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我々が知っていること
Watches & Wonders 2025において、オリスは同社を代表するロングセラーモデルであるビッグクラウン ポインターデイトに実に多彩なカラーバリエーションを加えてきた。このモデルの名前を聞くとフルーテッドベゼルやカテドラル針を思い浮かべる人も多いだろう。しかし今回の新作は、2021年のヘルシュタインエディションや、のちのCal.403および473搭載モデルで見られたモダンなデザイン言語を基調としている。
まず紹介するのは、自社製Cal.403を搭載したバージョンだ。定番の光沢あるネイビーダイヤルに加え、新たにマット仕上げのグリーンとテラコッタ(サーモン寄り)の2色が追加された。とくにグリーンダイヤルはほかの2色よりもテクスチャーが強く際立っている。キャリバー403は自動巻きムーブメントで、スモールセコンドと5日間のパワーリザーブを備えており、本作では40mm径、厚さ12.3mmのステンレススティール(SS)製ケースに収められている。立体的なアラビア数字のインデックスはプリントされたデイト表示トラックの内側に配置され、ラッカー仕上げのカラー針を備えたポインターデイト針で日付を示す構成となっている。
これらの自社製ムーブメント搭載モデルには、ブラウンのチェルボボランテ(Cervo Volante)製ディアスキンストラップ、あるいは今回のケースデザインに合わせて新たに開発されたHリンクブレスレットが用意される。このケースにブレスレットがセットされるのは初めてで、これまではクラシックかつヴィンテージ風のケースにのみブレスレットが組み合わされていた。Hリンクブレスレットは、ブラッシュ仕上げのH型リンクとあいだに挟まれたポリッシュ仕上げのセンターリンクで構成されており、フィット感を高めるハーフリンクも付属する。ただしマイクロアジャスト機能は搭載されていない。
グリーンおよびテラコッタのCal.403搭載モデルは、Hリンクブレスレット仕様が64万9000円、チェルボボランテストラップ仕様が61万6000円(ともに税込)で販売される。
一方、その他の新色3種(イエロー、ブルー、ライラック)は、今回初めてこのデザイン言語にセリタ製ムーブメントを組み合わせたモデルである。この3色はいずれも鮮烈なカラーが特徴で、特にイエローダイヤルは市場にあまり見られないほど彩度が高く、存在感を放っている。グリーンやテラコッタとは異なり、これらのダイヤルには目立つテクスチャーはなく、マット仕上げのみとなっている。Cal.403モデルと同様に、立体的なインデックスとプリントされたデイト表示トラックを備えているが、ムーブメントが異なるためスモールセコンドではなくセンターセコンド針を採用。ケース径は同じく40mmだが、厚さは12mmとわずかに薄くなっている。こちらはブレスレット仕様のみで、価格はすべて34万1000円(税込)だ。
我々の考え
遊び心あるデザインやユニークなカラーパレットで、オリスの時計は常に私のコレクションのなかでも楽しい存在であり続けてきた。だからこそ、この非常に端正でクリーンな現代版ビッグクラウン ポインターデイトに、今年は思い切ったカラーが与えられたことをうれしく思う。これまで伝統的なデザインのバリエーションが数多く展開されてきたなかで、たったふたつのバリエーションしか存在しなかったこのラインにようやく注目が集まるのは、まさに“その時が来た”と言えるだろう。
Cal.403を搭載したグリーンダイヤルの新たなテクスチャーは、非常に優れたアクセントだと思う。一方で、なぜテラコッタには同様の仕上げが施されなかったのかが気になるところでもある。とはいえ、ポリッシュ仕上げの大きなベゼルと好対照を成しており、カラフルでありながらも抑制の効いたバランス感を生み出している点は見事だ。セリタムーブメント搭載モデルについてはテクスチャーがないぶん3色の彩度の高さが際立ち、視覚的なインパクトはかなり強い。だがそれこそが狙いであることは間違いない。とりわけイエローダイヤルは、どうしても視線を引き寄せてしまう。まるでオリスのデザイナーが、“とにかく黄色くしてくれ”とだけリクエストしたかのような仕上がりだ。
そして、これらのモデルにブレスレットが用意されたことも歓迎すべき変化である。Hリンクブレスレットは、このクリーンかつ現代的なデザインに非常によくなじんでいる。マイクロアジャスト機能がない点について顧客から多少の不満が出ることも予想されるが、少なくともハーフリンクが付属している以上、装着感に問題が出るとは考えにくい。細かい部分で言えば、セリタバージョンのセンターセコンド針は少々短すぎるように感じられた。おそらくこのダイヤルデザインには、どちらかというとスモールセコンドのほうが似合うのだろう。もちろん針の長さはダイヤルのミニッツトラックに合わせて設計されているのだろうが、トラックの外側に余白が多く、針がもう少し長ければよりバランスがよかったように思う。おもしろいのは、伝統的なデザインのモデルでも同様の針配置がされているにもかかわらず、これまで気になったことは1度もなかったという点である。
いずれにせよ、オリスは“人々を笑顔にする時計をつくる”というブランドの姿勢を今回もしっかりと体現している。実際、自分がこれらのモデルを発売数ヵ月前に手に取ったとき思わず笑みがこぼれたのを覚えている。世の中にはもう少し“楽しさ”があってもいいはずであり、手元に鮮やかなカラーが加わるなら、文句のつけようもないだろう。
Watches & Wondersの会期中、さらなる新作情報が続々と登場予定だ。最新情報は引き続き本サイトでチェックして欲しい。
基本情報
ブランド: オリス(Oris)
モデル名: ビッグクラウン ポインターデイト(Big Crown Pointer Date)
直径: 40mm
厚さ: 12.3mm(Cal.403)/12mm(セリタムーブメント)
ケース素材: SS
文字盤色: グリーン、テラコッタ、ブルー、イエロー、ライラック
インデックス: アプライド
夜光: あり
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: Hリンクブレスレット(Cal.403搭載モデルにはレザーストラップも用意)
ムーブメント情報
キャリバー: 403(グリーン、テラコッタ)/オリス754(セリタベース。イエロー、ブルー、ライラック)
機能: 時・分表示、スモールセコンド(またはセンターセコンド)、ポインターデイト
パワーリザーブ: 5日間(キャリバー403)/約41時間(キャリバー オリス754)
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 24(Cal.403)、26(Cal.オリス754)
価格 & 発売時期
価格: Cal.403、ブレスレット 64万9000円、レザーストラップ 61万6000円/Cal.オリス754、34万1000円(以上すべて税込)
限定: なし
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