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ロレックスに時計小売業を売却したヨルグ・ブヘラの個人ワインコレクションがクリスティーズで競売へ

ファースト・グロースのボルドーを含む希少ワインが出品され、ヨルグ・G・ブヘラ財団は100万ポンド超(日本円で約2億円)の資金調達を見込む

2023年に死去する前、自身の一族が営んでいた国際的な時計小売事業をロレックスに売却したヨルグ・ブヘラ(Jörg Bucherer)。その個人的なワインコレクションの一部が、クリスティーズによって競売にかけられる。氏の名を冠した慈善団体は、このオークションを通じて100万ポンド(日本円で約2億円)を超える資金を調達すると見込まれている。

 クリスティーズによるオンラインセールは、4月16日(水)から30日(水)まで開催される予定で、全体で238ロット、2400本以上のワインが出品される。その内訳は、1970〜2005年のボルドーが約1600本、1995〜2003年のブルゴーニュが500本、スペインワインが300本以上を占める。出品物のなかにはシャトー・オー・ブリオン 1989のマグナムボトル6本(予想落札価格は1万6000〜2万ポンド、日本円で約310万~390万円)、ドメーヌ・ルロワのロマネ・サン・ヴィヴァン 1999が1ケース(同4万5000〜6万ポンド、日本円で約870万~1200万円)含まれている。これらの売却による収益は、スイス最大級の慈善信託団体とされるヨルグ・G・ブヘラ財団に寄付される予定だ。

シャトー・シュヴァル・ブラン プルミエ・グラン・クリュ 1990が、クリスティーズによるBucherer 'Timeless Excellence'ワインコレクションの一部として出品される。

 ヨルグ・ブヘラ氏は、スイスを拠点とする一族経営の時計・宝飾事業の先頭に約46年間立ち続け、店舗数をヨーロッパ、イギリス、アメリカにまたがる100店以上へと拡大。2018年には米国のトゥルノーを買収した。後継者がいなかったため、2023年に同社をロレックスへ売却。売却当時のブヘラの推定株式価値は40億スイスフラン(現在の為替相場で約6780億円)以上とされ、これはロレックスにとって過去最大の買収案件であり、同社が本格的に時計小売市場へ進出する大きな節目となった。

 ブヘラは売却の発表から数カ月後にこの世を去った。それから1年後、氏の名を冠した慈善財団が設立され、先月(2月)、スイス商業登記簿に正式に登録された。財団は来年から助成活動を開始する予定で、スイス国内における音楽・視覚芸術・文学の創造的な表現への支援と指導、自然科学および技術分野の研究支援、さらに障害を持つスイス在住の子どもたちの福祉向上を目的としている。

キュヴェ・ドン・ペリニヨン 1990

シャトー・ラフィット・ロートシルト 1990

ヴェガ・シシリア・ウニコ 1998

 クリスティーズによれば、ブヘラは情熱的なワインコレクターであり、細部にまでこだわってコレクションを厳選していたという。これらのワインは、スイス・ルツェルンの自宅のセラーと、スペイン・マルベリャの邸宅の2カ所で保管されていた。

 メディアにはほとんど姿を見せず、とても慎重な人物として知られていたブヘラについて、ロレックスは買収を発表した際、“ロレックスの創業者ハンス・ウィルスドルフと直接関わりを持ち、仕事をともにした最後の現役人物だった”と述べた。

 ロレックスの親会社は、ジュネーブを拠点に幅広い慈善活動を行っているハンス・ウィルスドルフ財団である。スイスの経済誌ビランツ(Bilanz)は、ロレックスが近年の赤字を受けて、カール F. ブヘラのブランドを終了する決定を下したと報じている。

詳細はクリスティーズ公式サイトを参照のこと。