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Introducing G-SHOCK MTG-B3000 袖口でも収まるようになった薄型のMTG

MTG-B1000と比較すると2mm以上の薄型化。

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クイック解説

 MTGは1999年に誕生したシリーズで、メタルと樹脂素材を融合させることで高級感とG-SHOCKの耐衝撃性を両立させたハイブリッドさが最大の特徴。最新のMTG-B3000は、裏蓋〜ラグのパーツ形状を一新しつつ、新開発のソーラーモジュールを搭載したことで12.1mm厚という薄型化を実現した。

 本作でも、モジュールを保護するケースにはカーボン繊維強化樹脂を用い、外装はメタルパーツで覆う「デュアルコアガード構造」を採用。大きな変更が加えられたのは、今回最も薄型化に寄与したというソーラーモジュールと、独自形状で改められた裏蓋("蓋"と言うには連想しづらい形状だが)だ。

 新モジュールは、元々オシアナス用に5年前から開発がスタートしたものをG-SHOCK仕様に改めた。2018年に発表されたMTG-B1000と比べると、モジュール単体で1.45mm、時計全体では2mm以上の薄型化となった。ワンピースケースバックは、時計の薄型化を目指して構造を一新したが、ケース径のコンパクト化に役立ったという。

 ブレスレットもワンタッチで交換可能な仕様が加えられ、全体に大幅なアップデートが加えられたMTGとなっている。価格は、レイヤーコンポジットバンドが付いたレッドとグリーンのモデルが13万7500円、ソフトウレタンバンドのグレーが12万1000円(すべて税込)。5月14日より発売とのことだ。

これまでと大きく形状の異なる裏蓋。リューズガードやラグまで兼ねた、ワンピース構造となっている。当然、開発は困難を極めたようで、開発者は"ふと見かけた鳥の巣"の形からインスパイアされ、下から包んで保護する様子をデザインに落とし込んだという。

ファースト・インプレッション

 最近G-SHOCKがノリに乗っている。つい最近発表された、MRG-B5000でファンの最も多い角型オリジンモデルが最高峰コレクションの仲間入りを果たしたばかりだが、普及価格帯でより多くの人が手に取るであろうMTGへ施されたマイナーチェンジに僕は驚きを隠せなかった。個人的には今季のG-SHOCKで、今のところナンバーワンだ。

 というのも、MTGシリーズはメタル素材とアナログ針による表示がウケて、ビジネスマンを中心に人気を博してきた。ただ、個人的には初期のMTGは大きくて分厚すぎると感じており、スーツやシャツの袖口にフィットするとは言い難かった。金属の上質な雰囲気を纏うG-SHOCKはたしかに魅力的だったものの、そのサイズゆえに今では重要視される装着感などがネックだった(MTGが生まれてしばらくはデカ厚時計ブームだったため、当時はあまり意識されなかったこともある)。
 現在のように、カーボン繊維を用いて強度を得る方法に達していなかったカシオは、樹脂で耐衝撃構造を実現するために、どうしても大きな構造体が必要だった。通常、金属のほうがコンパクトに衝撃に強い構造をつくれるが、当時のカシオにはMTGのコンセプトにそれを融合させたり、金属を加工したりする段階になかったのだ。ただし、その「カーボンモノコック構造」ではこのMTG-B3000ほどの薄型化は達成できなかったようで、カシオがたどり着いたのがカーボン樹脂ケース (ちなみにこのケースはモノコックではない)にワンピース構造のケースバックを融合させる方法だった。

MTG-B3000BD-1A

MTG-B3000B-1A

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 このワンピースケースバックは、パーツだけ見てみるととても複雑な形状をしているのがわかる。SS製のこのケースバックはプレスを経て切削されたあとに研磨されることで、立体的な形を得る。工業製品として量産することを考えると、いかに現代の技術でもこんな複雑なデザインを採用する企業はそうそうないだろう。カシオは、自社でこのケースバックを製造しているがゆえに、実現に至ったようだ。

 最後になるが、新開発のソーラーモジュールは、個人的にカシオという会社の真髄が詰まっていると思う。意外に思う人もいると思うが、元々時計メーカーでないカシオが後発ながらここまでの地位を築いたのは、電卓サイズに小型コンピュータを内蔵したり、携帯電話や光学機器に半導体などを搭載する高密度実装技術が背景にある。要するに極小の空間に効率よく部品を配置することはお家芸であり、1.45mmの薄型化はまさにその技術の賜物と言える。ただし、薄型にするということは、割れやすかったり壊れやすかったりする問題もつきまとう。事実、オシアナスのモジュールを転用した当初はG-SHOCKの耐衝撃テストに耐えられず、改良が加えられたようだ。

 このMTG-B3000は、進化を続けるG-SHOCKの耐衝撃構造と、カシオ伝統の実装技術という両輪が生んだ結晶であり、だからこそ僕は本機に感動し太鼓判を押すのだ。

MTG-B3000BD-1A2

G-SHOCKのソーラークロノグラフとして最薄となるモジュール。LSI(大規模集積回路)の配置や緩衝ゴムの計上などが見直された。


基本情報

ブランド: G-SHOCK
モデル名: MTG-B3000
型番:MTG-B3000B-1A(グレー)、MTG-B3000BD-1A(レッド)、MTG-B3000BD-1A2(グリーン)

直径: 51.9 × 50.9mm
厚さ: 12.1mm
ケース素材: カーボン繊維強化樹脂
文字盤色: ブラックにモデルごとの挿し色
インデックス: バー
夜光: あり。LEDライト搭載
防水性能: 20気圧
ストラップ/ブレスレット:ソフトウレタン(グレー)、レイヤーコンポジットバンド(レッド、グリーン)。新開発のワンタッチエクスチェンジ機能により、瞬時にバンド交換が可能
追加情報:ソフトウレタンバンド装着で約111g、レイヤーコンポジットバンド装着で約148g


ムーブメント情報

機構: 時、分、秒、クロノグラフ(1秒、24時間計、スプリット付き)、受信電波(JJY(日本):40 kHz(福島局)/ 60 kHz(九州局)、WWVB(アメリカ):60 kHz、MSF(イギリス):60 kHz、DCF77(ドイツ):77.5kHz、BPC(中国):68.5kHz)、電波受信方法・自動受信(最大6回/1日、中国のみ最大5回/1日)、手動受信)、タイマー(セット単位:1分、最大セット:24時間、1秒単位で計測)、デュアルタイム(27タイムゾーン、サマータイム自動設定機能付き、ホームタイムとの時刻入替機能付き)、パワーセービング機能、バッテリーインジケーター表示、フルオートカレンダー、針位置自動補正機能
パワーリザーブ: パワーセービング状態の場合 約18ヵ月
巻き上げ方式: タフソーラー(ソーラー充電システム)

追加情報:Bluetooth® low energy通信により、モバイルリンク機能(自動時刻修正、簡単時計設定、ワールドタイム約300都市、携帯探索機能、時計ステータス表示、セルフチェック)が利用可能


価格 & 発売時期

価格: MTG-B3000B-1A(グレー) 12万1000円、MTG-B3000BD-1A(レッド)& MTG-B3000BD-1A2(グリーン) 13万7500円(すべて税込)
発売時期: 5月14日
限定:通常生産品

詳細は、G-SHOCK公式サイトへ。