今年はオリンピックに夢中だ。先日、オメガが男子100m決勝のフォトフィニッシュをどのように撮影したかについての記事を公開した。それはオリンピック史に残る大事件のひとつであり、史上最高の接戦だった。しかし私は水泳や陸上競技、タヒチでのサーフィンやフェンシングまで、時間の許す限りあらゆるスポーツを熱心に観戦してきた。今はそういう時期なのだ。しかしもちろん、そこに映されている時計を見ないわけにはいかない。
男子100m決勝のフォトフィニッシュ。ライルズとトンプソンはまったく同じゴールタイムを記録したが、オメガのフォトフィニッシュ カメラはスプリンターたちを見分け、ライルズが金メダルを獲得したことを示した。赤いラインは審判員がゴール順を判断するために引かれたものだ。Courtesy of Omega.
あまたいるブランドアンバサダーという存在のなかでも、私が最も応援したいと思うのがオリンピックのアスリートたちだ。確かにそこにはメガスター的な選手もいるが、なかにはトレーニングを続けるためやキャリアのなかで最高の舞台に立つための資金を集めたいと考えている選手もいる。オリンピックが開催されるたびに、ますます多くの時計ブランドが世界で最も才能あるアスリートをスポンサーに指名するようになっているようだが、パリ2024も例外ではない。私にとってさらに驚きだったのは、競技中に時計を着用しているアスリートの数が増えつつあることだ。
ノア・ライルズとオメガ スピードマスター “ダーク サイド オブ ザ ムーン” アポロ8号。
これはまさしくオメガのためのオリンピックだ。オリンピックのスポンサーになりたいと思っていても、それに必要なチャンスが巡ってこなかったら運が悪かったと思うしかない。しかしオメガにとってそれは問題にならない。世界記録やフォトフィニッシュはアスリートなしには不可能なものだが、それが公式になるためにはオメガの計時能力が不可欠だ。フォトフィニッシュといえば、あの男子100m決勝はいかがだっただろうか。そこにあったのは、9.784秒間の純粋な興奮だった。
私は時計をつけているすべてのアスリートを(これまでも、これからも)注意深く目で追うようにしており、あらゆるセレブリティのウォッチスポッティングの機会も可能な限り見逃さないようにしてきた。しかし、まだ紹介しきれていない時計もたくさんある。ほとんどのアスリートはまだ競技中に時計を身につけていないため(たとえば今週、フレミングのタンタル製プロトタイプをつけていたキャスパー・ルードのように)、多くの素晴らしい時計の存在が見過ごされてしまっているように思う。まあまずは100m決勝のゴールドメダリスト、米国のノア・ライルズ(Noah Lyles)の手首から見ていこう。
男子100m決勝を前に気持ちを引き締めるノア・ライルズ。
オリンピックの3日目、アメリカ陸上チームの記者会見に臨むアメリカのノア・ライルズ。
オリンピック開幕から9日目、男子100m決勝でリアクションをとる米国チームのフレッド・カーリー。
100m走準決勝でのアカニ・シンビネ。決勝では4位だった。
オリンピック7日目に行われた女子100m予選第6組でのレース中に、観客に向けてリアクションを見せたジャマイカ代表のシェリー=アン・フレーザー=プライス。
オリンピック7日目に、ウクライナ代表のヤロスラワ・マフチクが女子走高跳の予選に出場した。
この新しい時計については先日取り上げたので、詳しくはそちらをご覧いただきたい。Photo courtesy Omega.
フィールドの外でちょっとひと息
さて、陸上競技の話題を少しカバーしたところでひと息ついて、ここからは引退したアスリートや競技場外にいるアスリートが着用していた時計、そしてオリンピックで注目されたセレブリティのウォッチスポッティングについて取り上げたいと思う。もしオリンピック選手の時計だけに興味があるなら、心配はいらない。このあとすぐにもっと紹介するのでお楽しみに。
2024年7月14日、パリで聖火を運ぶフランス人サッカー選手ティエリ・アンリ。
2024年7月25日、パリで開催されたPrelude to the Olympicsに出席したレブロン・ジェームズ。
フォンダシオン ルイ・ヴィトンにて開催されたPrelude to the Olympicsに出席するジェイソン・テイタム。
ちなみにステフは、開会式でブルーのダイヤルにベゼル、ストラップを備えたカルティエ サントス(Ref.CRWSSA0048)を着用している姿も目撃されている。
オリンピック4日目、体操女子団体決勝でアメリカチームの金メダルを祝うマイケル・フェルプス(右、イヤーマフをしていないほうだ)。
オリンピックゲーム6日目、体操女子総合決勝を観戦するタイリース・ハリバートン。
オリンピック9日目、男子フェンシング団体準決勝のイタリアチーム対アメリカチーム戦で、アメリカチームのマイルズ・チャムリー=ワトソン(Miles Chamley-Watson)と抱き合うルイス・ハミルトン。ハミルトンは文字どおり“夏休み”を取ってF1から離れていたため、スポンサーの時計は身につけていなかったようだ。
柔道で金メダルを獲得したテディ・リネール(Teddy Riner 、フランス)を祝福するトニー・パーカー。
オリンピックに戻ろう(そしてメダルの授与式も)
オリンピック9日目、フェンシング男子フェンシング団体銅メダル決定戦でフランスチームのマクシミリアン・シャスタネ(Maximilien Chastanet、右)と対戦するアメリカチームのマイルズ・チャムリー=ワトソン(左)。
男子個人ストロークプレー4日目、12番グリーンでキャディのイアン・フィニス(Ian Finnis)にガッツポーズをするイギリスチームのトミー・フリートウッド(オリンピック9日目)。
オリンピック3日目、チャンピオンズ・パークにて自転車競技マウンテンバイクの金メダリスト、ポーリーヌ・フェラン=プレヴォ(フランスチーム)がスピーチ。
オリンピック8日目に行われた男子ダブルス銅メダル決定戦で、アメリカのテイラー・フリッツ(Taylor Fritz)とトミー・ポールが、チェコのトマーシュ・マハーチ(Tomas Machac)とアダム・パブラセク(Adam Pavlasek)と対戦した。
テニス男子ダブルスのメダル授与式後、記念撮影に応じる金メダリストのマシュー・エブデン(右)とジョン・ピアーズ(John Peers、オーストラリアチーム)。
男子200m個人メドレー決勝後のメダル授与式で表彰台に立つ金メダリストのレオン・マルシャン(フランスチーム)。
オリンピック7日目、テニス混合ダブルス決勝で金メダルを獲得したトーマス・マチャックとカテリーナ・シニアコバ(Katerina Siniakova、チェコ共和国)。
テニス混合ダブルスのメダル授与式で表彰台に立つ銅メダリストのガブリエラ・ダブロウスキー(Gabriela Dabrowski)とフェリックス・オジェ アリアシム(カナダチーム)。
テニス女子シングルスの金メダリスト、ジェン・チンウェン(中国)が表彰台でメダル授与式に臨んだ。彼女が着用している時計については推測の域を出ないが、これは彼女が2023年にも着用していた時計である。
クレー・キングはローラン・ギャロスでの最後の単独出場では(今のところ)期待したほどの結果を残せなかったが、彼はそこでクレイジーな腕時計を身につけていた。
オリンピック9日目、テニス男子シングルス金メダルの試合後、表彰台でポーズをとる銀メダリストのカルロス・アルカラス(スペインチーム)。
オリンピック9日目、サーフィンの男子金メダル決定戦で波から上がる際にアピールする金メダリストのカウリ・ヴァースト(フランスチーム)。彼の腕時計を特定するためにほかの写真と照らし合わせなければならなかったが、これは共有せずにいられないあまりにいい画像だった。
私が個人的に好きなオリンピック選手のひとりであるジョアン・ドフェは、タヒチのチョープーで開催された開会式で国旗を持った。最終的にドフェは銅メダルを獲得した。
オリンピック9日目、男子シングルス決勝のあとで優勝したノバク・ジョコビッチ(セルビア)が金メダルを手にし、祝勝セレモニーを行った。
All photos: Getty Images