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Introducing タグ・ホイヤーがフォーミュラ1 ソーラーグラフを新発表

ブランド初のF1公式タイムキーパー就任に合わせ、80年代のアイコンに太陽光発電という新たなひねりを加える。

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タグ・ホイヤー2025年新作をWatches & Wondersの会場からご紹介

我々が知っていること

もし、今シーズンのフォーミュラ1や、先月アンディ(・ホフマン)が取り上げたタグ・ホイヤーによる、新しいトラッククロックのデザインを追っていたならば、そのクロックに1986年のクラシックなフォーミュラ1デザインが復活していることに気づいたはずだ。これは真っ赤なファイバーグラス製ベゼルが特徴で、多くのeBayの掘り出し物ハンターたちのお気に入りとなっているコレクションの時計を模したものだ。昨年のKithとのコラボによる10本のコレクションが、記録的な速さで完売した時点で、誰もが通常生産モデルの登場を予感していた。そこで登場したのが、今回新たにアップデートされたフォーミュラ1 ソーラーグラフラインである。デザインとカラーバリエーションは80年代からそのまま持ち込まれ、9つのユニークなバリエーションが揃った。

Tag Trio of Solargraphs

 9種類のSKU? よし、ここで整理しよう。オリジナルを追い求めるコレクターには少々残念かもしれないが、より現代的なタグ・ホイヤーの顧客にとってはうれしい変更として、ケースサイズはオリジナルの35mmから、やや控えめな38mmへと拡大された。ケーススタイルはそのままで、特徴的な覆われたラグが健在だ。ダイヤルには12・6・9時位置に配されたタグ・ホイヤーのシールドモチーフがアプライドインデックスとなり、文字盤にさらなる奥行きを与える。ただしひとつだけ例外があり、そのモデルではシールドの代わりにアラビア数字のインデックスが配されている。針もわずかにアップデートされてシャープなデザインとなり、視認性が向上している。

Solargraph without Shield Appliques
Case Side of Solargraph
Dial Closeup

 ダイヤルは、モデルごとに異なるカラーでプリントされたミニッツトラックによってわずかにセグメント化されており、分はドットで、5分刻みは長方形のバーで示されている。3時位置には、シールドの代わりに日付表示窓が配される。タグ・ホイヤーのロゴは、おなじみの赤と緑の配色で12時下にプリント。2025年バージョンではダイヤル上に“FORMULA 1”の文字が加えられ、“SWISS MADE”と“SOLARGRAPH”がこれに続き、オリジナルのダイヤルで採用されていた3ライン構成を踏襲している。

 ソーラーグラフという表記こそが、この80年代デザインにおける最大の現代的アップデートを示している。それは、タグ・ホイヤーのソーラーグラフCal.TH50-00が、フォーミュラ1ラインに初めて搭載されたということだ。これまでいくつかのアクアレーサーで採用されてきた同キャリバーは、その名のとおり光を動力源とする。タグ・ホイヤーによれば、直射日光に2分間当てるだけで1日分の駆動が可能であり、約40時間未満の光でフルチャージされ、フル充電状態では10ヵ月間、光を当てなくても駆動するという。またバッテリーの寿命は15年とされており、定期的な電池交換の必要はないとしている。

Yellow Solargraph
Yellow caseback
Yellow case side

 さらに、新たに採用されたのがタグ・ホイヤー独自の新素材、TH-ポリライト(TH-Polylight)である。9モデルすべて、アイコニックな双方向回転ベゼルがこの新しい複合素材によって製作されている。9モデル中6モデルは、サンドブラスト仕上げのスティール製(またはDLC加工SS製)ケースを採用しているが、残りの3モデルはケース自体にもこのTH-ポリライトが用いられている。具体的には、赤いケースを持つWBY1160.FT8085、同じく赤いケースのWBY1161.FT8086、そして青いケースのWBY1162.FT8105である。残りのモデルについては、ベゼルとケースの色をそれぞれ異なる組み合わせにしたバリエーションがそろう。ストラップはラバーストラップかSSブレスレットのいずれかだ。なおタグ・ホイヤーは新たにフォーミュラ1の公式タイムキーパーとなったため、これらのモデルは今後1年を通じて、世界各地で開催される各グランプリに合わせて順次発売される予定である。

 SSブレスレットを装備した3モデルのフォーミュラ1 ソーラーグラフは28万6000円、ラバーストラップ仕様のフォーミュラ1 ソーラーグラフは26万9500円(ともに税込)で販売される。


我々の考え

フォーミュラ1のトラッククロックが発表された瞬間から、このリリースが来ることは、正直誰の目にも明らかだったといっていいだろう。そして、これほどまでに世界中のメディアに取り上げられたデザインを、ノスタルジー、楽しさ、そして幅広い市場への訴求力という絶妙なバランスの上に成り立たせ、しっかりとビジネスに結びつけるのは理にかなっていると思う。適切なたとえが見つからないが、これはタグ・ホイヤーにとっての“ムーンスウォッチ”といえる存在だろう。(少なくともブランドの標準的な価格帯のなかでは十分に手が届く製品であり)これまでタグ・ホイヤーに縁のなかった層をブランドに引き込むきっかけになりうる。カラーバリエーションも実に素晴らしいものがそろっていて、個人的にはアクアレーサーで初めて登場した際から、ソーラーグラフムーブメントのファンだ。今回のカラーのなかにはオリジナルモデルから直接引用されたものもあり、コレクターたちは間違いなく現代的にアップデートされたこのシリーズに飛びつくだろう。ここ数年のタグ・ホイヤーのなかで、最も楽しいと感じられるコレクションだ。

Red case Solargraph

 価格設定は、Kithとのコラボレーションで確立された前例と一貫しており、当時は1500ドル(日本円で約20万円)だったが、今回のアップグレードされたソーラーグラフは28万6000円(税込)となっている。もっとも、これらがコストパフォーマンスに優れているかといえばそうではない。クリエイティブな面ではムーンスウォッチ的な精神でデザインされているものの、結局のところプラスチックとSSを組み合わせたクォーツウォッチに約30万円を気軽に支払うのは、数万円の感覚とはわけが違う。しかし同時に、これはタグ・ホイヤーや本作だけに限った話ではなく、業界全体で価格が上昇している昨今のトレンドでもある。

 フォーミュラ1 ソーラーグラフにおける、各モデルを異なるグランプリに合わせて発表するというタグ・ホイヤーの戦略は、実に興味深く、責めることはできない。だが少し残念に感じたのは、多くのカラーバリエーションが、それぞれ1000本から3000本の限定モデルとなっている点だ。確かに、3モデルは通常ラインナップに加わるものの、自分のお気に入りのカラーはことごとく限定モデルであるようだ。昨年のKithとのコラボレーションが成功を収めたことを考えれば、今回もフォーミュラ1ファンにとって完璧なアイテムとして、すぐにでも売り切れてしまうだろう。だからこそ欲しい人たちの手にちゃんと届くことを願っている。さて、自分もこの緑のモデルを手に入れるべきか、ちょっと悩んでいる…。

 今後数日にわたり、Watches and Wondersからさらに多くの情報をお届けする予定だ。本イベントの新作情報は、すべてここでチェックできるのでお見逃しなく。


基本情報

ブランド: タグ・ホイヤー(TAG Heuer)
モデル名: フォーミュラ1 ソーラーグラフ(Formula 1 Solargraph)
型番: WBY1111.BA0042(SSブレス、ホワイト)/WBY1112.BA0042(SSブレス、ブルー)/WBY1113.BA0042(SSブレス、グリーン)/WBY1161.FT8086(レッドTH-ポリライト)/WBY1162.FT8105(ブルーTH-ポリライト)/WBY1160.FT8085(グリーンTH-ポリライト)/WBY1114.FT8084(ブラックTH-ポリライト)/WBY1117.FT8087(イエローTH-ポリライト)/WBY111A.FT8106(ブラックラバーストラップ)

直径: 38mm
厚さ: 9.9mm
ケース素材: サンドブラスト仕上げのステンレススティールまたはTH-ポリライト
文字盤: ホワイト/ブラック/ブルー
インデックス: アプライド
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: SSブレスレットまたはラバーストラップ


ムーブメント情報

キャリバー: ソーラーグラフ TH50-00
機能: 時・分表示、センターセコンド、日付表示
パワーリザーブ: フル充電状態で最大10ヵ月


価格 & 発売時期

価格: ラバーストラップモデルは26万9500円、ブレスレットモデルは28万6000円(ともに税込)
発売時期: 各フォーミュラ1グランプリに合わせて順次発売
限定: あり、一部は限定モデル

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