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Hands-On ウニマティック 日本製ムーブメントを搭載したモデロ ウノとモデロ クアトロのGMTモデルをハンズオン

ウニマティックから、より低価格の新しい自動巻きGMTモデルが2本登場した。


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ウニマティックのGMTは、HODINKEEにとっておなじみの存在だ。2021年には、ウニマティック初のGMTであるHODINKEEコラボレーションモデルU1H-GMTが発表され、同ブランドにセリタベースのSW330-2ムーブメントが初めて導入された。それ以来、アーカイブに追加されたGMTは少数ながらもいくつかのモデルが登場している。たとえば、ETAムーブメントを搭載したチタン製のGMTや、カナダのメンズウェアリテーラーであるヘンリー・シンガーとのコラボレーションによるモデロ クワトロ、そしてもちろんフォージドカーボンケースを使用した第2弾HODINKEEエディションなどがある。これらエディションの価格は概ね1500ドル(日本円で約20万円)台以上で推移しており、フォージドカーボンケースモデルでは3000ドル(日本円で約45万円)に達するものもあった。

hodinkee 1st collab

ウニマティックとHODINKEEの初代コラボレーションGMTモデル、U1-HGMT。

non collab GMT

チタン製のウニマティック U1S-TGMT。

 今年、ウニマティックは1000ドル(日本円で約15万円)以下の価格帯を強化することに注力している。7月にはクラシックシリーズと並ぶエバーグリーン製品として、4つのクォーツ“ツールウォッチ”シリーズを非限定版として発表した。その流れを受けて、先週ウニマティックは新たにふたつのモデル、モデロ ウノ GMTとモデロ クアトロ GMTをリリースした。これらは初となる日本製GMTムーブメントを搭載することで価格を大幅に引き下げたものだ。

ut4gmt laying flat
case side
rubber strap

 デザイン面において、U1-GMTとU4-GMTはそれぞれモデロ ウノおよびモデロ クアトロファミリーのほかのモデルと同様の特徴を備えている。どちらもウニマティックの象徴である幅の広い40mmケース、22mmのラグ幅、両面ドーム型サファイアクリスタル、ドリルドラグ、そして300mの防水性能を備えている。今回、ウニマティックはモデロ サンクで初めて採用されたクイックリリース付きのTPUラバーストラップを改良し、新たに採用した。個人的には以前のウニマティックのラバーストラップもとても気に入っていたが、多くの人がもっと柔らかく、テーパードしたデザインを望んでいた。その希望を反映したのが今回の新バージョンである。もう少しだけ厚みが増せば、重厚感のあるケースとよりマッチするのではないかとも感じたが、それでも元のストラップに比べて明らかに快適さが向上している。

 正面から見ると、モデロ ウノとモデロ クアトロ GMTのモノクロデザインが、2021年に見られたトーンを反映していることは明らかだ。ダイヤルはマットブラックで、インデックスにはスーパールミノバが塗布されており、6時位置には日付窓が設けられている。針のデザインはブランドが“ファントムラダー”と呼ぶスタイルで、先端の大部分が白く塗装されている秒針は逆ロリポップ針となっている。

closeup of dial

 これまでのいくつかのモデル同様、この2種類の時計で私が最も気に入っているディテールはくり抜かれたGMT針だ。先端にはスーパールミノバがコーティングされており、今ではこのデザインをウニマティックの象徴的な要素と捉えている。大きめのGMT針との相性もとてもいい。とくに誇張された針のデザインが気に入っており、明るく対照的な夜光コーティングが施された部分が際立つ。また中央がくり抜かれていることで、ダイヤルが常に遮られないようになっている点も素晴らしい。

 モデロ ウノ GMTには120クリックの逆回転防止ベゼル(24時間表示付き)を搭載。ウニマティックのGMTベゼルも、一般的なGMTのように1時間ごとにクリックする仕様に変わればいいという声が以前から多くあり、私もその意見に賛成だ。そうすることでGMT機能がさらに実用的に感じられるだろう。ベゼルインサートはマットブラックであり、このモデルではベゼルの時刻表示に新しいフォントが採用されていると思われる。以前のGMTベゼルと比べるとこのフォントは少し力強く、やや横に広がった印象があり、全体的にほんの少し未来的なデザインを与えているようだ。

u1 gmt wristshot
u1 bezel
u4 bezel

 モデロ クアトロ GMTでは、ウニマティックにとって初めて固定ベゼルにマークを施したモデルである。このマークはエングレービングではなく、酸を使ったエッチングによって施されている。酸を用いたこの手法は、金属に物理的な工具を使用するのではなく酸性の溶液を使ってデザインを刻む技法である。U4-GMTのベゼルで見られるように、酸エッチングの主な利点のひとつは、溝に機械加工の跡が残らず、よりシャープでクリーンな仕上がりになる点だ。

 ふたつの時計を裏返すと、裏蓋にはモデル名、各300本限定のシリアルナンバー、そして外出先でもベゼルの使い方を確認できるタイムゾーンスケールが刻まれている。

caseback of the watch

 もちろん、今回注目すべき点は日本製のGMTムーブメントを搭載したことだ。これによってウニマティックはこのふたつのモデルの価格を大幅に引き下げることができた。ケース内部に搭載されているのはセイコーの自動巻きムーブメントNH34Aで、振動数は2万1600振動/時、そしてブランドのほかのGMTモデル同様に“コーラー”GMT機能を備えている。“コーラー”GMTとはローカルタイム用の時針を単独で調整できるのではなく、リューズを引き出したあとにGMT針を単独で調整できる機能を指す。ムーブメントの精度は日差-20秒から+40秒と、きわめてセイコーNHらしいスペックだが、この価格帯では十分許容範囲だろう。個人的にはセイコーNHのムーブメントを搭載した時計は体感いい結果が出ているが、精度は個体差があるだろう。

 装着感はまさにウニマティックらしいものだ。ウニマティックのように厳格なデザインシステムを持つブランドの予期せぬ利点のひとつは、ひとつのモデロ クアトロを装着すればほかの同モデルもほぼ同じ装着感だと分かるため、純粋にデザインに集中できることだ。結局のところ、これらは大振りな時計なのである。私は多くのモデロ ウノとモデロ クアトロを所有していて、少し大き目の時計として楽しんでいる。しかし日本製ムーブメントを搭載したウニマティック全般に言えることだが、その厚さは確かに目立つ。スペック上では、モデロ ウノはモデロ クアトロよりも薄く、U1が12.9mmで、U4が13.7mmだ。しかし私の細い手首ではU4の固定ベゼルデザインのほうが装着感が高く、視覚的にもコンパクトに感じられる。

U4 Wristshot

 もしどちらかを選べと言われたら、私の心はモデロ クアトロ GMTに傾くだろう。固定されたサテン仕上げのベゼルが新鮮さを感じさせ、スティールケースとの調和はこれまでに見たことのない魅力を引き出している。モデロ ウノが675ユーロ(日本円で約11万円)、モデロ クアトロが600ユーロ(日本円で約9万5000円)という価格設定は、同じくセイコーNHムーブメントを搭載するウニマティックの“クラシック”シリーズのすぐ上に位置している。これらふたつの時計はこの価格帯において、より興味深い機能を顧客に提供するモデルなのだ。