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今年のシャープエッジドGMTが、グランドセイコーの小型化されたスプリングドライブGMTにインスパイアされたものであるかどうかは、セイコーのオフィスに押しかけてデザインチームに質問しない限り、絶対に知ることはできない。しかし、そのように見えるのは確かだ。ここでは、これらのカラフルなモデルのわずかな違いを検証し、どちらが自分に合っているかを考えてみたいと思う。
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セイコー プレザージュ シャープエッジド GMT(5月発売)
この時計がクールな理由: この角張った時計は、鏡面仕上げとサテン仕上げを交互に施すことで、光を鮮やかに反射させ、ケースとブレスレットの立体感を強調している。
文字盤も同様で、針とインデックスには光の反射を利用したデザインを採用。この光の反射は、時計全体の視認性を大幅に向上させ、平安時代の仏像装飾にも見られる麻の葉文様をイメージし、パターン化された文字盤表面との心地良いコントラストを生み出している。
シャープエッジドGMTには、新旧グランドセイコーGMTの名作を思い起こさせるようなカラーコンビネーションが用意されている。中でも、ブラウンのダイヤルとベゼルにゴールド/サーモンカラーのGMT針を組み合わせたモデルは、アメリカで新たにスタートしたグランドセイコーGS9クラブのために作られたスプリングドライブGMTのUSAイーグル限定モデルに似ていると思う。
GMTウォッチを購入する際、特に購入しやすい価格帯のモデルでは、ムーブメントの機能性を考慮することが重要だ。ローカルタイムの時針が1時間単位で簡単に設定できるかどうかで、その時計の使い勝手が大きく変わるからだ。
GMTには、いわゆるコーラーウォッチ(発信者:実際に旅行で使うというよりも頻繁に海外に電話を掛けるときに使うような時計)と真のトラベラーウォッチ(またはフライヤー)があり、伝統的に後者の方が高価であるとされてきた。フライヤーの代表格といえば、現代のロレックス GMTマスターIIだろう。チューダーもケニッシでフライヤー用ムーブメントを作っている。また、ETA社のC07.661は、ミドーなどのスウォッチグループのフライヤーに採用されている。私が愛用しているSBGM221のようなグランドセイコーのGMTもその一つだ。
2018年にデビューしたセイコーのCal.6R64もそうだ。従来の短い時針をジャンプさせるだけで、世界のどこにいても時間を表示することができ、日付ディスクも一体となって動く。GMT針はリセットされても動かず、秒針も止まらない。このデザインで賛否両論あるのは、日付用のサブダイヤルだろう。私は最初にこのサブダイヤルを見たとき、スモールセコンドだと思った。
なぜ手ごろな価格なのか: これは、技術的にも美的にも、スプリングドライブではない。これから紹介するスプリングドライブは、セイコー以外の会社がもたない独自の技術を使った、非常に美しい仕上げのムーブメントが搭載されている。また、シャープエッジドGMTでは、スティールにイオンプレーティングを施したベゼルを採用。この後紹介するグランドセイコーでは、カラフルなセラミック製となっている。
この時計には、たくさんの価値がある。光を反射する針とインデックスは、グランドセイコーと同様の工程で作られていて、型取りしてプレスした後、ダイヤモンドカットの技術でシャープな面取りが施される。しかし、インデックスの面取りの数など、その手法はグランドセイコーとは異なるものだ。
贅沢なものを手に入れる
時計: グランドセイコー スポーツコレクション スプリングドライブ Ref. SBGE253、SBGE255、SBGE257
この時計がクールな理由: GMTは、グランドセイコーの得意分野だ。スプリングドライブからハイビート、従来のオートマティック、さらにはクォーツまで、グランドセイコーの主要なムーブメントに搭載されている複雑機構だ。しかし、お相撲さんのような体格ではない我々にとっては、44mm径というサイズがネックだった。今回、グランドセイコーは、スプリングドライブ スポーツGMTを直径40.5mmにアップデートし、着用感を一変させている。
また、本機は機械式時計のスイープ運針やゼンマイの力をそのままに、従来のクォーツに匹敵する精度を実現したスプリングドライブを搭載。このムーブメントは、時計にうるさい人にも魅力的なものだ。
それに加えて、文字盤のディテールへのこだわりも尋常ではない。グランドセイコーは、針とインデックスにダイヤモンドポリッシュを施し、GMT本来のスポーティさを損なうことなく、外観を向上させている。ジャック(・フォースター)によると、グランドセイコーの諏訪工場の研磨職人が、小さな手鏡を使ってインデックスの検査をしているのを見たことがあるそうだ。
高価な理由: グランドセイコー スプリングドライブの3モデルには、色違いのセラミックベゼルや、グランドセイコーが誇るザラツ研磨を施したケースやブレスレットが採用されている。また、スプリングドライブは、セイコーの中でも上位機種にしか搭載されていないものだ。
最後に、グランドセイコーは高級ブランドである。当たり前のことだが、これまで多くの時計コレクターは、この時計をマニア向けの隠れた名品と見なしてきた。しかし、ここ数年のグランドセイコーの高級化は見逃せないものとなっている。パリのヴァンドーム広場にある、かつてフレッドが入っていたスペースに旗艦店をオープンし、ブレゲやA.ランゲ&ゾーネなどと隣り合わせになれば、そのブランドは完全に定着したといえるだろう。
決断の仕方
今回の判断は、文字盤の職人技、ムーブメントの製造、仕上げなどの完成度をどれだけ重視するかにかかっている。
グランドセイコーは、文字盤の品質、ザラツ研磨されたケースやブレスレット、スプリングドライブと呼ばれるムーブメント技術の採用などで、時計界のあらゆる分野から高い評価を受けている。これは単なる時計ではなく、高級時計だ。もしあなたがこの時計を持って歩いていたら、他の愛好家を唸らせるだろうし、日本の真のクラフツマンシップを手にしているという満足感も得られるだろう。それにそそられる? であれば、グランドセイコーを買うといい。
そうでない場合は、セイコーでは同じような外観をより安価に手に入れることができる。かなり手頃にだ。
結局のところ、セイコー プレザージュ シャープエッジドGMTを買うには、主に腕に着けたときの見た目を気にする必要がある。グランドセイコーを買うには、そこに至るまでの厳格さを気にする必要があるのだ。
Steal Vs. Splurge: グランドセイコー/セイコー
あなたならどちらを買いますか?
セイコー プレザージュ シャープエッジド GMT
0グランドセイコー スポーツ スプリングドライブ GMT
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