Shopのこちらのページからぜひご覧いただきたい。
1940年代 ユニバーサル・ジュネーブ トリコンパックス クロノグラフ Ref. 22258
Hodinkeeで勤務するようになる前、私が最もHodinkeeと結びつけて考えていたヴィンテージブランドのひとつが、ユニバーサル・ジュネーブだったと思う。おそらく、スティーブンの初期の趣味がポールルーターだったり、ベンがそのクロノグラフタイプを好んでいたりしたからだろう。クール・ハンティングの動画で、当社の創業者が、ユニバーサル・ジュネーブの3レジスタークロノを掲げて、砲弾や実用主義に言及しながら、テレメータースケールとは何かについて説明しているのを見たのを覚えている。当時、初めて「本物の」ヴィンテージウォッチを買おうとしていた私にとって、これらの注目度の低い時計は本当に魅力的だった。結局、そのときはデイトジャストを購入したため、ユニバーサルを今なお手に入れなければならない状況にある。しかし、それについてはまた別の機会にお話ししよう。
今週のヴィンテージリストにトリコンパックスを加えようと考えていたとき、数多くのユニバーサル・ジュネーブを所有するベンが出演したあの2015年の動画と、テレメータースケールに言及する彼のことを思い出した。ほぼ同時に、Instagramで友人のジョン・ゴールドバーガー氏が、他ならぬベン・クライマーが所有するユニバーサル・ジュネーブを試着しているところをスクロールしてみた。私は、7年前の動画を参照しながら、ベンが非常に特徴的なやり方で、まさに同じ時計をゴールドバーガー氏のところに持ってきて、「知っている人にはわかる」というような、ちょっとした瞬間を期待していたのだ。画面によだれを垂らしそうになりながら拡大してみると、ヘンリー・グレーブスの孫、ピート・フラートン氏がかつて所有していたこの時計は、クール・ハンティングのクロノとは少し違うことに気づいた。残念なことに、同じ時計ではなかった。ベンのヴィンテージコレクション、特にユニバーサル・ジュネーブを追跡、記録するのはフルタイムの仕事になってしまう。今回紹介するトリコンパックスは、クール・ハンティングの動画の例よりもフラートン氏の時計によく似ている。Hodinkee Shopで確認してみて欲しい。
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