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タグ・ホイヤーは今こそオリジナルのフォーミュラ1を復活させるときだ。
他の多くの人と同じように私も同社のヴィンテージクロノグラフが大好きだ。ヴィンテージのホイヤー カレラについて9500ワードも書くほどではないかもしれないけれど(編集には協力したけどね!)。しかし、ホイヤーのカレラのリファレンスポイントは、1985年にTAG(Techniques d'Avant Garde の略)が苦境にあった時計メーカーを買収した時点で終わっている。この物語が終わったところから、フォーミュラ1の楽しみが始まるのである。
ベンが書いているように“TAGによる買収後、フォーミュラ1が登場し、それから私が子供の頃から覚えている素晴らしいタグ・ホイヤーのすべてが登場した”。1986年、タグ・ホイヤーは最初のフォーミュラ1を発表。鮮やかなカラー、プラスチック製のベゼル(とスティール製のコアケース)、ラバーストラップ、そしてクォーツムーブメントを備えていた。最初の年は、赤、黒、緑の3色で構成され、比較的おとなしいものであったが、1988年には、ケースやベゼルの色がパウダーブルー、ピンク、ブライトイエローなどが登場し、かなり奇抜でヴィンテージカレラとは一線を画す存在となったのである。
初代タグ・ホイヤー フォーミュラ1の広告。
「フォーミュラ1は、タグ・ホイヤーとなってから発表された最初のコレクションという特徴があります」と、ホイヤーマニアでOn the Dashの経営者であるジェフ・スタイン氏が教えてくれたが、開発はTAGの買収前に始まっていただろう。1986年の時点で、ホイヤーはすでにアンドレッティ一家よりもモータースポーツとのつながりが強かったため、F1マシンの部品を製造していたTAGの買収は、「F1」ウォッチの発売を決定づけたに過ぎなかった。
タグ・ホイヤーのフォーミュラ1は1986年から1990年までしか製造されていない。私が過ごした90年代当時はマリオカートとビーニー・ベイビーでいっぱいだった。しかし、そんな私でも知っていたのだ。現代の時計業界には、プラスチック製のフォーミュラ1の居場所があるのだ。
鮮やかなイエローのタグ・ホイヤー フォーミュラ1のオリジナル。画像はイメージ。Image: Courtesy Calibre 11 blog
赤いモデルも。Image: Courtesy eBay
もちろん、マンモス級のムーンスウォッチの存在も忘れてはいけない。特に、まもなく1周年を迎えるムーンスウォッチは、太陽の周りを周回している。楽しいし、プラスチック製だし、フォーミュラ1ができそうなことの可能性を表している(ただし、オンライン購入オンリーなことを除けば)。
「安価なフォーミュラ1の新バージョンが、ムーンスウォッチと同じように受け入れられるかどうかはわかりません」とスタイン氏。「地元のタグ・ホイヤーブティックに行って、このカラフルでおもしろい時計がディスプレイケースいっぱいに並んでいたら、楽しいでしょうね」と述べた。
しかし、ノスタルジーという要素もある。この時代の多くの人にとって、フォーミュラ1は時計への入り口だった。ベン・クライマーやその他の80年代に子供時代を過ごした者たちが、タグ・ホイヤーのブティックに立ち寄り、ウィンドウに飾られた新しいプラスチックのフォーミュラ1を見て、3本くらい買って行くことはあり得るのではないだろうか? しないなら私が引き継ごう。
変わったことに私が妙に気に入った時計。少なくとも、ウォッチメイキングを楽しんでいるところがいい。
タグ・ホイヤーの優れた点は、自分自身をそれほどシリアスに捉えていないことだ。そしてそれは、時計業界にはもっと必要なことでもある。マリオカートのトゥールビヨンウォッチは、タグ・ホイヤーのレースの歴史にこれ以上ないウィンクを捧げながら、それがすべて愚かなことであることを認めているのだ。もっともっと、こういうのがあっていい。
現代のフォーミュラ1だって問題はない(記事「タグ・ホイヤー フォーミュラ1をリバイバル、我々を80年代のオリジナルのスピリットへ連れ戻す」参照)。明るくて、カラフルだし。でも、時計の世界では、自分たちの頭をねじ込み式リューズのように固く締めてしまうことがある。つまり約20万円のエントリーモデルの時計が、実はエントリーモデルではないということを忘れてしまうことだ。
だからこそ、数万円で買える現代のクォーツを搭載した、プラスチック製のタグ・ホイヤー フォーミュラ1は、同社にとっても、新旧の愛好家にとっても、とても楽しいものになるはずなのだ。