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クイック解説
セイコーは、1965年に国産初のダイバーズウォッチを製作して以来、常に海と深い関わりをもってきました。そのため海洋保護活動にも熱心に力を入れており、「Save the Ocean」活動としてさまざまな取り組みを行っています。特にプロフェッショナル向けのダイバーズウォッチを数多く展開するプロスペックスは、最近では毎年のように「Save the Ocean」と名付けられた限定モデルをリリースし、海洋ゴミの削減に取り組むプログラムや水中考古学研究のプロジェクトを支援しています。
ここで紹介するのは、そのSave the Oceanモデルに新たに加わった3本で、それぞれ1965年、1968年、そして1970年に誕生した同社のアイコニックなダイバーズウォッチを現代的に解釈したもの。
セイコーのダイバーズウォッチは、プロフェッショナルダイバーや冒険家たちに愛用されてきた歴史があり、極地でも活躍してきた実績があります。今作の文字盤には、きっと冒険家たちが目撃したであろう壮大な氷河の氷の濃淡が文字盤上で表現されています。
SBDC165
1965年の国産初のダイバーズウォッチ「62MAS-010」に基づくSBDC165は、直径40.5mm×厚さ13.2mmのステンレススティール製。2020年に登場した4モデルのバリエーションです(記事「セイコー プロスペックス ダイバースキューバ 1965 メカニカルダイバーズ SBDC105、SBDC101、SBDC103、SBDC107」参照)。
ケースシェイプはもちろん、真正面から見たときに同心円状になるようサテン仕上げが施されている部分もオリジナルに倣ったポイントです。リューズガードのないねじ込み式リューズもそのままです。ブラックの逆回転防止ベゼルとディープブルーのダイヤルが強いコントラストを生み出しています。
SBDC167
62MAS発売からわずか3年後の1968年には、当時、世界最高水準の10振動ハイビートムーブメントを搭載し、300m防水を誇ったダイバーズウォッチが発表されました。それをもとにしたのが、このSBDC167。
サテン仕上げと鏡面仕上げが施された直径42mm×厚さ12.5mmのスティール製ケースは、全体的により角張ったデザインであるのが特徴です。1965年モデルでは3時位置にあったリューズが4時位置に移されています。ダイヤルのライトブルーとベゼルのダークブルーのカラーリングは南極大陸の氷河をイメージしたものです。
SBDC169
最後に紹介するのは、リューズガードを一体化した流線型のフォルムを有した独特なケースデザインのSBDC169。3本のなかで最も大きいスティールケースは、直径42.7mm×厚さ13.2mmです。
1970年に発売されたオリジナルのRef.6105は、冒険家・植村直己氏が1974年から76年にかけて行った北極圏1万2000km犬ぞりの旅に携行されていたもの。ベゼルのブルーとダイヤルのホワイトで北極海の上に浮かぶ氷河が表現されており、“植村ダイバー”が使われていた過酷な環境を連想させます。興味深いことに6105には他にも愛称がいくつか存在し、亀のような見た目から“セイコータートル”や、映画『地獄の黙示録』の登場キャラクターが着けていたため“キャプテン・ウィラード”とも呼ばれています。
新作のプロスペックス Save the Oceanモデルは3機すべてがソリッドケースバックを採用しています。内部には、2万1600振動/時で約70時間のパワーリザーブを誇る自動巻きの自社製Cal. 6R35を搭載。
ブレスレットは、3モデルすべてにダブルロック付きワンプッシュダイバーエクステンダー方式のクラスプが備えられていますが、デザインは各モデルにあわせて少しアレンジされています。そしてもちろん、全モデルが200mの防水性能を備えた本格的なダイバーズウォッチです。
価格は、SBDC165とSBDC167が14万8500円で、SBDC169のみ15万9500円(税込)です。本作はすべて本数限定ではありませんが、セイコーグローバルブランド コアショップでのみ販売されます。
ファースト・インプレッション
1960年代から1970年代にかけて北極や南極を目指す冒険家や研究者に選ばれ、信頼性や耐久性の高さで高い評価を得たセイコーのダイバーズウォッチです。ここ数年でセイコーは、時代を象徴するこれらの伝説的なダイバーズウォッチ3本をプロスペックスのなかで拡大。今年もすでに、南極地域観測隊に寄贈されたSave the Ocean限定モデルSBDX049とフルブラックのセイコー プロスペックス The Black Seriesがリリースされています。
先に発表されていたSave the Ocean限定モデルSBDX049と今回の3モデルは、どちらもダイヤル上に極地の厳しい自然を表現するという点で共通しています(SBDX049は、南極の氷床がモチーフ)。「自然を文字盤上に表現」と聞いてすぐにもうひとつのブランドを思い浮かべた方もいらっしゃるのではないでしょうか。そう、グランドセイコーの存在です。
近年グランドセイコーは、日本の自然を型打ちダイヤルで表現したモデルを数多く展開しています。ぱっと考えるだけでもSLGA211 雪白、SLGH005 白樺やSBGY007 御神渡りなどすぐにいくつもモデル名を挙げられます。
もちろんグランドセイコーとプロスペックスでは価格帯が異なり、それは文字盤にも表れていますが、10万円代でその魅力を味わうことができるのは、大きな価値提案ではないでしょうか。
基本情報
ブランド: セイコー プロスペックス(Seiko Prospex)
モデル名: メカニカルダイバーズ 現代デザイン Save the Oceanモデル(Mechanical Diver's Modern Re-interpretation Save the Ocean Limited Edition)
型番: SBDC165、SBDC167、SBDC169
直径: 40.5mm(SBDC165)、42mm(SBDC167)、42.7mm(SBDC169)
厚さ: 13.2 ㎜(SBDC165)、12.5 ㎜(SBDC167)、13.2mm(SBDC169)
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: ディープブルー(SBDC165)、ライトブルー(SBDC167)、ホワイト(SBDC169)
インデックス: ルミブライトつき
夜光: あり、ベゼル12時位置のルミナスポイント、針とインデックス
防水性能: 200m
ストラップ/ブレスレット: スティールブレスレット(エクステンションつき)
追加情報: ソリッドケースバック
ムーブメント情報
キャリバー: Cal. 6R35
機構: 時、分、秒、日付
直径: 27.4mm
厚さ: 5.25mm
パワーリザーブ: 最大巻上時約70時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 24石
クロノメーター認定: なし
価格 & 発売時期
価格: SBDC165は14万8500円、SBDC167は14万8500円、SBDC169は15万9500円(すべて税込)
発売時期: 2022年6月24日 発売予定
限定:なし、セイコーグローバルブランド コアショップのみ取り扱い
詳細は、セイコー プロスペックス公式サイトへ。
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