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有名な話だが、パテックのRef.2499はオノ・ヨーコ氏からレノンに贈られたものだ。そしてその出どころを抜きにしても、ミッドセンチュリーに製造され、生産数350本以下といわれるRef.2499は、コレクターにとって非常に魅力的な存在である。Ref.2499について、あるいはパテックのすべてのパーペチュアルカレンダー クロノグラフについてもっと知りたい方は、ベンのReference Pointsをお見逃しなく。
何年も根気よく調査を続けてきたジェイの記事では、レノンが所有していたこの時計の歴史、所有者をめぐるミステリー、2005年の盗難事件、そして長らく争われてきたこの時計の法的所有者を決めるスイスで進行中の訴訟について記されている。ジェイが“失われた時計のエル・ドラド(黄金郷)”と形容するこの時計について、インターネット上では、過去の報告書、不完全な裁判記録、そして古めかしい推理が網の目のように絡み合い、捜索が続けられている。事実、オノ氏はクリスティーズのオークションに出品されると知らされるまで、この時計がなくなっていることに気づかなかったほど、捉えどころのない時計なのだ。
2023年8月、スイス連邦裁判所の判決が時計界に波紋を投げかけ(このことについては僕たちも取り上げた)、レノンのRef.2499にまつわる長大で難解な物語が明るみに出た。そこからジェイ氏は、2013年にこの時計を引き取ったオークションハウス、オークショナタの時計担当者、そこからこの時計を入手したディーラー、さらにはジョンの息子であるショーン・レノン(Sean Lennon)氏に話を聞き、記事で取り上げた。
「この時計に関して私たちが乗り越えてきたことすべてを思うと、取り戻すということがとても重要なのです」とショーン・レノン氏はニューヨーカー誌に語った。「私にとってこの時計は、信頼することがいかに危険であるかを何よりも象徴しています」
何より興味深かったのは、2013年にオークショナタがレノンの時計を販売するために撮影した未発表の画像をジェイ氏が発掘してくれたことだろう。この写真には、6時位置のインダイヤルに“Tiffany & Co.”のサインが刻まれた、完璧なコンディションのパテック Ref.2499が写っている。さらにそこには、¥オノ氏が裏蓋に刻んだ秘密のエングレービングも写っていた。
(JUST LIKE)
STARTING OVER
LOVE YOKO
10 • 9 • 1980
N. Y. C.
レノンがわずか数カ月後に悲劇的な死を遂げたことを考えると、心を揺さぶられるほどの美しさを覚える。僕たちの誰もが長年にわたって引きつけられてきた物語であり、ストーリーが展開するにつれて詳細が明らかになっていくのを見るのは実に素晴らしいことだ。ここで何かを明かすつもりはない。この話にはまだまだ続きがあり、そして間違いなくじっくりと読み込む価値があるものである。
その全文はニューヨーカー誌でご覧ください。