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我々が知っていること
ライカが3年前に腕時計を発表すると聞いたとき、私は懐疑的でした。なぜ世界最高峰のカメラをつくるメーカーが、高級時計の世界に足を踏み入れるのか? 10年近くものあいだ、ライカM6のeBayの出品一覧を眺め続け、ようやく数年前に手に入れた私にとって、あの象徴的な赤いドットと、それが体現するすべてには強い親近感と結びつきを感じていました。おそらく、私はライカというブランドを過剰に守りたくなっていたのかもしれません。この新たな挑戦がうまくいかなかった場合、ブランドの伝統に傷がつくのではないかという不安があったのです。
ライカは2022年初頭に初の腕時計ZM 1を発表して以来、時計のラインナップを着実に拡充してきました。そして今回、新作ZM 12が発表されます。4つのカラーバリエーション(2種類の素材)として、ステンレススティールモデルはブルーオレンジ、シルバーグレー、オリーブブラックの3色、チタンモデルはチョコレートブラックが用意されています。コレクションを初めて目にしたとき、最初に気づいたのはケースサイズが縮小されたことでした。今回のZM 12は39mmで、2023年に登場した前作ZM 11と比べて2mm小さくなっています。
このコレクションの中心となるのは、スイスのムーブメント専門メーカーであるクロノードSAと共同開発したライカ Cal.LA-3002です。このムーブメントは約60時間のパワーリザーブを備え、日差-4~+6秒という優れた精度を誇ります。またねじ込み式リューズを採用し、クイック日付変更機能と通常の時刻設定モードを搭載。これにより、ISO 2281規格に準拠した100mの防水性能を有しています。ケースの厚さは13mmで、しっかりとした存在感を保ちながらも、過度に厚ぼったくなることはありません。ケース素材には、316LSSまたはグレード5チタンが採用されており、チタンモデルはSSモデル(66g)に比べて軽量(52g)なのも特徴です。ケースバックには、内側にレーザー刻印が施されたシングルドームのサファイアクリスタルが使用されています。
ダイヤルデザインは、思わず目を引き寄せられる仕上がりになっています。二層構造を採用することで、光と影の独特なコントラストを生み出し、カメラが光と対話するように見る角度によって異なる表情を楽しめます。視認性にも優れており、ダイヤルにはインナーベゼルとプリントされたミニッツトラックを備え、正確な時間の読み取りが可能です。6時位置にはスモールセコンドが配置され、機能性とデザインのバランスが両立されています。インデックスと針にはスイス製のスーパールミノバが採用されており、夜間の撮影を楽しむ際も正確な時刻を確認できる仕様になっています。
長年のライカファンなら、ブレスレットの裏側にある赤いドットを見てすぐに気づくでしょう。これはライカのカメラでレンズを取り外す際に使用するボタンと同じ形状・デザインが採用されているのです。イージーチェンジシステムにより、ストラップ交換は驚くほど簡単に行えます。ただし、ライカ独自の仕様となっているため、交換できるのはライカ製のストラップに限られます。操作方法も直感的で、赤いドットのボタンを押して現在のストラップを外し、新しいストラップをスライドさせてセットするだけ。カチッと音がすれば装着完了です。シームレスで洗練された仕上がりとなっています。
ZM 12コレクションでは、さまざまなストラップやブレスレットが用意されています。オレンジのラバーストラップは、クル・ド・パリを反転したような特徴的なパターンが採用されており、ほかのモデルよりも存在感のあるデザインです。一方、テキスタイル製のベージュストラップは、補強された通気性のあるデザインで耐久性を向上させています。落ち着いた印象を求める方には、シンプルなソリッドブラックのラバーストラップも用意。どのストラップも、クラスプに向かって22mmから20mmへと美しく細くなるテーパーデザインを採用しています。
このコレクションには、よりクラシックな印象を求める方のために、SS(マット&鏡面仕上げ)とチタン(マット仕上げ)の一体型メタルブレスレットも用意されています。ブレスレットの長さは、最大12個のリンクを取り外すことで調整可能です。さらに、どちらのバージョンもデュアルフォールディング式のバタフライクラスプを採用し、スムーズな着脱と快適な装着感を実現しました。
ライカ ZM 12にはさまざまなバリエーションがラインナップされています。SSモデル(シルバーグレー、オリーブブラック、ブルーオレンジ)は100万1000円、チタンモデルは107万8000円)となっています。ストラップやブレスレットは、11万円から21万4500円(日本円で約8万~20万円)の価格帯で展開されます。詳細なスペックについては、記事を読み進めてご覧ください。
我々の考え
ライカが時計市場に本格参入するにあたり、決して容易な道のりではないことは確かです。時計専門のブランドでさえ競争が激しいこの業界で、異なる分野で世界的な成功を収めることは非常に難しいものです。たとえ時計とカメラがどこか共通点を持っていたとしても、それは変わりません。しかしZM 12のリリースを見る限り、ライカは市場の細かな嗜好を反映しながら製品ラインを調整していることがわかります。39mmサイズの人気が続くなか、ZM 11からわずかにサイズを縮小したのもその一例です。
私がZM 12に最も引かれるのは、ライカのデザイン言語とエンジニアリング哲学が、カメラから時計へと見事に落とし込まれている点です。細部へのこだわり、精密なつくり込み、そして機能美、これらがライカのカメラを特別なものにしている要素ですが、それがこの時計にもはっきりと感じられます。赤いドットは単なるブランドのシンボルではなく、カメラと時計というふたつの製品ラインをつなぐ、計算されたデザインの橋渡しとなっています。
いまのところZM 12を自分のウィッシュリストに入れる予定はありませんが、ライカが時計市場でさらに成功を収められることを願っています。ライカのデザイン哲学に共感し、手首にもライカをという思いを持つファンにとって、ZM 12は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。より広い市場での評価は未知数ですが、ZM 12はこれまでのライカの時計ラインナップのなかで最も完成度の高いモデルであることは間違いありません。
基本情報
ブランド: ライカ(Leica)
モデル名: ZM 12
直径: 39 mm
厚さ: 13 mm
ケース素材: 316Lステンレススティール(3モデル)またはグレード5チタン(1モデル)
文字盤色: ブルーオレンジ、シルバーグレー、オリーブブラック、チョコレートブラック
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: SSおよびチタン製ブレスレット、ストラップはオレンジラバー(クル・ド・パリ装飾)、ベージュのテキスタイルストラップ、ブラックラバーを用意
ムーブメント情報
キャリバー: LA-3002
機能: 時・分表示、スモールセコンド
パワーリザーブ: 約60時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 38石
価格 & 発売時期
スティールモデル: 税込みで100万1000円(シルバーグレー、オリーブブラック、ブルーオレンジ)
チタンモデル: 税込みで107万8000円(チョコレートブラック)
ファブリックストラップ: 税込みで11万(SSピンバックル)~11万8800円(チタンピンバックル)
ラバーストラップ: 税込みで8万6900円(SSピンバックル)~9万4600円(チタンピンバックル)
ブレスレット: 税込みで18万1500円(SS)~21万4500円(チタン)
発売時期: スティール・シルバーグレー、スティール・オリーブブラック、チタン・チョコレートブラックは現在、ライカストアおよびライカ公式オンラインストアで3月7日から発売。スティール・ブルーオレンジは4月17日より発売予定です。
詳細はライカ公式サイトへ。