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オーデマ ピゲ 2021年新作で体感する THE TRUE NATURE OF AESTHETICS

高級時計の概念としての仕上げを昇華しつづけるオーデマ ピゲ。

技術革新を続ける時計において、本来の機能や性能もさることながら、近年、外装や文字盤の進化が著しい。とくに文字盤は美観や品質を向上するとともに、高級時計ではより凝った仕上げや多彩なカラーへの取り組みが積極的に行われている。その嚆矢となるのがオーデマ ピゲだ。ラグジュアリースポーツの新境地を開拓し、いまもトップランナーであるロイヤル オークの特徴のひとつが、美しい文字盤のタペストリー模様であることはいうまでもない。そしていまやブランドアイコンになったCODE 11. 59 バイオーデマ ピゲ(以下、CODE 11. 59)も、独自のカラーをデザインや機能に続く、コレクションの新たな魅力に位置づける。そこで最新作のロイヤル オーク オフショアとCODE 11. 59 クロノグラフを通して、革新を続けるオーデマ ピゲの文字盤の仕上げとカラーについて、本社開発ディレクターのルカス・ラッジ氏に話を聞いた。

ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ

Ref.26238ST.OO.2000ST.01 473 万円(税込)
SSケース。42mm径。自社製クロノグラフCal.4404搭載。

伝統を革新に変えるブランドの精神

 ロイヤル オーク オフショアは、ここ数年、リバイバルデザインや既存モデルのエクステンションが中心だった。想定外の時代の変化に加え、そこには十分な開発期間をかけて粗製乱造を防ぐとともに、既存モデルの新しい魅力を引き出し、ロングセラーとして育てていくという深謀遠慮もあるのだろう。そこで差別化要因になるのが、文字盤の仕上げとカラーだ。文字盤はまさに“顔”であり、これまでも高級時計ではひと目でそれとわかる個性とラグジュアリーな品格を表現するため、美術工芸のような伝統に培われた技術を注いできた。オーデマ ピゲのタペストリー装飾もそのひとつ。今年魅力を一新したロイヤル オーク オフショアでも美しい輝きを放つ。

 新作の42mmは1993年に発表された初代オリジナルの新たな進化形である。サイズやデザインを踏襲しつつ、最新の自動巻きフライバック式クロノグラフのCal.4404を搭載する。これはCODE 11.59にも搭載されているCal.4401をベースとして初代のスタイルを忠実に再現するため、横配列を縦配列に変更した。さらにケースのデザインを崩すことなく交換可能なストラップシステムを採用し、ステンレス、チタン、18KPGの3モデルをラインナップ。ダブルプッシュシステムでロックの安全性も万全だ。

ロイヤル オークオフショアクロノグラフ
Ref.26420IO.OO.A009CA.01 445万5000 円(税込)
チタンケース×セラミックベゼル43mm径。ラバーストラップ。自社製クロノグラフCal.4401搭載。

ロイヤル オークオフショアクロノグラフ
Ref.26238OR.OO.2000OR.01 962 万5000円(税込)
18KPGケース。42mm径。自社製クロノグラフCal.4404搭載。

「主なインスピレーションの源は1993年のオリジナルであり、過去を土台にして未来を予測したいという強い願望から、ロイヤル オーク オフショアが持つデザインコードエッセンスはそのままに、最新のクロノグラフ技術を用いて、よりアクティブなライフスタイルに対応したモデルに仕上げたのです」と開発ディレクターのラッジ氏は言う。

 鮮やかによみがえった初代オリジナルのスタイルをより印象づけるのが、文字盤のプチタペストリーだ。美しい均一の正方形のグリッドを入れ、さらに凸部には網目、凹部にも精細なギヨシェが施されている。この技法についてラッジ氏は次のように解説する。
 「タペストリーの製作は、伝統的なギヨシェの専用機械を使います。再現するモチーフを何倍もの大きさに拡大した金型円盤と、時計文字盤を並べて配置し、この2枚を同じ速度で回転させます。そして回転する金型の凹凸をトレースし、その動きをパンタグラフ状になった鋼の切削工具が受け、まるでレコードの針のように文字盤を刻むことでパターンを縮小再現します。作業は文字盤の周縁部から始まり、少しずつ中心に近づいていき、完成します」こうした伝統的な機械や製作技法を駆使した仕上げと、最新技術を注ぐムーブメントが一体化し、名作は時代を超越していく。

CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ 

Ref.26393BC.OO.A002KB.01 561 万円(税込)

18KWGケース。41mm径。自社製クロノグラフCal.4401搭載。

 いまオーデマ ピゲで最もホットなモデルがCODE 11.59だ。一昨年のデビューでは一挙13型が登場し、フルコレクションをそろえたばかりか、翌年にも新たなコンプリやバイカラーのバリエーションの発表のほか、多彩なカラーダイヤルを新機軸に打ち出し、その勢いを緩めない。そして3年目となる今年、サンバースト模様のスモークブルーラッカーダイヤルが加わった。ラッジ氏は「水中から見た太陽の光のように、刻々と変化する光の表情を楽しめます」と言う。

  CODE 11.59 は幾層にも重ねられたラッカーダイヤル上の深みのある色合いが高く評価されてきた。

 「私たちが最終的な色を決定するには、まず3Dモデルによるテストを行います。そして“クリエイション・コミッティ”で選ばれたバージョンについてプロトタイプを作成し、この試作をもとに、私たちの期待と品質を満たすモデルとカラーの組み合わせを選定します。この厳密なプロセスはすべてのコレクションに共通しています」とラッジ氏。なかでもブルーはブランドにとっても特別な色、と続ける。「長年にわたり、ダークやライト、ホモジニアス、スモークなどさまざまなブルーの色調を開発してきました。こうした当社のキーとなるブルーのひとつとして、アーカイブの“ナイトブルー、クラウド50”が知られています。これは、1972年にロイヤル オークでデビューし、 1993年には初代ロイヤル オーク オフショアを飾っています」。

 CODE 11.59は“クリエイティビティのキャンバス”として、ラボのようにデザインや技法などあらゆる実験的な革新性が注がれている。そしてここで得た成果はやがてほかのコレクションにも波及していく。見えてくるのは、まさにブランドの未来像でもあるということだ。

オーデマ ピゲ ブティック 銀座で味わう、本社工房のバーチャルツアー

オーデマ ピゲ ブティック 銀座の地下1階では、本社CEOやスタッフがCODE 11. 59の製作工程などの解説を行う360°プロジェクションマッピングの映像を鑑賞できる。

工房内を擬似的に回遊したり、時計師が作業中の手元を間近で見られたりする映像が5分半程度に凝縮されている。2021年12月12日まで実施予定。

その他詳細は、オーデマ ピゲ公式サイトへ。

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