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本日、ジュネーブで行われた記者会見において、インディペンデントブランドであるミン、フレミング、そしてJ.N.シャピロが新たなブランド提携として“オルタナティブ・オロロジカル・アライアンス(Alternative Horological Alliance)”を発足したと発表した。この連合の目的は従来のウォッチメイキングの枠を超えた3ブランドが、それぞれの経験、情熱、知識を結集し、その道をさらに進むとともに、その過程でほかのブランドを育成することである。
これはスウォッチやリシュモンのような“グループ”ではなく、独立時計師アカデミー(Académie Horlogère Des Créateurs Indépendants 、AHCI)に近いものだ。この3ブランドは、企業のコングロマリットや利益分配を発表しているわけではない。その代わりにAHA(オルタナティブ・オロロジカル・アライアンス)を活用して必要に応じて資源を共有し、従来の時計製造のサプライチェーンの一部を再考することで何ができるかを示していく。
デザインやスタイルに共通点の少ない3つのブランドが提携するのは意外に思えるかもしれない。しかしこの3つのブランドは、合計でも20年に満たない歴史のなかで、技術的な制約や(場合によっては創造性や実験的なアプローチにおける限界を持つ)一部の時計製造サプライヤーの課題を、その時計製造分野以外のサプライヤーに依頼することで克服できるとそれぞれ証明してきた。
たとえば、ミンの記録破りの超軽量モデルLW.01は、従来のサプライヤーではほぼ実現不可能と考えられていたが、ミンがケースの構造に新しいアプローチを取ることで実現した。またJ.N.シャピロは、1969年以来初となる真の“アメリカ製”ウォッチを製作したが、そのために、何十年もヒゲゼンマイを製造していなかった非時計サプライヤーから最低でも5.3マイル(約8.5km)ものワイヤーを注文してヒゲゼンマイを調達する必要があった。各社はこのような独創性を結集して、次のレベルへと進むことを目指している。
「私たちがAHAを結成したのは、単にともに仕事をするのが楽しいという理由だけでなく、集団の力を何倍にも高めるためでもあります。資源を共有することで、各ブランドがそれぞれの制約を超えた成果を達成できるのです。たとえば、J.N.シャピロにケースをつくってもらったり、ミンが将来、フレミングのアジアでのサービス受付拠点として役割を果たすことも考えられます。私たちはオープンな協力体制を取りたいと考えています。たとえばGeneva Watch Daysで共同展示を行えば、ブランド単独で出展するよりもコレクターにとって実際に訪れる価値が高まるのです」と、オロロジャー ミンの創設者であるミン・テイン(Ming Thein)氏は語った。
この新協会はメンバーを募集しているわけではないが、同じような理念を共有するブランドには門戸を開く意向があり、その際には全会一致の投票が必要となる。一方で3つのブランドは、少なくともひとつの共同プロジェクトを発表している。それはミンがデザインし、J.N.シャピロが製作した新しい“ユニバーサル”のタンタルブレスレットだ。これは21mmと20mmのカーブタイプ、そして20mmのストレートタイプが用意されている。これにより複数のブレスレットを用意することなく、エンドリンクを交換するだけで3社の時計すべてに適合するようになっている。
「タンタル製ブレスレットをゼロから開発し、4カ月以内に試作までこぎつけたことは、AHA傘下で私たちがどれだけのことを成し遂げられたかを示すものです。このデザインはもともとミンが考案しましたが、私たち(シャピロ)の好奇心と加工技術によって実現しました。このブレスレットはその形状やリンクの数が理由で、より一般的でシンプルなブレスレットに比べ、タンタルを使って製作するのがはるかに難しいのです。個別のブランドでこれを行うのはきわめて困難で、経済的にも成り立たなかったでしょう。ただ今後私たちのクライアントは、さまざまな時計に簡単に適応できる希少なタンタル製ブレスレットの恩恵を受けられるのです」と、J.N.シャピロの創設者ジョシュ・シャピロ(Josh Shapiro)氏は語った。
最後に、フレミングウォッチのトーマス・フレミング(Thomas Fleming)氏は「AHAは排他的なクラブというよりも小規模なインディペンデントブランドがそれぞれの目標を支援し合い、協力して新しいものを市場に提供するためのフォーラムです。単独では実現できなかったかもしれないことを、ともに達成することを目指しています」と述べた。
詳しくはwww.aha.watch をご覧ください。