trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Introducing ウニマティック×マッセナLAB U1-SPG “NASAアルテミス” リミテッドエディション

過去と未来の宇宙探査に敬意を表し、鮮やかなオレンジの限定モデルでその思いを体現する。

マッセナLABとウニマティックが再びタッグを組み、宇宙探査をテーマにしたコラボレーションを展開する。今回発表されたのは、U1-SPG “NASAアルテミス” リミテッドエディション。そして、何よりもまず目に飛び込んでくるのが、その鮮烈なオレンジカラーだ。ボックスを開ける前から、プレートに刻まれたウニマティックとマッセナLABのロゴの色が、中身の大胆なデザインを予感させる。そして蓋を開けると、そこには非常に鮮やかなバーントオレンジ(焦げたような濃いオレンジ)のケースをまとったウニマティックが収まっている。通常のステンレススティール(SS)やDLCコーティングのブラックケースとは異なり、一見して強烈な印象を与えるデザインだ。NASAとの関連性について言えば、この時計は2022年11月に初飛行を果たしたNASAのアルテミス計画へのオマージュとして製作されたモデルとなっている。

U1-SPG Three Quarter Shot

 オレンジのセラコート(Cerakote)ケースは、SLS(スペース・ローンチ・システム)ロケットの外観にインスパイアされたものだ。使用されているのは#EC5800オレンジという色で、過去のアルテミスミッション、そして今後のミッションに使われるロケットの色を忠実に再現している。セラコートとは、セラミックをベースとしたコーティングであり、主に航空宇宙や自動車産業で使用される。その美観と耐腐食性の高さが特徴だ。ウニマティックのモデロ・ウノに施されたこのコーティングは、41.5mm(ベゼルの幅を含む)径×13.2mm厚のケースに独特のラフな質感を与えている。さらに120クリックの逆回転防止ベゼルとリューズには、チャコールグレーのセラコートが施され、マットでしっかりとしたグリップ感がある仕上がりとなっている。

 セラコートは、時間の経過とともに徐々に摩耗するという特性がある。このためウニマティックはこれまで“使い込んだ風合い”や“ヴィンテージ感のある仕上げ”を加えたデザインでセラコートを採用することが多かった。数年前にミラノでウニマティックを訪れた際、共同創業者のジョバヴァンニ・モーロ(Giovanni Moro)氏は、セラコートの経年変化を楽しむことを意識して設計していると話していた。それはある意味でPVDコーティングの経年変化に似たものだ。しかし約1年前、ウニマティックとマッセナLABは“フレンズ&ファミリー”向けに99本限定のモデロ・クアトロを製作、全面ベージュセラコート仕様でリリースした。これは事実上のプロトタイプであり、ウィリアム・マッセナ(William Massena)氏によると非常にいいフィードバックを得られたという。そしてその成功を受けて、今回の正式なセラコートケースのリリースが実現したのだ。

U1-SPG Case Side
U1-SPG Corner Shot
U1-SPG Laying on side

 ダイヤルも同様に宇宙探査へのオマージュを強調しており、マットブラックダイヤルの6時位置上部にはヴィンテージ仕様のNASA "ワーム”ロゴが堂々と配置されている。中空デザインでファントム効果が楽しめるGMT針は24時間表示を指し示し、プリントされたほかのインデックスを囲むように配置されている。針、ダイヤルのプリント、ベゼルの目盛りを含むすべての夜光は、ベージュカラーの“オールドラジウム”風スーパールミノバで仕上げられている。

 この中空GMT針は、ウニマティックのGMTモデルにおいて筆者が最も気に入っているデザインのひとつだ。針のフレーム部分に夜光を施すことで、視認性を確保しながら、大きなGMT針がダイヤルの視界を遮ることを防いでいる。今回のモデルはコントラストが非常に高いため、情報量の多いダイヤルでありながらも視認性に優れている。

U1-SPG dial closeup of GMT Hand
U1-SPG closeup of bezel
U1-SPG crown side

 時計を裏返すと、SS製のソリッドケースバックにはNASAのアルテミス計画のエンブレム、99本限定のシリアルナンバー、300m防水の刻印が施されている。ムーブメントにはセイコー製のNH34Aを搭載。これは信頼性が高く堅牢で、間違いのない“Caller”GMTムーブメントだが、1000ドルを超える価格帯の時計に採用されるとは予想していなかった。そして価格の話に移ると、このモデルの販売価格は1295ドル(日本円で約19万2000円)。これはかなり強気な設定といえる。特に気になるのは、ウニマティックが昨年発表したU1-GMT(NH34搭載モデル)が675ユーロ(日本円で約10万1000円)だったことだ。機能的には同等でありながら、セラコート処理によって価格が大幅に引き上げられた印象を受ける。コレクターの多くも同じように感じるのではないだろうか。とはいえHODINKEEでもウニマティックとコラボし、セリタのSW330-2 GMTムーブメントを搭載した限定GMTモデルを1395ドル(日本円で約20万7000円)で販売したことを考えると、今回の価格設定も決して前例がないわけではない。

 手首につけると、この時計はほかのウニマティックと同様に大振りでカジュアルな印象を与える。セイコー製ムーブメントを搭載しているため、より高価なセリタ製GMTモデルと比べるとやや厚みがある。さらにケースの鮮やかなオレンジの発色が、手首の上での存在感を一層際立たせる。しかしオレンジのナイロン製クイックリリースストラップと、それに合わせたセラコート仕上げのバックルが快適な装着感を提供し、ケースサイズとのバランスを整えている。夏に遊び心のある時計を楽しみたい人にはぴったりの1本だ。なおU1-SPGにはブラックのナイロンストラップも付属しており、よりコントラストを強調したスタイルにすることも可能である。

U1-SPG caseback
U1-SPG buckle
U1-SPG Wristshot

 このモデルの情報を初めて耳にしたとき、非常に興味をそそられた。ウニマティックの鮮やかで大胆なデザインにはいつも目を引かれるからだ。しかし実物は、ミラノのブランドとマッセナLABのコラボレーションとしてはまったく予想外の仕上がりだった。私がマッセナLABに抱いていた“ヴィンテージ要素を重視するブランド”というイメージと、今回のレトロフューチャー的なデザインが私のなかでw結びつかなかったからだ。そこで私はウィリアム・マッセナ氏にメッセージを送った。「なぜ? このデザインに?」と。すると彼はこう答えた。「LABという言葉が私たちの名前に入っていることを忘れないでほしい。私はコレクターとして、新しいことを探求するのが好きなんだ。それに宇宙やNASA、月をテーマにした時計は、ムーンスウォッチだけではないはずだとも思うよ」

 この時計は、まさにそんなコンセプトを体現する1本になっていると思う。そのデザインは遊び心にあふれ、実物を手に取ると、その価格設定が想定よりも高めであっても純粋に“楽しい時計”だと感じられる。わずか99本の限定生産ということもあり、きっとこの時計の魅力に共感する人は多いはずだ。

U1-SPGの詳細は、massanalab.com にてチェック。