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我々が知っていること
IWCは独自の発光セラミック技術“セラルーメ(Ceralume)”を開発し、この週末に初の全面夜光セラミックケースを備えた時計を発表した。この“セラルーメ”技術を採用したIWC パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41は、特にセラミックにおける同ブランドの素材革新の歴史を継承するものである。
IWCによると、“セラルーメ”は実験工学部門であるXPL(エクスペリメンタル設計部門)によって開発されたものだそう。このプロセスでは、セラミック粉末と一般的なダイヤルに使用される夜光素材、スーパールミノバ顔料を混合している。IWCで行った暗室実験では、ケースが24時間鮮やかなブルーの光を放出することが確認されたという(ケース内の夜光素材を“充電”するのにどれくらいの時間がかかるかについては言及されていない)。
通常、ホワイトセラミックケースは酸化ジルコニウムとほかの金属酸化物を混合してつくられる。セラルーメを生成するために、IWCはこの粉末混合物にスーパールミノバ顔料を加えた。ただ、異なるサイズの粒子が粉末混合物質内に蓄積するため、原料の均一な混合物を開発することが課題のひとつだった。そこでIWCはボールミルプロセスを採用。これは粉末を混ぜ合わせ、ボールを使って粉砕し、その後高温で焼結(加熱)してケースを形成する方法である。
IWCは、これが初の“完全夜光”セラミックウォッチであると主張している。私が知る限り、新しいセラルーメは、例えばベル&ロスのBR-X5 グリーン ラム(それかほかのモデルかもしれないが、コメントで教えて欲しい)のようなものと一線を画しているようだ。BR-X5 グリーン ラムは多層構造のケースを持ち、その最上層は夜光性のグラスファイバー複合材であるが、中心部には発光しないチタンを使用している。
新しいセラルーメプロセスと素材を使用して、IWCは初となるセラルーメのコンセプトウォッチであるパイロット・ウォッチ 41を開発した。さらに、光るホワイトラバーストラップを作るために、ストラップにもスーパールミノバ顔料を混合している。言わずもがなダイヤルも発光する。
我々の考え
IWC パイロット・クロノグラフ 41 セラルーメ・コンセプトは、F1 モナコグランプリの週末に、アンバサダーであるルイス・ハミルトンの手首で初めて披露された。明確にさせておくと、これはコンセプトウォッチであり、一般販売の計画があるわけではない。とはいえ、ブランドはセラルーメが今後の開発とリリースの基盤となることを示唆している。
1986年、IWCは初のブラックセラミックケースを持つ腕時計を開発した。したがって素材の革新、特にセラミックに関してはシャフハウゼンのブランドにとって当然のことといえる。IWCはその後も、セラミックケースをコレクションとアイデンティティの中核に据えている。このパイロット・クロノグラフは、基本的にトップガン “レイク・タホ”を踏襲したもので、すでにIWCの優れたデザインの時計のひとつだと私は考えている。
IWCが初の全面夜光ダイヤルを発表したのはちょうど1年前のことであり、この新しい技術がどのように展開されていくのか非常に興味深いところである。
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