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パテック フィリップであることは容易なことではない。多くの時計メーカーは、時計ピラミッドの頂点にいる家族経営のブランドとポジションを交換したいと考えているが、頂点に立つためには絶え間ない精査が必要だ。
ティエリー・スターンの下で、パテックは人々に彼らが望むものを与える傾向がある。 クラシックなデザイン、コンプリケーション、そしてノーチラスやアクアノートといったステンレススティール製のスポーツウォッチ(おそらくそれらだけでは不十分だ)。 パテックが予期しないことをしたとき、その動きは人々を震撼させることがある。2015年にカラトラバ・パイロット・トラベルタイム5524Gが登場したときのインターネット上での騒ぎを覚えているだろうか?
その3年後にパテック フィリップは、1999年にリリースされた比較的手頃な価格(パテック フィリップにとって)で、人気のあるクォーツウォッチTwenty~4コレクションに自動巻きモデルを追加。初代のマンシェットタイプのTwenty~4は、袖口を彩る天才的なモデルだった。これにより同社は、顧客基盤を拡大し、以前よりもはるかに多くの女性の手首に進出することができたわけだ。また、大量生産と販売が可能なクォーツを採用したこともポイントだ。
スタイリッシュでスポーティ、ダイヤモンドセッティングのスチール製Twenty~4は、夏にコネチカット州のカントリークラブのプールで、あるいはマンハッタンのアッパーイーストサイドでフレスコ料理を楽しむ姿を想像したときに、私の頭の中に浮かんでくる。それは瞬時に思い起こさせるものであり、それがオリジナルのTwenty~4だ。しかし、複雑なパテックのカレンダークロノグラフと比較すると、それは高級時計というよりは、時間を伝えるための装飾品に過ぎない。
ダイヤモンドを使用しているにも関わらず、パテック フィリップのまだ新進気鋭の自動巻きムーブメントを搭載したTwenty~4は、従来のフェミニンなパッケージではなかった。それは、装飾的な形状を大胆なラウンドケースで補っていた。ジェンダーの観点から見ても、これは進歩的な動きである。忘れてはならないのは、スイスでは1971年に女性にフランチャイズを与えたことだ。スイスで女性に参政権が承認されたのは1971年のことなのだ。
新作のTwenty~4は、期待を裏切った。3年前からのTwenty~4オートマチックのコレクションを強化する新作が2本登場した。また、オリジナルの装飾用カフ(マンシェットスタイル)のデザインを引き継ぐ新しいクォーツリファレンスもある。 これは、ベースを充実させながらも、ほんの少しだけ限界を押しあげるというパテックのやり方に沿った動きだ。
Twenty~4オートマティックは、ダイヤモンドを纏ったベゼルとサテン仕上げの文字盤が見られる。段差のついたブレスレットは、オリジナルのマンシェットクオーツを思い起こす。しかし、自動巻きのRef.7300/1200R-011と7300/1200A-011をよく見ると、現代的なスポーツウォッチの要素を見ることができる ― 時分針の形状はジェンタデザインを彷彿とさせる。
そこから、夜光のたっぷりと載ったアワーマーカーで、30~40年代のヴィンテージパイロットウォッチの世界へと誘ってくれる。女性のためにデザインされた時計がどのように見えるかという期待に挑戦するデザイン要素の合体だ。そして、このブランドは、まさにカルビニストのような気品あるブランドなのだ。
もちろん、女性のために作られた時計、男性のために作られた時計という概念は、時代と共に解消されてきている。最近では、人々は自分の好きなものを身に着けるようになった。パテックのようなブランドが、女性のために作られてきたコレクションの中で、伝統的にメンズ用に作られてきた時計を参考にしたデザイン要素をもつ時計を作っているのは興味深い。
我々は、この春に予定されているデジタル開催のウォッチズ&ワンダーズのプレゼンテーションでパテックが他に何を備えているかを楽しみにしている。
Twenty~4 オートマティック Ref. 7300/1200A-011 ステンレススティール製。36mm x 10.05mmケース。160個のトップウェッセルトン・ピュア・ダイヤモンド(約0.77ct)がレースワーク手法によって手作業で埋め込まれている。自動巻きムーブメント、Cal.324SCは4Hzで駆動、パワーリザーブは35から45時間。時、分、秒針と日付。30m防水。オリーブグリーンのソレイユダイヤル、夜光つきのアラビア数字インデックス。手作業で磨かれたブレスレットはフォールディングバックル付き。291万円(税抜)
Twenty~4 オートマティック Ref. 7300/1200R-011 ローズゴールド製。36mm x 10.05mmケース。 60個のトップウェッセルトン・ピュア・ダイヤモンド(約0.77ct)がレースワーク手法によって手作業で埋め込まれている。自動巻きムーブメント、Cal.324SCは4Hzで駆動、パワーリザーブは35から45時間。時、分、秒針と日付。30m防水。ローズギルトのソレイユダイヤル、夜光つきのアラビア数字インデックス。手作業で磨かれたブレスレットはフォールディングバックル付き。507万円(税抜)。
Twenty-4 クォーツモデル Ref. 4910/1201R-001 ローズゴールド製、チョコレートブラウン・ソレイユダイヤル。30mm x 25.1mm x 6.8mmケース。34個のダイヤモンドをセッティング(約0.57ct)。クォーツムーブメントE15。ローズゴールドのフォールディングクラスプ付きブレスレット。470万円(税抜)。
詳細は、パテック フィリップ公式サイトへ。