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私は今パリに滞在し、オメガがオリンピックの計時と計測において重要な役割を果たす様子を見ている。あるイベント会場で座っていたとき、ふと目をやると近くに、昨日ひっそりと発表された新シーマスター アクアテラ 150M ウルトラライト(ふたつあるプロトタイプのうちのひとつ)を腕に巻いたオメガの従業員を見かけた。その社員にほかに新しい製品があるか尋ねたところ、笑いで返された。どうやらその笑みはオリンピックのもうひとつのサプライズ発表を示唆していたようだ。ギアパトロール(Gear Patrol)が最初に気づいたのだが、オメガのアンバサダーであるダニエル・クレイグ(Daniel Craig)氏がまたしても未発表の時計をつけていたようだ。今回はノンデイトのブラックシーマスター 300Mである可能性が高い。
オメガがパリオリンピックの“オメガハウス(特別なイベントスペース)”でのクレイグ氏の写真を送ってきたときに、もっと注意深く見なかったのは完全に私の責任だ。私はこれらのセレブリティのプレスリリースをあまり気にしない傾向がある。加えて、彼が再び(未発表の)時計をちらつかせる可能性がどれほどあっただろうか? CIAの資金でテロリストのヘッジファンド・マネージャーにポーカーで勝つくらいの確率だ。低いが、ゼロではない。それでは、以下がその詳細である。
最初に時計を見たとき、60周年記念のシーマスター 300Mと同じメッシュブレスレットが付いていることに気づいた。しかし、ベゼルには“60”と表示されている代わりに、ダイビング用のピップがある。針とインデックスはホワイトだが、ロリポップ秒針ではなく、シーマスター 300Mの伝統的な針が付いているようだ。そして、その時計は明らかにブラックに見える。おまけにバッジを見てみると、ジェームズ・ボンド映画からそのまま盗用したような顔写真が使われていた。
ギアパトロールは、異なる風防やセラミックベゼルの可能性について指摘しており、私もそれに同意する。またこれはいくつかの“ユニットウォッチ”の流れを踏襲しているという指摘も正しいだろう。これらの時計は、アメリカのシークレットサービスからデンマークのフロッグマン中隊(海軍特殊部隊)に至るまで、あらゆる部隊員のためにつくられている。そしてデンマークの元特殊部隊員であるフレデリック10世は、戴冠式の日にもそれを着用していた。
私たちの友人である“ウォッチズ オブ エスピオナージ(Watches of Espionage)”はこれらの時計を追跡調査しているが、特に目を引く“ユニットウォッチ”のひとつは、パリオリンピックを守るフランスの特殊警察部隊向けにつくられたものだろう。この時計がそのユニットウォッチのひとつという可能性はある(私はその可能性は低いとみているが)。ユニットウォッチはよりクリーミーな夜光、完全なマットダイヤル、およびマットセラミックベゼルを特徴としている。多くの人が長いあいだ待ち望んでいる、ロレックス サブマリーナー ノンデイトに対するオメガの解釈であることを期待したい。
Photos courtesy Omega.