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取り外しや交換が可能なヴィンテージブレスレットは、デイトナやスピードマスターと同様に、ロレックスやオメガといったブランドの成功や象徴的な地位の確立に貢献してきた。通常、このヴィンテージウォッチの記事では時計そのものに注目することを好むが、それには正当な理由がある。悪巧みのほとんどは、時計の“ヘッド(本体)”で行われる。しかしヴィンテージ時代には、ダイヤルのデザイン、ムーブメントの構造、針の形状が非常に慎重に検討されたのと同様に、ブレスレットのデザイン、構造、セレクションもそれ自体がアートだったのである。
部屋の向こう側から、あるいはディナーテーブルの向こう側からでも、ブレスレットは腕時計よりもはるかに識別しやすい。誰かが自分の手首に何を見るかがすべてというわけではなく、腕時計を購入する際にはそのことを念頭に置いておくべきだと主張する人もいる。つまり手首の魅力は、時計の世界では人目を引く家の外観の魅力に相当するのである。ロレックスは、オイスター、ジュビリー、プレジデントといったブレスレットの“無料”の宣伝効果なしには、今のようなブランドになっていないのだろうか。ノーチラスやロイヤル オークを見ればわかる。ベゼルとブレスレットの特徴はデザインに組み込まれているため、シルエットを見るだけで、その人が何を身につけているのかがわかるのである。これは強力だ。
新しいヴィンテージウォッチのリストアップから離れた1週間の休暇を経て、我がチームはより“普通”の時計と少しひねりを加えた記事をお届けする。“新しさ”からお気に入りの時計を選ぶのではなく、サオリ、リッチ、ショーンの3人が、今手に入るヴィンテージピースを中心にブレスレットを紹介しよう。この「トーキング・ブレスレット」 をお読みいただくか、HODINKEE Shopでヴィンテージリリースの最新情報をすべてご覧いただきたい。
ロレックス – ブレスレットゲームの王者
優れたブレスレットをデザインすることは、形と機能の最適なバランスを保つ必要があるため、それ自体が芸術の域に達している。ブレスレットのデザインで最も有名なものといえば、ロレックスのブレスレットが真っ先に思い浮かぶだろう。ジュビリー、オイスター、プレジデントは現在も生産され続けており、そのデザインは時計史に残る無数の腕時計のブレスレットにインスピレーションを与えてきた。ヴィンテージブレスレットは現代のものよりも壊れやすそうだからと敬遠する人がいることは知っているが、先入観を持たずに、そのすばらしさを簡単に否定しないでほしい。一度身につければ、そのよさがわかるはずだ。
わたしのお気に入りは、この1965年のロレックス エクスプローラー Ref.1016 トロピカルダイヤル付き(ブレスレットRef.7206)に見られるような、ヴィンテージのオイスターの“リベットブレスレット”スタイルだ。ヴィンテージウォッチのなかで最も好きな時代と重なっているからかもしれない。リベットブレスレットのデザインは1950年代初期に登場し、1960年代半ば頃まで続いたため、全体としてはかなり短い製造期間になる。リンク側面のリベットは、折り畳まれたリンクを固定するという機能的な役割を担っている。しかしわたしにとっては、それらはこの時代特有のものであり、後の時代には登場しないため、非常にヴィンテージロレックスらしい微妙な装飾的な側面も兼ね備えている。かなり軽くてつけ心地もよく、動くたびにヴィンテージブレスレットらしい音がする。ストレッチリファレンスを見つけたらボーナスポイントだ!
1960年代半ばから後半には、この1974年のロレックス オイスター パーペチュアルデイト Ref.1500(ブレスレットRef.7835)に見られるように、次世代の“フォールデッドリンク”ブレスレットが登場する。耐久性を高めるため、リンクは“リベット”のバリエーションよりも全体的にわずかに厚く、ピンを内側に固定するために内側に折り畳まれている。これは以前のバリエーションのように、リベットが外側にある状態で端が露出しているのとは対照的である。
そして最後になったが、重要なことは1970年代半ばに登場した“ソリッドリンク”のバリエーションである。これは現代のロレックスにも受け継がれ、この1984年製のロレックス サブマリーナRef.16800 フルセット(ブレスレットRef.93150)のように、新たなスタンダードとなっている。これは目に見える折り目のないソリッドリンクであるため、時間の経過とともに誤ってリンクが分離してしまう可能性を最小限に抑えることができ、最も頑丈なものとなっている。さらにリンクの端にあるスクリュートップにより、初期のデザインに比べてブレスレットのサイズ変更がはるかに簡単になった。
ブレスレット(およびストラップ)に関して言えば、たいていは “縁の下の力持ち”である。つまり万能な解決策か、明らかな結果論か、あるいは頑張りすぎて失敗したかのいずれかだ。しかし忘れてはならないのはブレスレットやストラップがなければ、腕時計を手首につけられないということであり、考えてみればそれが重要なことなのである。特にブレスレットは金属が手首に心地よくフィットし、時計と一体化した構造を維持する必要があるため、より大きな課題となる。しかし時計とブレスレットの組み合わせが完璧にマッチしたとき、その時計は真価を発揮するのだ。ロレックスのブレスレットの歴史についてもっと知りたい方には、HODINKEEによるルイ・ウェストファレン(Louis Westphalen)に関するこちらのすばらしいレポートをご覧になることをおすすめする。
ストレッチリンク – ヴィンテージの寛大さ
ツイスト-オー-フレックスとは言い難く(腕の毛がある人にとってはありがたい)、ソリッドリンクのオイスターでもない。このオメガ コンステレーションのブレスレットは、その中間的な位置にある。リベットやはめ込み式エンドリンクがあり、見た目も独特である。このブレスレットは、ここ数ヵ月のあいだに当店に入荷したなかで最も魅力的なブレスレットのひとつだ。
道具を使わないマイクロアジャストが登場する前は、腕時計を長時間着用することで生じる手首の痩せやむくみに対して、各ブランドはストレッチという別の方法を取っていた。オメガの“フラットリンク”のようにクラスプの下に数本のリンクがあるものから、このコンステレーションやロレックスの初期のオイスターのように全体が伸びるものまであり、1950年代と60年代にはこれが正確なフィット感の問題に対するもっとも簡単な回答だったのである。その結果、手首に純粋なヴィンテージ感を与えてくれる。私はいつも、このブレスレットを伸ばすために必要な力の案配に引かれてきた。偶然に外れてしまうことはありえない。必要なときには伸びるが、手首から落ちることは決してないのだ。
しばらく当ショップを見ていてくださっていた方は、以前から販売されていたこのホワイトゴールドのコニーを覚えているかと思う。デイデイトのような知名度はないものの、その魅力の多くは金属にある。ストレッチブレスレットのスプリング、WGの重厚感、シャープなエッジのケース、そこに魅力があるのだ。ヴィンテージのなかでも、当時のストレッチブレスレットを使用した時計は特に触感を大切にしているため、ぜひ体験してみてほしい。
スピードマスター – 皆さんの選択肢
今週ブレスレットの話をするのを楽しみにしていた。というのも、時計がどのように感じられるかについて、見過ごされていることを少し話す機会になるからである。ストラップを交換すればごく普通の腕時計でも100万円の価値があるように見えるとよく言われるが、ブレスレットを交換すればさらに面倒なことがなくなり、よりスマートなものにすることができる。
今日はオメガブレスレットをふたつ紹介する。そのうち、よりモダンなのはがっしりとしたRef.1498、もうひとつはパーシャルストレッチフラットリンクのRef.1039である。Ref.1498のブレスレットは、一部のスピードマスターファンから、ムーンウォッチの1960年代のデザインにしては重すぎて厚すぎると悪口を言われることもあるが、私にとっては90年代のブレスレットはノスタルジーがあり、ある種の頑丈な魅力がある。フラットリンク、特にパーティクルストレッチは、おそらく最も望ましいものであり、一般的な意見としては、よりスピードマスターらしい。そのため、現在生産されているムーンウォッチに合うレプリカを提供する会社が複数存在するほどである。またオメガは、最も高性能なクロノモデルにRef.1039ブレスレットを提供しただけでなく、当時2番目に深度の高いダイバーズにも装着していたことを忘れてはいけない。明らかにオメガは、このブレスレットが顧客のどんな要求にも応えられると確信していたのである。
スピードマスターに付属するブレスレットは数多く存在するが(例えば、アポロ・ソユーズウォッチに付属していた、ほぼオイスターのような超クールなRef.1168など)、このふたつは、どのような情報が欲しいかだけでなく、時計がどんなものを備えているかを選ぶ際に、望むものすべてを網羅していると言えるだろう。
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