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Introducing ユリス・ナルダンが世界最軽量のダイバーズウォッチ、ダイバー エアーを発表

ユリス・ナルダンのダイバーズウォッチがこの度、大幅な“ダイエット”を敢行した。

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我々が知っていること

高級時計の世界におけるアプローチとして、1本の時計にあらゆる機構や装飾を詰め込むというものがある。一方で、可能な限り要素を削ぎ落とすという真逆の道も存在する。そしてユリス・ナルダンは、今年のWatches & Wonders 2025に向けた最新作において後者を選択した。ダイバー エアーは44mm径の新作ダイバーズウォッチであり、ユリス・ナルダンはこれが世界最軽量の機械式ダイバーズウォッチだと誇らしげに主張している。装着時の重量はわずか52g、伸縮性のあるファブリックストラップを外せば46gとなる。

Dive AIR lifestyle photo

 ムーブメントという技術的な核心部分に触れる前に、まずはケースの軽量性に注目したい。軽量化と強度の両立を実現するため、ケースはチタンとカーボンファイバーによるモジュール構造を採用。チタン製のミドルケースは90%がリサイクル素材で構成され、200mの防水性能を確保する。一方、ラグを含むケースのサイドパーツは廃漁網と再生カーボンファイバーを組み合わせたナイロフォイル(Nylo-Foil)で作られている。また、チタン製ベゼル内の夜光ベゼルインサートには再利用されたIMOCAヨットのカーボンファイバーが使われており、刻んで圧縮することでフォージドカーボン特有のランダムなパターンを生み出している。

 ここまではある意味、比較的“実現可能”な部類かもしれない。しかしユリス・ナルダンは新キャリバーUN-374を開発することで、ダイバー エアーでさらなる軽量化を実現した。同ブランドの現行モデルに詳しい人であれば、スケルトン構造のダイバー Xを思い出すことだろう。こちらもチタンとカーボンを使用しているが、新作はその約半分の重量に抑えられている。この新キャリバーは既存のスケルトンムーブメント、UN-372と同じ設計をベースにしつつ、大胆に素材の削減を行った。とりわけ注目したいのが、ダイバー XにおけるX型のトッププレートを完全に取り除いたことで、ムーブメントの内部がより露わになっている点だ。チタン製のブリッジも幅を狭め、中央部を肉抜き加工。90時間のパワーリザーブを誇る香箱は、トッププレートを持たないためフライング構造(上部から支持されず、片側のみで保持される構造)となり、上下を中空にしたスポーク状の設計が施されている。そしてほかのダイバーズモデル同様に、シリコン製の脱進機も搭載されている。

 これらすべての改良によって、ダイバー エアーのケース内部は体積比でおよそ80%が“空気”で、ムーブメントは20%にすぎない。しかしキャリバーの重量はわずか7gでありながら、その構造は決して脆弱ではない。ユリス・ナルダンによれば、このスケルトン構造のダイバーズはMETAS認証を受けた多くのモデルと同様に5000gの衝撃にも耐える設計だという。

 ユリス・ナルダン ダイバー エアー Ref.3743-170-2A/0Aは現在販売中で、価格は600万6000円(税込)となっている。


我々の考え

超軽量時計製造の探求は、常に私にとって魅力的なテーマである。素材を最小限に削ぎ落とす極端なミニマリズムを追求しながらも、あらゆる技術を詰め込んで時間を示すというマキシマリズム。この相反するアプローチが共存している点に、どこかユニークなおもしろさがあるのだ。そしてスケルトンキャリバーという点で見れば、今回のムーブメントは非常に魅力的だ。奥行きのある構造に加え、サンドブラスト仕上げとヘアライン仕上げのコントラストがモノクロームなカラースキームにおいて視覚的に強い印象を与えている。シリコン製の脱進機はしばしば見落とされがちなユリス・ナルダンの時計製造技術の高さを証明するものであり、2001年にフリークで初めてシリコン脱進機を搭載したのが同社であったことを忘れてはならない。また全体的に見て、これまでのダイバーズに頻繁に見られたやや押しつけがましい“X”モチーフを抑えたことで、この新しいダイバー エアーは、ユリス・ナルダンにおける最も美しいダイバーズウォッチに仕上がっている。あくまで個人的な意見だが…。

UN 374 movement

 さて、価格についても触れなければならない。600万6000円(税込)というのはなかなかの金額だ。おそらくこのダイバー エアーを検討しているコレクターたちは、このセグメントにおけるその他多くのダイバーズ、たいていは貴金属ケースであると直接比較しているわけではないだろう。同時に、記録的なR&Dには相応のコストがかかるものであり、この時計とて例外ではない。この試みを純粋な“技術アピールのための演出”と捉えるか、それとも超軽量時計の製造という分野における重要な進化と見るかは意見の分かれるところだが、何はともあれこの時計に注がれた努力は明らかであり、これを実際に海でつけている人を見かけたら間違いなく話題になることだろう。

 Watches & Wondersからの最新情報は、今後も引き続きお届けしていく。すべての新作情報はこのページでチェックできるのでお見逃しなく。


基本情報

ブランド: ユリス・ナルダン(Ulysse Nardin)
モデル名: ダイバー エアー
型番: 3743-170-2A/0A

直径: 44mm
厚さ 14.7mm
ケース素材: カーボンファイバー、チタニウム
文字盤色: スケルトン
インデックス: アプライド
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 200m
ストラップ/ブレスレット: オレンジおよびホワイトのエラスティックファブリックストラップ


ムーブメント情報

キャリバー: UN-374
機能: 時・分表示、センターセコンド
パワーリザーブ: 90時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 21


価格 & 発売時期

価格: 600万6000円(税込)
発売時期: ユリス・ナルダン取扱店
限定: なし

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