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Introducing M.A.D.エディション M.A.D.2が登場。ふたつのカラーでグルーヴィーなメロディを奏でる(編集部撮り下ろし)

MB&Fがもたらす“熱狂(MADNESS)”を手の届く価格で実現した時計の後継機が、MB&Fファミリーの仲間による新たなデザインで帰ってきた。

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我々が知っていること

すでにM.A.D.1については知っているだろう。これは、MB&Fのファンや関係者がマックス・ブッサー(Max Büsser)氏による天才的なデザインを手の届く価格で楽しめる、手首の上の“ハンドスピナー”とも言える時計だ。しかし、このモデル名は“M.A.D—ONE”、つまり、シリーズの第1弾であることを示していた。そして今回、第2弾が登場した。それがM.A.D.2だ。今回は、20年間にわたりMB&Fのタイムピースを手掛けてきたデザイナー、エリック・ジルー(Eric Giroud)氏による作品である。

M.A.D.2

 シンプルに時計として見ると、M.A.D.2は時・分表示を備え、ラ・ジュー・ペレ製のCal.G101 自動巻きムーブメントを搭載している。そこにMB&Fが開発した双方向ジャンピングアワーとトレイリングミニッツのモジュールが組み込まれているというわけだ。ケースは直径42mm×厚さ12.3mm のステンレススティール(SS)製で、滑らかな小石のようなフォルムを持つ。前面と背面にはドーム型クリスタルが採用され、視覚的な統一感が生まれている。

 ダイヤルのカラーはグリーンとオレンジの2種類。グリーンは今月末から抽選販売が開始され、オレンジはMB&Fの“The Tribe(MB&Fオーナーからなるコミュニティ)”メンバー向けに提供される予定だ。しかし、この説明ではこの時計についてあまりに単純に語りすぎている。M.A.D.1同様に本作もデザイン性を強く意識したモデルであり、そこが最大の魅力となっている。

MAD1S and MAD2

M.A.D.エディションにおいて直近のリリースであるM.A.D.1Sと、新たなM.A.D.2。

mb&f

エリック・ジルー氏とマックス・ブッサー氏。Photo courtesy MB&F.

mb&f

 エリック・ジルー氏がM.A.D.2のデザインに込めたインスピレーションの源は、彼の若き日々、特に1990年代のクラブシーン にある。スイスのローザンヌで育った彼は、当時のクラブ文化から大きな影響を受けたという。そもそもローザンヌにそんな大規模なクラブシーンがあったとは誰が想像しただろうか? ジルー氏によれば、伝説的なMAD(Moulin à Danses)やDolce Vitaで過ごした夜は、彼のデザイン哲学を形作る重要な要素となった。ハウスミュージックが隆盛を迎えるなか、友人のステファン・コーラー(Mandrax) 氏がテクニクスのSL-1200 Mark 2でレコードを回していた。その光景こそが、M.A.D.2のデザインに息づいているのだ。

M.A.D.2
M.A.D.2

 M.A.D.2のダイヤルにはアナログレコードの溝のような装飾が施され、ムーブメントのローターはターンテーブルのプラッターを模している。その外周には、テクニクス SL-1200のストロボスコープバンドを想起させる要素が加えられ、スーパールミノバを塗布したストップピンが昼夜を問わずディスコの雰囲気を演出する。時刻を示す針はギターピックやアーモンドのような形状をしており、双方向ジャンピングアワーのディスプレイ上で時間を示す。

mad 2
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M.A.D.2

Photo courtesy of MB&F.

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我々の考え

『ゴッドファーザー PART II(原題: The Godfather Part II)』、『DUNE/デューン 砂の惑星 PART2(原題:Dune: Part Two)』、『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(原題: The Lord of the Rings: The Two Towers)』、そしてなぜかRotten Tomatoes(英語圏で上映、配信されている作品を対象に評論家によるレビューをまとめたサイト)の続編ランキングでトップに君臨する『パディントン2(原題:Paddington 2)』のように、2作目が初作と同じ衝撃を与えることはまれだ。だが今回のM.A.D.2は、無理に同じ魅力を再現しようとするのではなく、マックス・ブッサー氏が静かに“友人”へバトンを渡したような印象を受ける。その友人とは、MB&Fの時計を20年間手がけてきたエリック・ジルー氏のほかならない。

 M.A.D.2はM.A.D.1よりも明確なテーマを持つデザインだが、実際に手に取るとより優れた装着感がある。M.A.D.1Sより約3mm薄くなり、つけ心地が向上している。また視認性も向上しており(M.A.D.1Sでは大まかな時間しか把握できなかった)、機構もより複雑化している。つまりより実用的で、価格以上の価値を提供する時計に仕上がっているのだ。

M.A.D.2
mad 2
mad 2

 以下、M.A.D.エディションに関するちょっとした余談だ。プロジェクトでいまなお興味深いのは、MB&Fが“楽しくも手ごろな価格のアイデア”を2024年にはMB&Fの総収益の約20%を占めるまでの成功へと変えたことだ。さらに驚くべきことに(これは今回初めて知ったのだが)2020年のCOVID-19パンデミックの際、MB&Fは生産を一時停止せざるを得ず、14カ月のあいだに破産を回避する必要があったという。

 M.A.D.1の構想は2014年に、マックス・ブッサー氏によって生まれた。4年間の試行錯誤を経たものの、一度は開発が中止された。しかしブランドの危機を回避するべく会議のなかで再び浮上し、復活を遂げたのだ。そしていまや、このモデルは過去5年間で最も成功した時計のひとつとなった。そして今回のM.A.D.2の登場がその証明である。M.A.D.エディションの物語は、まだ始まったばかりなのだ。


基本情報

ブランド: (M.A.D.エディション)M.A.D.Editions
モデル名: M.A.D.2

直径: 42mm
厚さ: 12.3mm
ケース素材: SS
文字盤色: グリーン(抽選)、オレンジ(The Tribe向け)
インデックス: プリント
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: SS製フォールディングバックル付きレザーストラップ

M.A.D.2

ムーブメント情報

キャリバー: ラ・ジュー・ペレ製Cal.G101(MB&F開発のモジュール搭載)
機能:  双方向ジャンピングアワー & トレイリングミニッツ
直径: 25.6mm
厚さ: 4.45mm
パワーリザーブ: 64時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 24
クロノメーター認定: なし
追加情報: 文字盤側のサファイアクリスタルには両面に反射防止コーティング、裏蓋側のクリスタルには内側に反射防止コーティング


価格 & 発売時期

価格: 2900スイスフラン(日本円で約49万円)および税
発売時期: オレンジエディションは“The Tribe”メンバー向けに提供、グリーンエディションは3月末に抽選販売の予定。抽選の詳細やタイミングはM.A.D.エディションのInstagramで発表
限定: グリーンエディションは限定生産ではないが、初回生産分は約2000本の予定

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