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1977年に、ヨルグ氏は父親から家族経営のリテーラーを引き継いだ。スイスの時計産業がクォーツショックに直面していた時期に、彼は家業を率いるようになったのだ。しかし、これらの試練が彼を阻むことはなかった。1888年にカール F. ブヘラ(Carl F. Bucherer)によって立ち上がったファミリービジネスの3代目として、ヨルグ・ブヘラ氏はブヘラを世界最大級の時計・宝飾品小売店へと成長させていった。ロレックスは8月にブヘラを買収した際、ロレックスを取り扱う53の店舗をはじめとした、100を超える世界各地の拠点をアピールした。
ヨルグ・ブヘラ氏。
ブヘラの指揮官として在任中、ヨルグ氏は多くの小売業者を買収することで、ブヘラの小売ネットワークを構築した。彼はオーストリアとドイツから着手し、その後ヨーロッパのほかの国々へと進出していった。最大のニュースは2018年に、ブヘラが米国のトゥルノー買収を発表したことだった。買収以来、全米に散らばるトゥルノーの一部の店舗はブヘラへとリブランドされた。
ヨルグ氏、ひいては彼が経営する会社は、常に秘密主義かつ寡黙なことで知られてきた。彼がメディアの前に公然と姿を現すことはほとんどなかった。ロレックスがブヘラを買収したとき、1977年にはブヘラの指揮を執っていたヨルグ氏について「ロレックスの創始者であるハンス・ウィルスドルフ(Hans Wilsdorf)を知り、一緒に働いていた現役の最後の人物」と称した。
つまり、家業の売却に続いて、ヨルグ・ブヘラ氏がこの世を去ったことは、スイス時計製造におけるひとつの時代の終わりを意味するものである。