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Introducing ノダス×Beers And Cameras オブスキュラはアナログ写真愛好家のための時計だ

次のフォトウォーク(カメラを持って街や自然の中を歩きながら写真を撮る)に備えて、“エクスポージャー・ゲージ・コンプリケーション”を搭載!

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我々が知っていること

ポートラ400を冷蔵庫にストックしているか? もしそうなら、ノダスの新作ウォッチがぴったりかもしれない。オブスキュラと名付けられたこの時計は、アメリカ各地に支部を持つ写真コミュニティ&オンラインプラットフォーム、Beers And Camerasとのコラボモデルで、最大の特徴は新しく特許を取得したエクスポージャー・ゲージ・コンプリケーションという機能を搭載していることだ。これを使えばベゼルと見返しリング(ベゼルを囲むリング)を活用して“サニー16ルール”に基づいた露出の測定ができる。

nodus obscura

 新機能の話はあとにするとして、まずは基本スペックから紹介しよう。オブスキュラはダイバーズウォッチ風のデザインを採用したステンレススティール製のスポーツウォッチだ。ケース径は38mm、ベゼル込みで40mm、厚さ11.7mm、ラグからラグまで47mmのサイズ感。防水性は100mで、ストラップはクイックリリース機構付きのSS製ブレスレット(ノダス独自のNodeXツールレス・マイクロアジャスト付き)とラバーストラップの2種類が付属する。

 オブスキュラはシンプルな3針レイアウトを採用しており、ムーブメントにはTMI NH38を搭載している。TMIは香港を拠点とするセイコーグループの子会社だ。このムーブメントは日付なしの仕様(いわゆる“ファントムポジションなし”)で、2万1600振動/時(3Hz)、パワーリザーブ約41時間、自動巻きというスペックを持つ。要するにシンプルで実用的な自動巻きムーブメントであり、オブスキュラの手に取りやすい価格帯にマッチしているというわけだ。とはいえこの時計の魅力はムーブメントにあるわけではない。最大の特徴は、なんといってもベゼルだ。

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 ここでちょっとした補足をしよう。次の話に入る前に、ベゼルと見返しリングについて触れておく。オブスキュラに採用されたこのデザインは、Beers And Camerasの創設者であるファン・マルティネス(Juan Martinez)氏によって考案され、のちにアメリカと中国で特許を取得したものだ。僕は数年前にドイツのライカのイベントで初めてファン氏と出会い、それ以来の付き合いだ。彼は新旧問わずあらゆるカメラを愛する生粋のカメラ好きであり、同時に時計マニアでもある。そしてこの時計は彼が長年温め続けてきた夢のひとつだった。

 このアイデアは一見複雑に思えるかもしれないが、本質的には露出を設定するため(つまり、撮影したい画像が明るすぎたり暗すぎたりしないようにカメラを調整する方法)の手法をサポートするベゼルをつくり上げたということだ。できるだけシンプルに説明してみよう(もし写真に超詳しいなら、これはあくまで簡略化した説明だと思って欲しい)。この手法は“サニー16ルール”と呼ばれ、シャッタースピードと絞り(F値)のバランスをカメラにセットしたフィルムのISO感度を基準に調整するものだ。フィルムカメラの場合、ISOは固定されているため環境の明るさに応じて、レンズをとおる光の量とシャッタースピード(シャッターが開いている時間)を調整する必要がある。

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 オブスキュラのデザインなら、ベゼル上の絞り値を見返しリングのISOインジケーター(12時位置と6時位置)と合わせるだけで、適切なシャッタースピードを判断できる。見返しリングには、F/16(光をほとんど通さない狭い絞り)からF/1.4(多くの光を取り込む非常に広い絞り)までの目盛りが刻まれている。周囲の環境が暗いほど、絞りを開く(F値を小さくする)かあるいはシャッタースピードを遅くする必要がある。 そうすることで十分な光を取り込み、適切な露出を確保できるのだ。ストリートフォトグラフィーでは、このルールを活用することで露出の調整を素早く行うことができる。 もしくは外部の露出計を使いながらじっくり撮影プロセスを楽しむこともできるだろう。

 オブスキュラのベゼルは双方向に回転でき、ベゼル上のシャッタースピードと、ISO 100およびISO 400に対応した目盛りが連動している。 さらに、それぞれに“+1”のオプションがあり、200や800にも対応できるようになっている。ノダスはこのベゼルの使い方について、以下のステップをガイドとして説明している。

1. ベゼルを時計回りに回し、希望する絞り値に白いマーカーを合わせる。

2. フィルムのISO感度に基づいて、文字盤の見返しリング上の適切なISOマーカーを探す。
- ISO 100または+1でISO 200(見返しリングの“12時”位置に記載)
- ISO 400または+1でISO 800(見返しリングの“6時”位置に記載)

3. ステップ2で選んだISOマーカーとベゼル上の数字が合致する箇所を確認し、推奨されるシャッタースピードを読み取る。高速シャッタースピードに達するまでは、通常ふたつの数値(晴天時の速度と曇天時の速度) が表示される。

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 複雑? まあ、少しだけ。ただし、これがフィルム写真における露出の世界だ。特にカメラに内蔵されていない場合(もしくは、それを信用していない場合)はなおさら。もちろん、露出計を使うほうが正確なのは間違いない。ただこのベゼルの魅力は理解できる。フィルム写真にある程度慣れていれば、ベゼルを見ただけで直感的に理解できるはずだ。上のアニメーションで、ベゼルの動作を確認してみよう。

 上のGIFを参考にしながら、F/8で撮影すると仮定してみよう。ベゼルをF/8に回すと、12時位置のISO 100マーカーが示すシャッタースピードは、晴天時で500分の1秒、曇天時で60分の1秒になる。一方で、より感度の高いフィルムに対応するISO 400マーカーでは、晴天時で2000分の1秒、曇天時で250分の1秒と表示される。その隣には“+1”の設定があり、それぞれの速度も確認できる。一見情報量が多く感じるかもしれないが、やっていることは単純だ。ベゼルを希望のF値に合わせるだけで、ISO 100、200、400、800の適正なシャッタースピードをひと目で確認できる。この仕組みは実にスマートでありながら、時計としてのデザインバランスもしっかりと保たれている。

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 ノダスは今週初め、650ドル(日本円で約10万円)するオブスキュラのプレオーダーを開始した。この価格にはブレスレットとラバーストラップが含まれている。配送開始は2025年6月を予定しており、詳細なスペックについては以下のとおりだ。


我々の考え
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たったの650ドル?  いまやフィルム5本分ってところか。冗談だが。とはいえノダスとB&Cが写真マニア向けに最高にクールな1本をつくり上げたのは間違いない。僕はベゼルコンプリケーションが大好きだ(まあ、そもそもコンプリケーションと呼べるかどうかは微妙なところ。12時間表示のベゼルや、60年代のちょっと変わったワールドタイムベゼルなんかを考えてみて欲しい)。このベゼルはマニア心をくすぐる仕様でありながら、とても完成度が高い。これが必要かって? 別に必要ではない。ただしフィルムで写真を撮るのも腕時計をつけるのも、結局はそういう“必要ないけど楽しいこと”のひとつだろう?

 ほとんどの写真と同じく、フィルム撮影は体験であり、趣味であり、アートでもある。 そしてBeers And Camerasのようなグループのおかげで、仲間をつくりながら熱中できる趣味として楽しめ、撮影と学びが尽きない世界でもある。それにカメラを触ったことがない人でも、このベゼルはコンパスベゼルよりもよっぽど実用的だと言える。最後に、このベゼルについて触れておこう。これは実は素材にブロンズが使われており、その上にブラックDLCコーティングが施されている。 リューズも同様だ。この仕上げには意図があって、まるでブラックペイント仕上げのライカのように、使い込むことで傷がつきエイジングが進むよう設計されている。

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 これは素晴らしいコラボレーションだと思う。ノダスにとって初の試みではなく、デザインラボシリーズでは毎回見事な仕事をしている。これまでにも、レイブンとのトレイルトレッカーをはじめ、WatchCrunch、The Smoking Tireのマット・ファラー、The Pen Addict、Watch Clicker、さらにはレッドバーとのコラボレーションも手がけてきた。これらの多くは遊び心のあるカラーや個性的なデザインが特徴的だったが、オブスキュラはまったく新しいアイデアを取り入れ、手の届く価格で今年登場した。

 さらに、ファン氏がBeers And Camerasを通じて築き上げたものを見てきたが、そこはカメラや写真を愛する仲間たちが集まって自由に交流できる場になっている。このコミュニティは成長を続け、いまや世界中に広がる存在だ。プロである必要もコレクターである必要もない。 中判カメラについて語る必要もなければ、昔の写真文化にノスタルジーを感じる必要もない。ただ、同じ趣味を持つ仲間と一緒に撮影を楽しみたいという気持ちがあればそれでいい。 そしてもしかしたら(できれば)、時計好きともつながれるかもしれない。


基本情報

ブランド: ノダス(Nodus)
モデル名: オブスキュラ(Obscura)

直径: 38mm(ベゼル込みで40mm)
厚さ: 11.7mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: ブラック
インデックス: ルミノバペイント
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: ノダス製SSブレスレット(“NodeX”クイックアジャスト機構&クイックリリース付き)とラバーストラップの2本付属


ムーブメント情報

キャリバー: TMI NH38
機能: 時・分表示、センターセコンド
パワーリザーブ: 約41時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 24
追加情報: 調整済み(日差±10秒以内)


価格 & 発売時期

価格: プレオーダー価格で650ドル(日本円で約10万円)
発売時期: デリバリーは2025年6月予定

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