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アイコニックという単語は時計について表現するのに使い古された単語だと思います。しばしばこういう使い古された言葉というのは、冒頭に次のエクスキューズから始まるものです。「使い古されたアイコニックという表現をあえて使うのは、それが本当にアイコニックな存在だからである」。手前味噌ですが、これは僕もよく使う表現です(失礼!)。手の内を明かしてしまったので、今回はそれはヤメにしましょう。
サントス ドゥ カルティエはそのデザインの完璧さ、工作精度の高さ、隙のなさでは超絶デキのいい時計なのです。アイコニックなんて言葉はもういいですよね? カルティエが2018年のSIHHでサントス コレクションを刷新するらしいと聞いたとき、内心そこまでの期待はありませんでした。サントスという時計は、確かにいい時計ですが、興奮は湧いてこない存在だったのです。
だけど、時代は日々変わるもの。SIHH初日の朝に新コレクションを見て、今回のサントスは今までとは違うことを悟りました。今や僕の欲しい時計リストの上位にランクインしていて、すぐにでもこの時計を着けたいという衝動すら覚えるほどの存在です。北米カルティエはそんな僕の熱意に応えてくれました。サンフランシスコのローンチイベントの前に、ニューヨークにいる僕に1週間貸し出してくれたのです(ありがとうございます)。
サントスが歩んだ100年
ご存知のとおり、サントスは世界初の腕時計として世に送り出されました。19世紀後半から20世紀初頭にかけて、人々は懐中時計を手首に縛りつけたり、懐中時計のムーブメントをストラップの付いたケースに収めたりしてやり過ごしてきたのですが、サントスは徹頭徹尾、腕時計として創り出された存在なのです。
1904年、ルイ・カルティエは友人であるブラジル人飛行家のアルベルト・サントス-デュモンのために操縦桿から手を離さずに時間を確認できる時計をオーダーメイドしました(サントス-デュモンは1906年に飛行機とはとても呼べないシロモノに乗って飛行した人物です)。ルイ・カルティエがやっとこさ完成させたのは、角型の前面にネジが露出した小型の金時計でした。それは現代のパイロットウォッチとは程遠い姿ですが、歴としたパイロットウォッチなのです(詳しくはHODINKEE Magazine Vol.1のジェイソン・ヒートンの書いたパイロットウォッチ全史をご覧ください)。
数年後の1911年頃、カルティエは「サントス」というペットネームを付けて角型デザインをリファインしたバージョンをパリの旗艦店に並べました。重要なのは、この時はまだ「タンク」が発明される5年前だという点です。サントスとタンクはどちらが先かという議論では、サントスに分があることは明らかでしょうね。なお、初期のサントスには小型の手巻きキャリバーがルクルト社より提供されていました。
その後数十年間にわたって、カルティエは数十ものバリエーションを展開しました。様式化された特徴は、スクエア型の文字盤にローマ数字、そしてベゼルにネジの頭です。ブレスレットやリューズガードはずっと後になって登場した特徴ですが、今やそれらなしでは考えられないほど定着しています。
そういえば、サントスのブレスレットは時計本体と同じくらい有名ですよね。今日のサントスのイメージは1978年に確立したといっても過言ではありません。このサントスはスティールとイエローゴールドのツートン仕様で、ポリッシュされたゴールドのベゼルと、ベゼルのゴールドのスクリューモチーフがスティールのブレスレットリンクを貫いています。
当時、サントスはカルティエの中でも手頃な価格帯の時計のひとつであり、ステレオタイプな80年代の幅広のピンストライプスーツ、パステルカラーのフーラードタイ、グッチのビットローファーのスタイルはサントスなしでは考えられなかったのです。
最近ではサントス100というコレクションが展開されています。2004年にルイ・カルティエが友人のために腕時計を創り出してから100周年を記念したこのモデルは、2000年代初頭の時計のトレンドを雄弁に語ります。大型のケース、男性的で自己主張の激しいデザイン。昔ながらのサントスのファンは、サントス100にやや押しの強い印象を持つでしょう。とはいえ、こちらも既に10年以上のロングセラーとなっていますね。
伝統と再生
ここまでお話してきたとおり、サントスにはしっかりとした歴史があって、デザインにも一貫性があります。そのような時計に対し、再構築と伝統、新鮮さを両立させることは実に困難なことです。ところが、カルティエはあっさりとバックネットを飛び超えるホームランを打って見せたのです。そう、ハンク・アーロンが真っ青になるような一発を。カルティエは過去に囚われず、新しい風を吹き込み、サントスに新鮮さを与えたのです。
現代の時計には、それに相応しいマーケティング戦略があります。 僕たちの狭い時計の世界では、ほとんどの時計が必ずしも「愛好家」に購入されていないことを忘れがちです。 ほとんどの時計は、手首にアクセサリーをと考える人に購入されています。 あるいは、ブランドイメージやライフスタイルを購入したい。彼らは他の何かっぽいものではなく、カルティエのサントスを身に着けてコミュニケーションを取りたいと考えているのです。
サンフランシスコで先例のないローンチイベントを開催したり、ジェイク・ギレンホールをブランドアンバサダーに就任させることで、サントスに固有のイメージを構築することは、良い製品をゼロから創り出すことと同じくらい重要なことなのです。
「カルティエはパラドックスの糸が張り巡らされたメゾンです」2018年4月初めのサンフランシスコのサントス ローンチパーティのスピーチでこう表現したのは、同社インターナショナル・マーケティング&コミュニケーションディレクターのアーノルド・カレズです。
「バランスというのはどこかで必ず均衡するもので、サントスにはまさにそれがあるのです。メゾンの伝統を用いながら現代性を模索する。このことを我々は追求しているのです。確かに我々にはアイコニックな代表作がありますが、現代的で時代遅れを感じさせないよう仕立て直さなければならないのです」
サントスのお披露目として、腕時計の新作発表というよりはTEDカンファレンスのような3日間のイベントをサンフランシスコで開催したことは大きな意味を持ちます。シャンパングラスとヒソヒソ話の代わりに、再利用された桟橋にジュースバーが設置され、俳優のイドリス・エルバ、シェフのアリス・ウォーターズ、デザイナーのエス・デブリンらをパネリストに、創造性と芸術に関するディスカッションが催されました。夜のお祭りには、ホットチップ、フェニックス、ジェイミーXXのコンサートが催されました。これは従来の高級時計の新作発表イベントとはまるで違うのです(僕はこれがスタンダードになることを望んでます)。
「どこに行っても同じようなイベントに、お客様は皆飽きていると思います」カレズ氏はこう指摘します。「だからこそ、ユニークでなければなりませんでした。カルティエには商品力、企画力があり、大胆さと失敗を怖れない気質はサンフランシスコの土地柄とマッチしています。僕はコミュニティ同士を結びつけるような、商品を超えたコンテンツを創ろうとチームに呼びかけました」カレズは新商品発表のマーケティングとブランドのポジショニングの役割を力説しながらこう続けました。「実際に行動に移すのは確かに難しいですが、とてもやりがいのあることです。サントスとは世界観であり、スピリットそのものなのです。我々がそれを利用しない手はありません。そのためには時計の典型的な新作発表の常識を打ち破る必要があり、この点について私は合格点を与えたいと思います。カルティエは限界を超えたいのです。惰性は我々が忌み嫌うものです」
新生サントス
新サントスはひとつの型ではなく、コレクション全体を指します。コレクションには12のモデルがあり、ラージサイズとミディアムサイズに分かれます。12モデル中2モデルはラージサイズのスケルトンモデルで、全くの別物として選択肢からは外しがちかもしれませんね。それでも、重要な特徴はすべてのモデルに共有されていることから、これだけの多様性を持ちつつも、ひとつのファミリーを形成することに成功しています。
僕が共に過ごすために選んだのは、ミディアムサイズのSSモデルです。サントスの最もピュアな部分を楽しめると思ったからです。
ケースと文字盤
新サントスをひと目見ると、すぐに以前とは違うことに気づくでしょう。ケースがスクエアなのはそのままに、曲線が多用されています。ミディアムサイズモデルは35.1mm x 41.9mmの大きさですが(ラージサイズモデルは39.8mm x 47.5mm)、ラウンドケースの時計に接することが多いと、スクエア型の寸法のサイズ感を把握するのは少し難しいですね。さまざまなサイズのラウンドケース時計を試したところ、主観的な見方ではありますが、ミディアムサイズはラウンド型の39mm、ラージサイズは42mmに換算できるかと思います。
この曲線美はラグの形状とリューズガード周りではっきりと現れます。新サントスのケースはエッジが立っていて、右側に至ってはうねるような波をスティールで表現しているかのようです。上部と側面のサテン仕上げはソフトな印象を際立たせる一方、エッジ部分のスリムな傾斜は全体を引き締めています。ケースの厚みは僅か8.83mmなのでとてもスリムで、ブレスレットとの一体感も好印象です(詳しくは後述)。
ただし、最も大きな変更点はベゼルです。形状は確かに正方形なのですが、ケースに嵌め込まれただけの四隅に丸みのあるそれではありません。上下が少し延び、ラグの間にまで傾斜しているのです。これはブレスレットやストラップとの一体感を効果的に高めています。僕にとっては、良い意味で見た目が全く変わって見えました。唯一の不満としては、ベゼルが徹底的にポリッシュされているため、傷が付きやすく、埃が付着しやすい点で、インスタ映えのためには悪夢のような点です(21世紀の時計にはこういうところにも気を使って欲しいところ)。
一方で、文字盤は徹底した古典的デザインです。シルバーの文字盤には派手なギヨシェ彫りは施されておらず、漆黒のローマンインデックスとレイルロードミニッツトラックのプリントの上をカルティエならではの青焼されたスティール針が旋回します。 ミディアムサイズモデルにはデイトウィンドウがありませんが(いいね!)、ラージサイズモデルには6時位置に小さく配置されています(まあ、いいじゃん)。
ムーブメント
ムーブメントは、カルティエがユーザーに注目しすぎて欲しくない部分です。そうかといって、彼らが手を抜いているというわけではありません。
ミディアム/ラージサイズとも、ムーブメントにはキャリバー1847MCが搭載されています。この自社製ムーブメントは直径25.6mm、23石、2万8800振動/時、42時間パワーリザーブという仕様。ローターにカルティエの刻印が施されただけの簡素な装飾の現代的な自動巻きムーブメントです(ケースバックからは見えないですけどね)。
このムーブメントにはニッケル・リン合金部品が組み込まれ、耐磁性能が高められているうえ、ムーブメント全体を常磁性合金で覆っています。カルティエはガウス単位での耐磁性能を公表していませんが、サントスは曰く「日常生活でさらされる強力な磁力にも耐え得る」そうで、僕にとってはこれで十分。そして、ご心配なく。1847MCにはノンデイトとデイトバージョンに分けられているため、ミディアムサイズモデルにおいてリューズを引いた時に、操作の効かないポジションが空転することもありません。
余談ですが、スケルトンバージョンではキャリバー1847MCではなく、9619MCを使用しています。この2つは全く異なるムーブメントで、後者はローマンインデックスを支えるためのブリッジ構造を採用したムーブメントです。
ブレスレット(とレザーストラップ)
僕の個人的な見解ですが、ブレスレットはサントスそのものと言っていいと思います。見た目だけでなく、構造も合理的なのです。サントスのブレスレットには強烈な魅力があって、それが何なのか説明が難しいのですが、僕はその虜になっています。
サントスのブレスレットはスティール無垢にぴったりのスクリューがねじ込まれています。ブレスレットのコマは角ばっていますが、シャープではなく、ケースのシルエットに呼応するかのように表面のサテン仕上げと側面の鏡面仕上げが施されています。
ケースからクラスプに至るまでブレスレット全体が緩やかにテーパードされていて、細くなり過ぎたり繊細になり過ぎることもありません。僕はスクリューの向きがランダムになっているところが好きですね。僕は典型的なA型(知ってたって?)ですが、こういうワビサビ的な要素を理解することもできるのです(スクリューの位置が常に同じ向きなのかに固執する気も起きないという利点もあります)。
サントスが僕のデスクに舞い降りたとき、腕周りに対してブレスレットが大きすぎました。でも、ご心配なく、サイズ調整のために街に繰り出す必要はありません。カルティエが特許出願中のスマートリンクシステムはユーザー自身がサイズ調整することを可能とするのです。リンクの裏側にあるボタンを押すとピンの頭が一部が飛び出すので、それを抜きリンクを外す手順です。ピンが飛び出てしまって、紛失してしまうことはありません(賢いじゃん、カルティエさん)。爪楊枝など身の回りにある、先端の柔らかいものがあれば、調整することができます。注意点は、鋭利だったり、硬い道具を使うとブレスレットに簡単に傷が付いてしまうことです。
ブレスレットを交換したい場合(僕的には何でそんなことするのという感じなのですが)、それもとても簡単です。スマートリンクとは別の特許出願中のクイックスイッチという機構は、ラグとラグの間のタブを押すと、エンドリンクが簡単にスライドして取り外せる仕組みです。この操作は指先で可能です。クイックスイッチ、スマートリンクは第一世代のApple Watchと一緒に登場したスティールブレスレットを思わせ、時計メーカーがそこから着想を得るというのは素晴らしいことだと思います。これは当たり前だと思われがちなポイントです。けれどバネ棒外しとは何かすら知らない顧客層には、手軽く着用できる点において大きな改善だといえるでしょう。
さらに素晴らしいのは、サントスを購入する際にストラップの色を選択できることです。サントスシリーズの大半はブレスレットが付属する仕様で(例外は金無垢モデル)、購入時にさまざまな素材から好みのレザーストラップを選択することができるのです。僕がこのシステムで感じる唯一の不満は、一般的なレザーストラップへの交換が一切できないことくらいです。つまり、バネ棒の類はなく、クイックスイッチの独自コネクタのみ取り付けが可能なのです。幸い、カルティエはさまざまな素材、色のストラップを取り揃えているので不満を感じることは少ないでしょうが、そうでなければこれは切実な問題となりそうです。
On The Wrist
サントスを腕に巻くと、思わず笑みが溢れてしまいます。計算され尽くした大胆な外観に、ある種のチャーミングさを感じさせられます。この時計は、さっき言ったかもしれませんが、説明の要らない時計なのです。この時計に多くの人が気づいたとしても、それは煌びやかな食器を見たときのような驚きではないはずです。サントスの外観は唯一無二のものであり、人はどこの時計か知りたがるでしょう。3m先から見ても好印象を持たれますが、そのこと自体、敬愛に値しますね。
2日程度でサントスが僕の腕に馴染んできました。サントスは僕のヴィンテージウォッチへの逆戻りを止め、安心感を覚えさせたのです。その時計が本当に良いかどうかの僕の基準は、レビューのために着用している間、時刻を見るために文字盤に目を落としても違和感を感じないことです。サントスは本当に腕馴染みの良い時計で、ブレスレットとケースは一日中着けていても重心のバランスに優れ心地良いことが分かりました。気づけば、レビュー期間中いつもこの時計を着けていました。
カルティエのストラップもまさにパーフェクト。実際、他メーカーと比べても優秀です。新機構のクイックスイッチシステムは付け替えを最も簡単にしてくれます。とはいっても僕にとって、サントスはブレスレットありきの時計です。新しいベゼルの形状のおかげで、よほど注意深く見ない限り、ブレスレットはケースと一体化しているように見え、僕もレビューの間そうだと錯覚するほどでした。正直言うと、ストラップに付け替えたのもレビューのためのデューデリジェンスのようなもので、それが済むとすぐにブレスレットに戻してしまいました。
クイックスイッチとクイックリンクシステムの最大の利点は、サントスを完璧にパートナーとシェアできる時計とした点です。サントスがジュネーブサロンで発表された時、妻から「新しいサントスを見た? どんな感じだった?」とメールが来ました。こんなことそうそうあることではありませんよ?
アパートメントにサントスを持ち込むと、さっそく妻の腕に占有されていまいました。首尾良く5分以内に彼女の腕のサイズに調整して、妻がディナーに出かける夜もあれば、僕がオフィスで使うために調整するのに我が家の犬の散歩ほど長くはかかりませんでした。
ミディアムサイズかラージサイズかの議論は、好みの問題に尽きます。自信を持って言えることは、ミディアムモデルにデイトウィンドウがないことは、デザイン面で有利に働いているということです。サントスのプロポーションもやはりミディアムサイズの方が映えますね。ラージサイズは最初からそのサイズありきで作られたというよりは、ミディアムサイズの膨張モデルといった印象が拭えません。ラージサイズがダメなわけでは全然ないのですが、僕ならどんなシーンでもミディアムサイズを選ぶでしょう。
ライバルたち
レザーストラップとステンレスブレスレットが2本付属するスティールケースモデルが66万円(MM)/72万5000円(LM;いずれも税抜)のサントスは僕的にコストパフォーマンスが抜群。80万円〜100万円の価格帯の時計は数多あれど、これほど高い水準の仕上げ、質の良さ、細部まで考え抜かれた時計は他になく、外観のカッコ良さといったら、もう言うまでもないですね。
それでも、70万円未満のステンレスウォッチには素晴らしい時計が多く、もしあなたがその価格帯で時計を探しているとしたら腐る程見つけられると言っていいでしょう。僕がその候補を挙げるとしたら、数日は優にかかりますが、サントスに競合しうる時計を3本厳選してみました。
ノモス グラスヒュッテ テトラ ネオマティック 39
さて、この時計にはサントスと共通する点が二つあります。それは、スクエアケースであることと自動巻きムーブメントを搭載していることです。それ以外については全く異質です。サントスはもう少し曲線的で、インダストリアル系のシックな雰囲気がありますが、ノモス テトラ ネオマティック39は直線的でシャープなエッジを持ち合わせています。しかし、典型的なスクエアウォッチのそれとは違います。ダイヤルのポップカラーの挿し色(12時位置の金色のneomatikはとりわけ)と段の付いたラグは、それがなければ極限まで簡素だっただろう時計にある種の深みを与えています。
44万円(税抜) nomos-glashuette.com
ロレックス オイスター パーペチュアル 39
この時計はサントスの最適な比較対象とはならないかもしれませんが、最後まで聞いてください。サントスが成功した秘訣は、ミッドサイズのケースに3針のみのシンプルなフェイスに、堅牢なブレスレットでもレザーストラップでも合わせられる取り回しの良さがどんなスタイルにも合わせられるという点にあると思うのです。ベーシックモデルのオイスターパーペチュアルにも同じことが言えると思います(こちらはスクエアケースではなくラウンドケースですが)。この時計はまさしくツールウォッチであり、必要でない機能は何もないのです。ダイヤルカラーは数種類選択できますが、僕がひと目惚れしたのはバーゼルワールドでひっそりと発表されたホワイトの文字盤です。明るさを控えめにしたソフトなホワイトを湛えたその文字盤は、まさに選ぶべき一本です。僕は36mm径派でもありますが、39mmがマーケットが求めるサイズであることも、まぁ理解できます。
54万5000円(税抜) rolex.com
カルティエ タンク アメリカン
僕の知るかぎり、サントスが対峙する最大のライバルは獅子身中にありです。ステンレスケースのタンクアメリカンは2017年の僕のお気に入りの時計の1つで(ベストではありませんが)、今でもすごくカッコいい時計だと思います。 カルティエのラウンドケース以外の時計をお探しなら、これとサントスが日常使いの有力候補です。タンクはより洗練されて控えめですが、サントスは大胆であることを少しも恐れやしません。どちらも自動巻きムーブメントを搭載していて、どちらもデイトウィンドウなし、両方とも徹頭徹尾、典型的なカルティエなのです。どちらを選んでもあなたは損することはないでしょう。
MMサイズ-54万円(税抜),LMサイズ -61万円 (税抜) cartier.com
まとめ
カルティエ サントスは親しみやすさと創意工夫のバランスが絶妙な、類稀なる時計です。少し眺めてる時間が長くなり過ぎるきらいがありますが、最初から満足できる時計です。1週間の最後の日まで繰り返し腕に巻くまで、僕は自分がサントス愛用者になるなんて思いもしませんでしたが、最後はその魅力に負け、今やカルティエの近年の名作に肩を並べるほどだと固く信じています。もちろん、万人受けするデザインではないのですが、それもまた魅力のひとつなのです。
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完成されたとされるデザインに新たな息吹を与えることは、困難を伴うものです。しかし、カルティエ・サントスに至っては新たな金字塔を打ち立てました。目立たないけれど着実に改善を積み重ね、クラシック然とした佇まいを保ちながら、それを一見たやすく成し遂げたのです。
カルティエ サントスは現在、世界範囲で入手可能になっています。ミディアムサイズのSSモデルは66万円(税抜)、交換可能なブレスレットとレザーストラップが1本ずつ付属。ラージサイズのYGモデルは361万2000円(税抜)、並びにミディアムサイズツートンモデルは 97万2000円(税抜)です。
詳細についてはカルティエ公式サイトへ