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Hands-On ノモス グラスヒュッテが新ムーブメント搭載のタンジェント 2デイトを発表

このドイツブランドは、クラシックモデルに大胆なアプローチを取り、日付機構をさらに強調させた。

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Photos by TanTan Wang

グーテンターク! ドイツのグラスヒュッテから報告だ。現在、ノモス グラスヒュッテ本社で開催されている第5回ノモスフォーラムに参加しており、今年の新作をプレビューしている。しかし今後のリリースはまだ秘密のままであるが、フォーラムと同時にノモスは新しい手巻きムーブメントDUW 4601と、個性的な新モデル、タンジェント 2デイトのふたつのバリエーションを発表した。

nomos hq

今日のグラスヒュッテは少し雨模様である。

 そう、日付窓が苦手な人は要注意だ。ノモスはふたつの日付窓を備えたタンジェントを発表した。だがその話に入る前に、新しい手巻きムーブメントについて少し触れたい。ノモスのコレクターならこの“リングデイト”機構が、これまで自動巻きのネオマティックキャリバーを搭載したふたつのモデル、41mmのメトロとタンジェントにしか採用されていなかったことに気付いているかもしれない。

 新しいCal.DUW 4601は、ノモス初のリングデイト機構をクイックセット機能付きで備えた手巻きムーブメントである。特筆すべき点はその厚さがわずか2.8mmであることだ。ノモスはほとんどのムーブメントが日付機構を上部に配置しているのに対し、キャリバー全体と同じ平面に日付機構を収めることで、この薄さを実現している。またパワーリザーブが約52時間に向上しており、ブランドとしてきわめて評価に値するムーブメントとなっている。

new DUW 4601

新しいDUW 4601。

 今日発表されたふたつの時計、ホワイトとブルーのカラーバリエーションがあるタンジェント 2デイトに話を移そう。特に注目すべき点は、ノモスがこのモデルを37.5mmのタンジェントケースでリリースしたことである。これまでの大型モデルとは大きく異なり、“複雑”なバージョンであるタンジェントをよりクラシックなプロポーションに戻した形だ。

laying flat shot

 日付窓や日付表示盤に対する感じ方次第では、ユニークとも奇抜とも言えるが、ノモスはこれらの時計にリングデイトと従来の日付窓の両方を採用することで、日付というコンセプトを強調することにした。そう、これは大胆な選択だ。ブランドによると、日付窓は直接的な日付表示を提供し、リングデイトは月日の経過を視覚的に示すための補完的な役割を果たすという。この決定をどう評価するかは別として、この選択は意図的なものである。

 台形の形をした日付窓は、リングデイトの外側のカットアウトと並べて配置されており、そのプロポーションや書体も調整された。セリフ体の数字は、月ごとの日付に合わせてカーニングや間隔がていねいに調整されており、2桁の日付になっても視覚的に同じバランスが保たれるよう配慮されている。すべてのモデルにおいて正確なデザインの重要性を強調するノモスにとってこの細部へのこだわりは非常に重要であり、多くのブランドが見過ごしがちな部分でもある。

White Dial
ring date highlight
date window highlight

 一見すると、特に37.5mmのケースではダイヤルが詰まって窮屈に感じられるかもしれないが、実際に見てみるとそうは感じなかった。リングデイトのカットアウトデザインがダイヤル外周にある通常の秒目盛りの代わりを果たしているため、余分な要素がないように感じられる。確かに、ふたつのデイト表示は不要かもしれないがこのデザインの仕上がりは非常にうまくいっており、驚くほど調和している。

 2デイトのふたつのダイヤル仕上げは、ブランドにとって目新しいものではないが、今回の実装においては若干の変更が加えられている。ホワイトシルバーメッキのダイヤルは、41mmのネオマティック版に最も近いが、鮮やかな赤の日付表示が追加されたことで赤のアクセントが強調され、より遊び心のある印象を与えている。しかしより大きな変更は、ブルーダイヤルのバリエーションにある。41mmのネオマティック版では、リングデイトが明るいグリーンで表示されており、読みやすさはあるもののよりカジュアルな見た目になっていた。2デイトではそのカラフルなアクセントを白に変更し、ダイヤル上の白いプリントと調和させている。実際に手に取ってみると、リングデイトは時折読みづらいものの、より控えめな印象を与える。しかしブルーはふたつのバリエーションのなかでも特にカメレオン的な存在で、曇り空や室内の光の下では暗く平坦に見えるが、サンバーストメタリックブルーダイヤルを日光に当てると、輝きと質感が現れる。とはいえ私自身はホワイトダイヤルのほうが好みだ。というのも、この独特な機能をさらに強調したいと思うなら、赤がより鮮明に映えるからである。

blue dial in the light
blue dial up close
blue dial wrist shot

 さまざまな手首のサイズに美しくフィットしている様子を、今日多くの人が試着しているのを見て実感した。タンジェントデザインの特徴である長く細いラグは、このサイズだとまさに理想的だ。新しいキャリバーの薄さも好印象で、ケースの厚さは6.8mmしかない。両モデルともに、ノモスのシグネチャーであるブラックのホーウィン社製シェルコードバンストラップが付いているが、ホワイトダイヤルにはもう少しカジュアルなストラップが似合うと感じる。

caliber shot closeup

 時計を裏返すと新しいキャリバーが現れる。このキャリバーでまず目に留まるのは、新しい仕上げのスタイルだ。通常、ノモスはサンビームスタイルのリブ装飾を貴金属製のラムダモデルにのみ採用しているが、今回はスティールモデルで初めてグラスヒュッテ・ストライプをやめ、より動きのある装飾が施された。グラスヒュッテ・ストライプはこの地域の時計製造の歴史に由来するが、50万円前後の価格帯の時計にとって、この視覚的な変化は非常に新鮮だと感じる。時計自体はソリッドケースバックのモデルで47万5200円からスタートするが、新しい仕上げを楽しめる、52万3600円(ともに税込)のサファイアケースバックオプションのほうが個人的には魅力的に感じる。

wristshot

 タンジェント 2デイトは、2024年のノモスフォーラムで予想していたモデルではなかった。誰もが特に望んでいたわけではないデザインだと思うが、こういった奇抜な選択こそがノモスというブランドを愛する理由のひとつだ。またノモスがこの価格帯で自社製ムーブメントを搭載しながら、これほど薄い時計をつくれる能力について、十分に評価されていないとも感じている。ほかのブランドにとっても、今後の指針となるべき存在であることは間違いない。ノモスの風変わりな旧モデルと同様、この時計も10年後に振り返ったときに、熱烈なファンにとって魅力的なコレクターズアイテムになっているような気がする。そしてきっと、“日付窓がなければよかった”というコメントが出るのを楽しみにしている。

ノモス グラスヒュッテ タンジェント 2デイト。直径37.5mm、厚さ6.8mm、ラグからラグまで47.7mm。ステンレススティールケース、5気圧防水。ホワイトシルバーメッキまたはブルーのサンバーストダイヤル。時・分表示、スモールセコンド、日付窓、リングデイト機構搭載。手巻きCal.DUW 4601、クイックセット日付機能付き、パワーリザーブ約52時間。ブラックのホーウィン社製シェルコードバンレザーストラップ。価格はソリッドケースバック付きで47万5200円、サファイアケースバック付きで52万3600円(ともに税込)