ADVERTISEMENT
クイック解説
何年も前、私がユリス・ナルダンと出会ったのは、マリーンクロノメーターとポケットウォッチを通じてであった。モナコの毎年恒例のF1レースに次いで有名なイベントであるモナコヨットショーという機会に、ユリス・ナルダンはクロノメーター規格を持つ腕時計の限定シリーズを発売することで、腕時計の歴史において魅力的な次元に踏み込んだのだ。
上の画像から分かるように、新しいマリーントルピユール モナコヨットショーは、同社の既存モデルのパターンとマリーンコレクションの文字盤レイアウトを忠実に保っている。結局のところこの限定版は、新たな何かを採用しているわけではない。以前のマリーントルピユールモデルを知っている人は、過去の時計との類似点を間違いなく認識するだろう。
この最新モデルはグラン・フーエナメル文字盤、コントラストをなすグレーのサブダイヤル(パワーリザーブとサブセコンド)、および「09.19」と「モナコヨットショー」の赤い文字が特徴だ。私は文字盤上に文字列が入ることを好まないが、一方でこのようなイベントにまつわるステータス性が加わって喜ぶ人も間違いなくいるだろう。
この時計に動力を与えるムーブメントは、60時間パワーリザーブとシリコンエスケープを備えた自動巻きキャリバー、UN-118マニュファクチュールだ。ねじ込み式リューズにはユリス・ナルダンのロゴが刻印され、カレンダーには25、26、27、28が赤色で表示される(ショーの日付である)。細長い青色のローマ数字と梨の形をした優雅なスティール針は上品で、一見して明らかにユリス・ナルダンである。
ファースト・インプレッション
ユリス・ナルダンが所有する文字盤メーカー、ドンツェ・カドランは、この新作にも見られる美しい文字盤の製作を担当している。すべての作業は手作業で行われ、本機のような光沢ある白い質感を生み出すため、すさまじい温度の加熱に耐えられず文字盤が割れてしまうことも実際よくある―いわば炎の試練である。
銅のベースにエナメルパウダーが塗られ、約800°Cの温度で焼成される。第2のステップは、エナメルパウダーでできた染料を使い、文字盤上にインデックスと銘を付けること。文字盤は、このエナメルの新しい層を溶融し、文字盤の表面を均一にするために、再び焼成される。
均整の取れた、満足感のある42mmサイズで、全体的にハンサムな時計だ。価格は110万円で、ヨットの60mベネッティの値段に比べれば、はした金かもしれない。
UN-118完全自社製ムーブメント。
基本情報
ブランド:ユリス・ナルダン(Ulysse Nardin)
モデル名:マリーントルピユール(Marine Torpilleur)
型番:1183-310LE/E0-MON
直径:42mm
ケース素材:スティール
文字盤色:白とグレイ、グラン・フー エナメル
インデックス:ローマ数字
夜光:なし
防水性能:50m
ストラップ/ブレスレット:ブルーアリゲーターストラップ
ムーブメント情報
キャリバー:完全自社製キャリバーUN-118
機構:時間、日付
パワーリザーブ:60時間
巻き上げ方式:自動巻き
クロノメーター認定:あり
価格・発売時期
価格:110万円(税抜)
販売時期:発売中
限定:100本
詳細についてはユリス・ナルダン公式サイトへ