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本日は、楽しい記事をお届けしよう。生産終了となった5本の中古時計に光を当てるのだ。いずれも、我々がよく知っていて愛すべき時計だ。そして、もう新品では手に入らないとしてもコレクションに加えたいと思うような素晴らしい逸品が見つかるはずだ。
オメガ スピードマスター ムーンウォッチ ファースト オメガ イン スペース
最初に過去10年間で最もエキサイティングなオメガ スピードマスターコレクションのひとつ、“ファースト オメガ イン スペース”をご紹介しよう。表面上は従来のムーンウォッチのように見えるが、よく見ると、いくつもの微妙な違いがあることがわかる。
アルファ針、小径ケース、メタルブレスレットではないレザーストラップ仕様であることに注目してほしい。この時計は1962年にマーキュリー計画のシグマ7ミッションで宇宙飛行士ウォーリー・シラーが着用していたRef.CK2998への忠実なオマージュで、地球を飛び出した最初のオメガとなり、1969年の月面着陸にオメガが参加するまでの重要な架け橋となった。
ロレックス GMTマスター II Ref.116710
ブラックベゼルインサートはRef.1675以来GMTマスターの一員に加わっており、2005年にGMTマスター IIがオールゴールドモデルでセラクロムベゼルインサートに移行した際に初めて登場したバージョンだ(ここに紹介するスティールモデルはその2年後に登場した)。
GMTといえば(ペプシのように)バイカラーベゼルが代名詞だが、 “ルネット・ノワール”の頭文字からLNの型番を持つこのモデルは、ロレックスの最もカラフルなモデルを人目を欺くように偽装させた(いや変身した、というべきか)、ステレス性の高い選択肢となるだろう。スティール製のGMTマスター IIには現在、有名なペプシ、ますますアイコニックな存在になりつつあるバットマン、そしてグリーン&ブラックの新しいバリエーションがあるが、オールブラックベゼルは現在のロレックスでは生産されていないクラシックなモデルなのだ。
チューダー ヘリテージ ブラックベイ Ref.79920N
チューダー ブラックベイは、ETA社のムーブメントと大きなサイズから始まり、ブロンズケース、GMT、そしてコンパクトサイズのフィフティエイトと、さまざまなバリエーションを生み出したチューダーの時計のなかでも最も有名なコレクションのひとつだ。
現在、ブラックベイシリーズは自社製ムーブメントの搭載で知られているが、初期のETA社ムーブ搭載機はコレクターに最も人気のあるモデルのひとつだ。“スマイリーフェイス”とは、2015年に登場したこちらのRef.79920Nのような、ブラックベイ初期モデルの一部に見られるダイヤルの湾型の表記を指している。
オーデマ ピゲ ロイヤル オーク ムーンフェイズ
20世紀後半の時計収集の世界において、ロイヤル オークを超える大きな影響を与えた時計やブレスレットの形状を想像することは難しい。また、大胆な角張ったデザインに女性らしさを感じさせるブレスレットのテーパリング。このようなデザイン要素は、ロイヤル オークのなかで不変の特徴であり、現行モデルや生産終了モデルにも受け継がれている。そこでロイヤル オーク ムーンである。
曜日、日付、ムーンフェイズを表示するこのカレンダーモデルは夏の装いにピッタリながら、洗練された複雑な印象を焼き付ける。目を閉じて、ほかのカレンダーウォッチ、特にムーンフェイズ搭載の時計を思い浮かべてみたとき、少しフォーマルなものが思い浮かぶのとは対極にある時計である。
タグ・ホイヤー カレラ 1964 レマニア CS3110限定モデル
1990年代後半、タグ・ホイヤーは1964年の3レジスターモデルを忠実に再現し、アイコニックな“カレラ”を復活させた。大きな違いは、搭載するムーブメントが長らく生産中止となっていたバルジュー 72ではなく、オメガ スピードマスターのCal.1861をベースとしたレマニア 1873を採用した点だ。
この時計の製造時期から、夜光塗料はルミノバではなくトリチウムを使用していることで、ネオヴィンテージデザインに時計愛好家の興味を引く要素が加えられている。つまり現在製造されている同型モデルよりも、経年変色した夜光が、より本物のヴィンテージ感を醸し出しているのだ。同様に、オリジナルの時代にルーツを持つ優れた手巻きクロノグラフムーブメントが、この特別なカレラをより魅力的なものにしている。5000ドルを下回る価格は、まさにバーゲン価格と言えるだろう。
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