第2回目のWatches in the Wild: パリ編のエピソードは、ジュエリーデザインとウォッチデザインの相互作用についてをテーマにした。というのも親愛なる読者(そして視聴者)の皆さん、私は時計のデザインが必ずしもお決まりである必要はないことを証明する使命があるからだ。
エピソード2では、ジュエリーデザイナーのナディーン・ゴーンとシャルロット・シェネに会い、ファッションとジュエリーの専門家が時計の分野に参入する開拓の可能性について話し合う。例えば、オーデマ ピゲのためのカロリーナ・ブッチの大成功は、異種のクリエイティブ同士の対話が成功することを証明している。
シェネと私は、彼女のデザインに一貫した流動性、シェイプ、そして革新性と普遍性の均衡点を探り出す重要性について語り合った。この点については、カルティエが成功させた偉業である。さらになんと、なんと! 女性に語りかける、タイムレスでエレガントなデザインをつくり出すジュエリーメゾンを紹介しよう!
この対談である疑問に行き着いた。 なぜ時計業界は、女性消費者に直接、そしてより効果的に語りかけるために、幅広いデザインの引き出しを持つ女性デザイナーを積極的に採用させないのだろうか? これは慎重に考慮された、物事を前進させる論理的な方法のように思える。画一的なマーケティングを減らし、より攻めたデザインをお願いしたい!
時計をアクセサリーやジュエリーの一部として身につけることは悪いことではない。イヴ・ピアジェも、ピアジェの役員アラン・ボルジョーとの会話のなかで、この言葉に同意したことだろう。1960年代当時、ピアジェはコレクションからインスピレーションを得るために、デザイナーをパリのショーに派遣していた。そうすることで、時計やジュエリーが時代の流れに沿ったものになる。まるで天国のようだ!
今日、時計業界はファッション業界とはまったく異なる状況にある。ある賢い人(別名数学者マイケル・フリードマン)は、すべては永続性と陳腐化の二項対立に帰結すると私に言った。私たちは高級時計を永遠の証として、ファッションを刹那的な流行として見ているが、どちらも基本的には文化の表現であり、多少の違いこそあれ、個人のスタイルの表現として捉えれば、両者はそれほど似ていないこともない。
時計ブランドは、もう少し現代的な空気を汲み、予測可能なテンプレートに頼らずに、ファッション界で多くの人がやっているように、外部からのインスピレーションに頼ることができるだろう。まさにジェンタが異分野を股にかけたデザイナーとして知られているように。このままリスクを取ることに躊躇し続けるようであれば、時計業界は膠着状態に陥るだろう。革新は常に衝撃を与えるが、嗜好や態度はしばしばそれに追随する。遅れをとるよりは、先んじたほうがいいのだから。