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クイック解説
2025年のショパールは、アルパイン イーグルのバリエーションの拡充、そしてL.U.Cコレクションでの多彩な新作の投入と、思わず胸が踊るような時計が多くそろっている。ここでは、リミテッドモデルとして発表された、3つの新作L.U.Cコレクションについて紹介する。速報という形のため、より詳しい情報については今後また別の形でお届けしたいと思っている。
L.U.C ヘリテージ EHG ムーン 122
2004年以来、ショパールはオートオルロジュリーにおける専門技術の継承に特化した教育機関であるジュネーブ時計学校(EHG)とパートナーシップを築いてきた。搭載ムーブメントは、4年の学びを締めくくるEHGの学生たちの卒業制作用ウォッチのためにショパールが供給している機械から着想を得て製作されたという。20年以上にわたりショパールは、EHGと共同開発した“スクールキャリバー(L.U.C 06.01-LはL.U.C 63.01-L開発のインスピレーション源であるムーブメント)”を、同校最終学年の学生12名に毎年提供。ショパールとEHGとの協議によって、完成品と半完成品の部品キットが製作され、同校の教育プログラムの一環として、学生たちはムーブメントの装飾と操作を扱うための技術の双方を磨く機会を得る。2024年にEHGが創立200周年を迎えたことを記念してショパールと同校は、さらに1年間の追加研修を希望する学生たちに向け、アストロノミカルムーンフェイズモジュールをベースキャリバーに追加することを決定。そして今回発表されたのが本作だ。
ショパール マニュファクチュールの職人技を象徴するこの限定モデルは、クロノメーター認定を得た新たな手巻きCal.L.U.C 63.04-Lを搭載し、ジュネーブ・シールも得る。122年に1日の誤差という高精度なアストロノミカルムーンフェイズ機構を備えており、星座が描かれたエレガントなアベンチュリン文字盤が夜空の美しさを表現。3時位置のアストロノミカルムーンフェイズには、ショパール マニュファクチュールの熟練職人の手作業によりローズゴールド&アベンチュリン製インジケーターの上にハンマー加工および彫金を施した月が描かれた。9時位置には、北極点から地球を眺めた独創的な視点を再現。ゴールドでミニチュアの地球の彫金が施され、インテンスブルーのラッカーで満たされた海が立体感とエレガントな雰囲気を加えている。
ケースは18Kエシカルローズゴールド製。“ヘリテージ”と名付けられているが、これはショパール創業者であるルイ‐ユリス・ショパールが19世紀にデザインした懐中時計のハンターケースの丸みを帯びたフォルムをイメージしたためで、ミドルケースにはサテン仕上げとバーティカルブラッシュ仕上げ、ベゼルとケースバックには鏡面仕上げが施されている。ポリッシュ仕上げのラグは独特な溶接方法で接合され、腕時計初期のスタイルをほうふつとさせる。
L.U.C クアトロ スピリット 25‐ストロー マルケトリー エディション
ショパール マニュファクチュール25周年を記念して2021年に発表されたメゾン初のジャンピングアワー搭載ムーブメント、Cal.L.U.C 98.06-L。本作はそれを用いた新作だ。
これまでに同じムーブメントを用いたいくつかのモデルが登場しているが、本作は文字盤にストローマルケトリー(麦わら寄木細工)による装飾があしらわれているのが特徴。この装飾技法は17世紀に確立されたもので、この技法を特別に習得したマニュファクチュールの装飾職人の手によって実現した。今回初めてL.U.Cコレクションのタイムピースとしてこのストローマルケトリー装飾を施した文字盤が採用されることとなった。
素材にはフランス・ブルゴーニュ地方で栽培されたライ麦のわらを緑の色調に染め上げたものを使用する。麦わらの1本1本を爪で裂いてプライヤー(ニッパーのような器具)で平らにし、スカルペル(デザインナイフ)を使って小さな六角形にカット。エシカルローズゴールド製の土台に接着していくが、職人の緻密な手作業によってハニカムパターンが浮かび上がる。太さ、ストライプの方向、色合いが異なる麦わらを組み合わせることで、1996年以来、カール‐フリードリッヒ・ショイフレがL.U.Cコレクションのシンボルとして結び付けてきたハニカムモチーフに見事な立体感と質感が与えられた。組み立てられた文字盤は最後にウッドワックスでコーティングされ、輝きと光沢を持つように仕上げられる。
なお、ムーブメントは最初に述べたとおり、2021年に登場したCal.L.U.C 98.06-Lであり、既存モデルと変わらないが、その特徴も簡単に紹介しておこう。本作に搭載されるCal.L.U.C 98.06-Lはジュネーブ・シールを取得している。ジュネーブ・シールは、ムーブメントおよび時計全体の品質、精度、信頼性を保証するとともに、オートオルロジュリーの揺籃の地であるジュネーブ州内で組み立てが行われたことの証明でもある。
Cal.L.U.C 98.06-Lは、一般的に多くのエネルギーを消費するジャンピングアワーとしては異例の、最長8日間ものパワーリザーブを実現した希有なムーブメントだ。本作では時表示ディスクの瞬間的な回転に多くのエネルギーを消費するが、独自のショパールクアトロテクノロジー(通常216時間パワーリザーブ)を駆使した2組の積載式二重香箱(4つの香箱)によって、190時間を超えるパワーリザーブを確保。パワーリザーブは、シースルーバックから覗くムーブメントにエングレーブされたインジケーターで確認することができる。4つの香箱を合わせると、ゼンマイの長さは計2m近くになるが、これが長時間のパワーリザーブと、エネルギー伝達が均一に分散されることによる高精度にも貢献しているのだ。
L.U.C フル ストライク レヴェレーション
L.U.C フル ストライク レヴェレーションは基本的には既存モデルの素材バリエーションとなる。これまでさまざまなケース素材を用いたモデルが発表されてきたが、本作では18Kエシカルイエローゴールド製ケースが採用された。
サファイアクリスタル製のオープンワークダイヤルからは、ショパールが特許を取得するモノブロックサファイアクリスタル製ゴングを備えたミニッツリピーター機構を備えたムーブメント、Cal.L.U.C 08.01-Lが覗く。2016年に初めて発表されたL.U.C フル ストライクは、ミニッツリピーターの音色を生成、伝播するための革新的方法を採用した先駆けとなった。それはソリッドサファイア製ゴングを採用し、サファイアクリスタルを共鳴器として機能させ、さらにこれらふたつのコンポーネントを単一構造(モノブロック)とすることで、音色の豊かさと、音響の力強さを実現したものだった。透明感にあふれ、劣化・変質することのない澄み切った音色によって、初代モデルは2017年のGPHG(ジュネーブ時計グランプリ)において、最高賞となる金の針賞(Aiguille d'Or)を受賞している。
また、本作の特徴は、L.U.C フル ストライクの技術的な要でもあるサファイアクリスタルがオープンワークダイヤルとして使用されている点だ。このダイヤルには、ゴールド仕上げのアワーマーカー、スモールセコンド、同心円状のパワーリザーブインジケーター(時計本体とミニッツリピーター機構のそれぞれのパワーリザーブ表示)が配され、さらにL.U.Cロゴを印したエシカルゴールド製プレートを配する。既存モデル同様、レイルウェイタイプのミニッツトラックリングは、塗装前にサファイアクリスタルに直接エングレーブされた。
今回の新作は、言わばサファイアクリスタルの特性を余すことなく最大限に生かしたモデルと言えよう。蛇足だが、本作が洗練されているのはダイヤルや外装だけではない。搭載するCal.L.U.C 08.01-Lは、COSCによるクロノメーター認定を受けていることに加えて、ジュネーブ・シールも取得している。ショパール マニュファクチュールが培ってきた高度な専門技術と革新性が、ムーブメントにおいても余すことなく注ぎ込まれた。
ファースト・インプレッション
今年の新作は、これまではわかる人がわかる、どちらかと言えばツウが密かに注目する存在だったL.U.Cが、時計好きなら誰もが知る注目の存在へと飛躍するのではないかと期待するほど、コレクションの充実が際立っている印象だ。実際、アルパイン イーグルの世界的な成功により、マニュファクチュールとしてのショパールの姿、L.U.Cコレクションの魅力を新たなユーザーたちも知ることとなり、最近はアルパイン イーグルだけでなく、L.U.Cコレクションも世界的に好調だという。
ショパールに注目してきた筆者にとって、その魅力が多くの人に知られることになるのはうれしいことだが、反面アルパイン イーグル同様、買いづらい存在になっていくことは避けられないかもしれない。人気と入手難度はトレードオフの関係なので致し方ないが、そのあたり供給状況についてはWatches&Wondersでの取材の際にも聞いておきたいと思っている。
新作のL.U.C クアトロ‐マーク IV。18KエシカルローズゴールドケースのRef.161954-5001 (写真右)とプラチナケースのRef.161954-9001(写真左)が発表された。
さて、駆け足でL.U.Cの新作リミテッドモデルを紹介してきたが、実を言うと、個人的に気になっているのはL.U.C クアトロ‐マーク IVである。HODINKEE本国チームのリッチ・フォードン(Rich Fordon)がこの新作を取り上げているため、ここでの紹介は割愛したが、L.U.C クアトロ‐マーク IVはとても魅力的な新作として目に映った。
真っ先に目を引かれたのはダイヤルである。筆者の知る“クアトロ”と言えば、パワーリザーブインジケーター付きのダイヤルのイメージが強い。実際、過去のモデルではすべてダイヤル12時位置にパワーリザーブインジケーターが鎮座していたが、新作ではこのインジケーターがダイヤル側からケースバック側へと移動。時・分針と6時側のインダイヤル(スモールセコンド日付表示)という、より洗練されたダイヤルデザインへ生まれ変わっているのだ。
しかもケースサイズが40mmを切る39mm径だというではないか。ケース厚も10.4mmと、ローターのない手巻きではあるが4バレル搭載のムーブメントにしても厚みも抑えられている。ハイスペック機であると同時に、実用を重視した時計としての魅力も備えたポテンシャルの高い新作となるのではないかと期待している。実際のダイヤルの質感はどうなのか、サイズ感は? 腕に乗せた感想は? 実機を触ってこそ得られる魅力は、取材を通してしっかりチェックするつもりだ。
基本情報
ブランド:ショパール(Chopard)
L.U.C ヘリテージ EHG ムーン 122
型番:161988-5001
直径:44mm
厚さ:12.7mm
ケース素材:18Kエシカルローズゴールド
文字盤色:ブルーアベンチュリン文字盤に主に北半球の星座を描いたホワイトの転写、ゴールドとラッカー製の地球、ゴールドとアベンチュリン製のムーンフェイズ、18KエシカルRG製のドーフィンフュゼ型時針、分針、スモールセコンド針
夜光:なし
防水性能:30m
ストラップ/ブレスレット:同系色のステッチを施したブルーカーフレザーストラップ、18KエシカルRG製フォールディングバックル
L.U.C クアトロ スピリット 25‐ストロー マルケトリー エディション
型番:161977-5009
直径:40mm
厚さ:10.3mm
ケース素材:18KエシカルRG
文字盤色: 18Kエシカルローズゴールド製文字盤にストローマルケトリー装飾、ゴールド仕上げを施したドーフィンフュゼ型分針、ゴールド仕上げを施したバトン型パワーリザーブ表示針
夜光:なし
防水性能:50m
ストラップ/ブレスレット:手縫いのグリーンアリゲーターストラップ、ポリッシュ&サテン仕上げを施した18Kエシカル RG製ピンバックル
L.U.C フル ストライク レヴェレーション
型番:161947-0002
直径:42.5mm
厚さ:11.55mm
ケース素材:18Kエシカルイエローゴールド
文字盤色:サファイアクリスタル製オープンワーク文字盤、サファイアクリスタルに覆われたレイルウェイタイプミニッツトラックのエングレービングにブラックの転写、ゴールド仕上げのドーフィンフュゼ型時・分針、バトン型スモールセコンド針、バトン型パワーリザーブ表示針(ムーブメントとソヌリ)、18KYG製アプライドロゴプレートにブラックの転写
インデックス:ゴールド仕上げのクサビ型アプライド
夜光:なし
防水性能:非防水
ストラップ/ブレスレット:手縫いのグリーンアリゲーターレザーストラップ、コニャックカラーアリゲーターのライニング、サテン&ポリッシュ仕上げの18KエシカルYG製フォールディングバックル
ムーブメント情報
L.U.C ヘリテージ EHG ムーン 122
キャリバー:L.U.C 63.04-L
機能: 時・分表示、9時位置にスモールセコンド、3時位置にムーンフェイズ表示、ストップセコンド機能
直径:38mm
厚さ:6.7mm
パワーリザーブ:約60時間
巻き上げ方式:手巻き
振動数:2万1600振動/時
石数:20
クロノメーター認定:あり。COSC
追加情報:ジュネーブ・シール
L.U.C クアトロ スピリット 25‐ストロー マルケトリー エディション
キャリバー:L.U.C 98.06-L
機能:6時位置の小窓に瞬時のジャンピングアワー表示、中央にポインタータイプの分表示、時計裏面12時位置にパワーリザーブインジケーター、テンプ停止機構(時表示と中央の分表示)
直径:31.8mm
厚さ:4.85mm
パワーリザーブ:192時間(8日間)
巻き上げ方式:手巻き
振動数:2万8800振動/時
石数:42
クロノメーター認定:なし
追加情報:ジュネーブ・シール、独自に開発されたショパールクアトロ®テクノロジー(4つの香箱)
L.U.C フル ストライク レヴェレーション
キャリバー:L.U.C 08.01-L
機能:時・分表示、6時位置にスモールセコンド、サファイアクリスタル製ゴングを打ち鳴らすミニッツリピーター(特許取得)、2時位置に時計とソヌリのパワーリザーブの同心円表示、ストップセコンド機能
直径:37.2mm
厚さ:7.97mm
パワーリザーブ: 60時間
巻き上げ方式:手巻き
振動数:2万8800振動/時
石数:63
クロノメーター認定: あり。COSC
追加情報:ジュネーブ・シール、モノブロック構造のサファイアクリスタルとゴング(特許取得)、可変慣性テンプ(特許取得)、パワーリザーブのロスを回避するため、情報読み取り時にソヌリ機構の連結を解除するクラッチレバー機構(特許取得)、ソヌリの作動中、デッドタイムをなくすラチェットホイールの特殊な駆動機構(特許取得)、メカニズムが打鐘を行っているかどうかに関係なく、通常、低速、連続、または高速モードでプッシュボタンに作用するストライクワーク起動デバイス(特許取得)
価格 & 発売時期
価格:L.U.C ヘリテージ EHG ムーン 122は1362万9000円、L.U.C クアトロ スピリット 25‐ストロー マルケトリー エディションは1031万8000円、L.U.C フル ストライク レヴェレーションは4592万5000円(すべて予価)
発売時期:未定
限定:L.U.C ヘリテージ EHG ムーン 122とL.U.C フル ストライク レヴェレーションは世界限定20本、L.U.C クアトロ スピリット 25‐ストロー マルケトリー エディションは世界限定8本
詳細は、ショパールの公式サイトをクリック。