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Photo Report HODINKEE Japan × RING JACKET イベント with マーク・チョー【Hjp5】

細部まで妥協なく作り込まれたリングヂャケットのプロダクトに、腕時計との共通点を見た。

2024年12月に、立ち上げから5周年を迎えることができたHODINKEE Japan。これを記念し、昨年末には【Hjp5】と名付けられた一連のイベントを開催していた。そのなかのひとつが、HODINKEE Japanでも幾度か記事にとりあげ、イベントも行ってきたリングヂャケットとのコラボレーションによる「HODINKEE Japan × RING JACKET イベント with マーク・チョー」。HODINKEE Japanの読者に加え、GINZA SIXのVIP会員が招待された今回のイベントの会場に選ばれたのは、会員制プレミアムラウンジであるLOUNGE SIXだ。南エレベーター付近にある重厚な扉をくぐると、選ばれた会員のみが利用できるラグジュアリーなフロアが広がる。この非日常を感じさせる贅沢な空間にて、リングヂャケットの全面的な協力のもと12月17日(火)に本イベントは執り行われた。

 リングヂャケットによるスタイリングをまとったトルソーが並び立つ会場前方では、ブランドの職人による手仕事も実演。機械には真似ができない熟練のハンドワークはモニターにも大きく映し出されており、招待客はイベント開催までの静かな時間を時計愛好家同士で語り合いながら、匠の技を肴にグラスを傾けて思い思いに過ごしていた。

会場前方ではリングヂャケットの熟練の職人による手仕事も披露されていた。


HODINKEEフレンド、マーク・チョー氏を招いた特別なセッション

このイベントの目玉となったのがリングヂャケットも取り扱う香港の名店、アーモリーの共同設立者であるマーク・チョー氏を招いてのトークセッションだ。アーモリー立ち上げ前からリングヂャケットに触れ、クオリティに惚れ込んでいたことが両者のパートナーシップに結びついたのだという。現在では、ショップオリジナルモデルを企画するほどに強い関係性を築いている。

 登壇者したのはマーク氏に加え、HODINKEE Japanから編集長の関口 優、リングヂャケットからクリエイティブディビジョンマネージャーの奥野剛史氏の3名。そしてマーク氏の通訳を和田将治が行った。このセッションでは「ジャパニーズテーラーの今を探る」をテーマに、リングヂャケットが誇るテーラリングの理念と熟練の手仕事についてそれぞれの視点から深掘りがなされた。

 まずは奥野氏による、リングヂャケットというブランドの立ち上げについてのストーリーから始まった。1954年ごろすでにブランドがいち早く注目していたイタリアの仕立ての素晴らしさと、その毎年技術者が現地を訪れて技術を会得するまでの苦労が、彼の口から語られていった。「やっぱりイタリアの服はアメリカやイギリスと違い、非常に柔らかい着心地になっています。作りもソフトで、これを日本でもできないかと挑戦したんですね」。さらに、リングヂャケットとして追求するクオリティについても次のような話がなされた。「我々のスタイルは時計でいうところの“マニュファクチュール”に近いものがあります。時計もほかのプロダクトも同じだと思うんですが、大別すると同じようなものでも細かなディテールを追求していくことでどんどん別物へと変わっていく。スーツは特にネイビー、グレーが基本でどれも同じようなデザインに見られがちですが、素材や襟の幅、肩先のソフトな雰囲気を少しずつこだわることでキャラクターが生まれてきます。そういった意味では、テーラードと腕時計には近い部分があるのかなと思いますね」

 「アーモリーとリングヂャケットは長きにわたって関係を築いてきました」と、奥野氏に続いてマーク氏が口を開く。「私が彼らを本当に尊敬している点に、(体型に合った)立体的なフォルムに対する造詣の深さがあります。テーラリングではこの立体的な構造が重視される傾向にあります。胸元やショルダーは特にそうですね。Tシャツは床に平らに広げることができますが、ジャケットはそうではないでしょう? しかし、すべてのブランドやメーカーがそこに十分気を遣えているわけではありません。正しいシェイプで仕立てられたジャケットは、きっと皆さんをよりよく見せてくれるはずです。アジア人、特に日本人の体つきを考えると、リングヂャケットがもっともうまく作っているんじゃないかと思っていますね」

 さらに、リングヂャケットの“手仕事”にも言及。「すべてをハンドワークにするのではなく、必要なところに適材適所で入れていますよね」と話すマーク氏に、「ちょっと褒められすぎて恥ずかしいですね」と奥野氏は笑いながら、「手作業が必要な部分は手で行いますが、ミシンで縫わないと強度が出ない箇所もあります。必ずしもすべて手縫いであることが、いいプロダクトの条件ではありません。(特徴である)丸みのあるフォルムを生み出すために最適な作り方をしています」と語った。

 2024年に大阪・貝塚の工場を訪れた関口が、リングヂャケットの着心地について話を続けた。「まさに手縫いとミシンによる機械縫いのコンビネーションが繰り広げられていました。そしてすごく驚かされたのが、(ほかのメーカーとの)着心地の差です。僕は見てのとおり肩幅があるんですが、リングヂャケットを羽織ったときには腕を動かしてもまったくストレスを感じません」。それに対して奥野氏がその秘密を語ってくれた。「実はリングヂャケットでは、肩の部分の生地が背面のほうが2cmほど長く取られています。当然同じ長さの生地を縫い合わせるほうが簡単ですが、この2cmの差をアイロンでならし、ミシンで特別な縫い方をすることによって仕上げているんです」。この2cmが背中側の余裕になり、可動域を広げているという。「メジャー寸法だと一般的なスーツと変わらないのですが、背面に回り込む生地の分量が多いので着やすくなっているんです」

 さらにマーク氏に対し、リングヂャケットの着心地へのインプレッションが求められた。「リングヂャケットの今の服作りはソフトかつ軽やかで、よりイタリアのテイストを強く感じます。個人的にはリングヂャケットに対し、機能的で(着用していて)楽しいところに好感を持っています。着やすいからこそ『次はどういうふうに着てみようか』という考えも生まれ、それが私たちをさらにワクワクさせてくれるんです」

 トークセッションの後半では、マーク氏によるリングヂャケットと腕時計のマッチングも行われた。あらかじめ用意されたスタイルに対し、彼の私物の時計をはめながらコーディネートのロジックが披露された。「服だけでなく時計もそうですが、いかに自分を表現するかという話につながってきます。自分の仕事やアクティビティに臨むにあたり、身につけているものがコミュニケーションの支えとなるか、手助けしてくれるかというところを私は考えています」。そのうえでスタイルを構築する際に、最初に考えるのがサイズだという。「シチュエーションがフォーマルであったりとか、服自体に繊細なディテールがあったりするときは小型の時計を。ドレスアップの必要がなく、カジュアルに装いたいときは大振りなものを合わせます」。その後に素材、ダイヤルのカラー、ストラップからそのステッチおよびテーパーの有無にまで話を移しながら、マーク氏は数体のスタイリングに次々と時計を合わせていく。「最終的に、自分のスタイルにどのようにマッチするのかが重要ですね」

 このタイミングでマーク氏の出番は一旦終了。最後に、ファクトリーの職人によるリングヂャケットの“手仕事”の解説が行われた。たとえば、穴の縁にやわらかな膨らみが出るボタンホールの手縫い。何も知らないと見落としてしまうディテールだが、産地やメーカーによって性格の異なる服地に対し、マシンでボタンホールの縁をかがってしまうと平坦で味気ないものになってしまう。リングヂャケットでは職人がひとつひとつ生地の調子を見ながら仕上げているため、ふっくらとした表情が生まれるのだという。さらに、生地が3次元的に立ち上がる魔法のようなアイロンワークも10年来の職人だからこそ可能な神技だ。一般的には生地を切り替えることによって表現する立体感を、リングヂャケットは1枚の生地から作り出してしまう。ディテールとしては微差に見えるかもしれないが、これら細部に潜む際限のないこだわりがリングヂャケットのクリエイションを支えているのである。

首筋に吸い付くようにしなやかに立ち上がる襟のフォルムに注目して欲しい。

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 セッションの終了後には参加者同士の歓談の時間も設けられた。この日はHODINKEE Japanの読者だけでなくリングヂャケットの顧客も参加していたが、時計と洋服という共通の話題によって垣根を超えて交流している姿も見られた。また、会場の一区画ではリングヂャケットのジャケットを試着できるコーナーも設置。トークセッションで語られたリングヂャケットの着心地の素晴らしさを体感するべく、多くの人々が袖を通していた。マーク氏も再度会場に姿を現し、時計愛好家や彼のファンと親睦を深めていたようだ。

トークセッション後は時計愛好家の参加者とマーク氏で交流する姿も見られた。

マーク・チョー氏のコレクションから一部が会場内で披露されていた。そのなかには自身のショップ、アーモリーコラボのモデル(右下)もあった。

 楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。17時半にスタートした「HODINKEE Japan × RING JACKET イベント with マーク・チョー」は2時間のプログラムを終え、名残惜しくも19時半で閉会となった。それでは今回も、来場者の皆さんの袖口にあった素晴らしい時計の数々をリストショットでお届けして締めくくろうと思う。どれもこの日の着こなしにとてもよく似合う、洒落た逸品揃いだった。

カルティエ 「サントス デュモン」

ユリス・ナルダン ニュートン Ref.155-22

ロレックス デイトジャスト タペストリーダイヤル

左からカルティエ タンク サントレ、オメガ スペシャリティーズ CK859。

左からホイヤー カレラ クラシック、ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ・デュアルタイム。

左からパテック フィリップ ゴールデン・エリプス、ジャガー・ルクルト レベルソ クラシック。イエローゴールドとピンクゴールドのエレガントなダブルリスティングだ。

ファーラン・マリ メカクォーツ・クロノグラフ

HODINKEE × G-SHOCK Ref.5600VT By Ben Clymer

パテック フィリップ カラトラバ Ref.6119R

特に記載のないものはすべてPhotos by Yusuke Mutagami