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1917年以来毎年開催されているスイス最古で最大の時計の見本市であるバーゼルワールドは、今年は開催されないことが決定した。主催元は、コロナウイルス流行のため2021年1月に延期することを本日発表した。
元々は4月30日から5月5日までの開催予定で、現在は、2021年1月28日から2月2日の開催としている。
この決定は、新型コロナウイルスによってスイスのすべての大規模な公的および、私的行事を禁止とするスイス連邦及び州当局による本日の発表を受けたものだ。この禁止措置は3月15日までとしているが、延長される可能性もある。
「コロナウイルスによる影響でイベントを延期せざるを得ないことは非常に残念に思っている」とマネージングディレクターのミシェル・ロリス・メリコフ氏は声明で述べた。また、「今日の公的な大規模集会の公式な禁止措置は、ショーへの直接的な影響を意味します。ホールやスタンドの建設を含むすべての準備が来週開始される予定だったため、今回の決定を下す以外に選択肢はありませんでした」と続けた。
スイスの公式なコロナウイルス感染者数がゼロから15件になり、感染が疑われる件数が100件以上に超えるという急激な動きを見せた週の終わりでの決定だった。スイス連邦保健局によれば、その多くはスイスの3番目と4番目に大きい都市であるバーゼルとベルンで発生している。
その結果、今週木曜日にバーゼルワールドの30年にわたる競合であったSIHH(今年からWatches & Wonders Genevaに名称変更)の主催元である高級時計財団(Fondation de la Haute Horlogerie、FHH)が、展示会中止の発表を行った。
この決定により、バーゼルに本拠地を起きバーゼルワールドを所有するMCHグループに注目が集まる。Watches & Wonders Genevaは、コロナウイルスの危機のため今年キャンセルされた3番目の主要なイベントだった。2月、スイスのスウォッチグループと日本のグランドセイコーは、どちらもバーゼルの元・出展企業であり、来週チューリッヒと東京でそれぞれ小売店と報道機関向けに予定していた特別なイベントをキャンセルしていた。
第一次世界大戦の最中に誕生し、第二次世界大戦(1939-1945)やSARSの流行(2003)などの主要な世界的な危機を毎年のように乗り越えてきたバーゼルワールドが成功することを誰しもが望んでいた。ブルガリやシチズンなどのブランドが2月にコロナウイルスの流行によってショーを撤退した後も、バーゼルワールドの経営陣は中止をためらっていた。彼らは公的機関と共に、密接に状況を監視しており展示会はまだ続いていると発表している。
最終的に延期を余儀なくしたのは公的機関の決定であった。
「展示会を2021年1月へと延期することで、業界とすべての顧客が1年間を失うことを回避できるのと同時に、年のはじめにカレンダーをリセットできるソリューションを見出しました。新製品の紹介、新トレンド、受注獲得が見込めるわけです」とロリス・メリコフ氏は述べている。
「この延期によって、バーゼルワールドは、新フォーマットやソリューション開発と導入、および提案してきた新しいコンセプトの改善を続けることができる」