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我々が知っていること
以前大いに注目されたブラックダイヤルを持つステンレススティール(SS)製ノンデイト仕様シーマスター 300Mは、オリンピックでジェームズ・ボンド…いや、ダニエル・クレイグ(Daniel Craig)氏の手首に巻かれた数カ月後に正式発表された。そのエピソードもあり、すでに“ダニエル・クレイグ”という愛称で呼ばれ始めているのも納得だ。しかしさらに驚くべきことに、オメガはこのモデルに加えて、ブラッシュ仕上げのシルバーダイヤルとベゼルを備えたオプションも同時にリリースした。そして、これらの新作にはダイヤルとベゼル以外にも注目すべきポイントが数多く存在する。『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(原題: No Time to Die)』のシーマスターを彷彿とさせるディテールが随所に散りばめられているのだ。
今回登場した新モデルはふたつで、合計4つのSKU(それぞれ異なるブレスレットオプションを持つ)からなる。どちらもSS製の42mm径ケースを持つシーマスター 300Mで、厚さは13.8mm。いずれも『ノー・タイム・トゥ・ダイ』エディションと同様、わずかにドーム型になったサファイアクリスタルを採用しており、それが厚みを少し増している。内部にはコーアクシャル脱進機を備えたマスタークロノメーター認定のCal.8806が搭載され、シースルーケースバックを備える。しかし外観をひと目見れば、その特徴からシーマスター 300Mであることがすぐにわかる。力強いダイビングベゼル、スケルトン化されたソード針、竪琴ラグ、そして10時位置の手動式ヘリウムエスケープバルブといった定番のデザインは健在だ。両モデルの最大の違いはその美学的要素にあるが、さらに注目すべきディテールがある。
まずは最も注目を浴びるであろうブラックダイヤルから。ダイヤルにはアルミニウムが素材として使用され、表面のウェーブパターンが従来よりも小さくなっている。『ノー・タイム・トゥ・ダイ』エディションや“ボンド60周年記念”モデルと同様に、このブラックのウェーブダイヤルモデルはベゼルインサートにもアルミニウムを採用している。これにより従来のポリッシュ仕上げのセラミックに比べて、ややマットな印象を与えている。一方でシルバーダイヤルモデルはPVD加工されたブラッシュ仕上げのSS製で、ベゼルインサートにはレーザー加工が施されたチタンが使用されている。この仕様はややマイナーだが“ネクトン”エディションを思わせるものだ。ブラックダイヤルが人気を集めるのは間違いないが、SSダイヤルも目を引く魅力的なオプションと言えよう。
どちらのモデルも、ブラックのダブルリッジ(2本の隆起を持つ)ラバーストラップ(ピンバックル付き)またはSS製メッシュブレスレット(幅20mm、フォールディングクラスプ付き)を選択可能である。こちらも『ノー・タイム・トゥ・ダイ』モデルのような仕様だ。価格はブレスレットモデルが100万1000円、ラバーストラップモデルが91万3000円(ともに税込)となっている。
我々の考え
私は実は、この時計が初めてリークされたオリンピックの現場にいた。そして今回ついにその時計が発表されたのだ。当時私ダニエル・クレイグ氏がオリンピックで着用していたこの未発表のシーマスター 300Mの謎に迫るため、すべての作業を中断して調査を始めた。それ以来、この正式発表をずっと待ち望んでいた。そう、あの“リーク”が偶然だったとはまったく思っていない。オメガがリリース前の期待を高めるために意図的に仕掛けたものである可能性が高いのだ。ただし、オメガ側から報道を依頼されたわけではない。
実際、私がブランド側にこの件について質問した際(そのなかには、現在ブレゲのCEOである元オメガ製品開発責任者のグレゴリー・キスリング氏も含まれていた)、彼らは少し驚いている様子で、何も情報を持っていないと言われた。いずれにせよ、この話が我々の記事のなかでも年間で最も読まれたもののひとつになったという事実は特段驚くべきことではない。もちろん、我々の記事内容が完全に正しかったわけではない(今回のモデルにはセラミックベゼルは採用されていなかった)が、それでも素晴らしいリリースであることに変わりはない。
ブラックダイヤルモデルは確実にヒットすると言っていいだろう。メッシュブレスレット付きで155万1000円(税込)の『ノー・タイム・トゥ・ダイ』モデルよりも手ごろな価格で、オメガのラインナップにおける素晴らしいエントリーレベルのダイバーズウォッチを提供しているからだ。確かに期待されていたよりもやや大きく厚めかもしれないが、私は42mm径のシーマスター 300Mが手首にしっくりくると思っているし、ブラックのダイビングウォッチにハズれはない。
シースルーケースバックが採用されている点は、オメガのエントリーレベルモデルとして非常に素晴らしい選択だ。これらすべてを総合すると、オメガが中価格帯の高級ダイバーズウォッチ市場で再び競争力を取り戻しつつあるのだと感じる。ロレックスが価格の高騰と入手の難しさによって長いあいだこのマーケットから離れてしまっているのは残念だが、オメガがその隙間を埋めようとしているのだ。これまでの傾向を考えると、今回のシーマスター 300Mはしばらく入手困難になる可能性もあるが、いずれは在庫が安定するだろうと予測している。
基本情報
ブランド: オメガ(Omega)
モデル名: シーマスター ダイバー300M(Seamaster Diver 300M)
型番: 210.30.42.20.01.010(SS製ケースとアルミニウムベゼル、ブレスレット仕様) /210.32.42.20.01.003(SS製ケースとアルミニウムベゼル、ストラップ仕様)/210.30.42.20.06.002(SS製ケースとチタンベゼル、ブレスレット仕様)/210.32.42.20.06.002(SS製ケースとチタンベゼル、ストラップ仕様)
直径: 42mm(ラグトゥラグは49.7mm)
厚さ: 13.8mm
ケース素材: SS製ケースとシュウ酸アルマイト処理を施したアルミニウム製ベゼルインサート/ SS製ケースとレーザー加工によりダイビングスケールをあしらったグレード5チタン製ベゼルインサート
文字盤色: 微細なウェーブパターンを施したブラックアルミニウム/ブラッシュ仕上げのシルバーグレーSS
インデックス: アプライド
夜光: 針とインデックス
防水性能: 300m
ストラップ/ブレスレット: フォールディングクラスプ付きSS製メッシュブレスレット(幅20mm)、またはピンバックル付きのダブルリッジブラックラバーストラップ
ムーブメント情報
キャリバー: オメガ 8806
機能: 時・分・秒表示
パワーリザーブ: 55時間
巻き上げ方式: 自動巻き(手巻き、秒針停止機能付き)
振動数: 2万5200振動/時
石数: 35
クロノメーター認定: マスタークロノメーター
追加情報: コーアクシャル・エスケープメント、シリコン製ヒゲゼンマイを備えたフリースプラング式テンプ
価格 & 追加情報
価格: ブレスレットモデル 100万1000円/ラバーストラップモデル 91万3000円(ともに税込)
発売時期: 発売中
限定: なし
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