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世界屈指のラグジュアリーグループであるLVMHは、2020年7月1日付でフレデリック・アルノー氏がタグ・ホイヤーのCEOに就任することを発表しました。アルノー氏は、約3年間同社に在籍し、直近では戦略とデジタルを担当。特にブランドの優先事項であるコネクテッド・ウォッチに重点を置いてきたことは明らかです。
もしアルノーという名前に聞き覚えがあるとすれば、それはフレデリック氏の父ベルナール・アルノー氏がLVMHグループの会長兼CEOであり、フレデリック氏の兄弟も同グループの要職に就いているからです(アレクサンドル氏はリモワ、アントワーヌ氏は、ベルルッティのCEOでロロ・ピアーナの会長)。しかし、アルノー氏のこの新たな役職への就任は必然的なものであったとは思わないでいただきたい。彼はFacebookとコンサルティング会社マッキンゼーの両方で経験を積んだベテランであり、ブランドの現CEOであるステファン・ビアンキ氏と緊密に協力して、ブランドの新たな、より前向きな戦略を打ち立ててきました。
タグ・ホイヤー最新のコネクテッド・ウォッチの発表会でのフレデリック・アルノー氏。写真:LVMH
アルノー氏の昇格と共に、もう一つの動きがあります。ビアンキ氏は、タグ・ホイヤーCEOでありLVMHの時計部門責任者から、LVMHウォッチ&ジュエリーの責任者へと昇格しました。つまり、タグ・ホイヤーの日常業務を指揮することはなくなりましたが、ジュエリーブランドのショーメやフレッドのほか、タグ・ホイヤー、ウブロ、ゼニスなどを統括する責任者となるのです。ブルガリは引き続き、独自の体制で運営され、CEOのジャン-クリストフ・ババン氏がLVMHグループのマネージングディレクターであるアントニオ・ベッローニ氏にレポートする形となります。これは全て2020年7月1日から有効となります。
アルノー氏がタグ・ホイヤーで何をするかは、非常に興味深いものになるでしょう。伝統的に保守的な時計業界では、このような若い役員を擁することは異例のことであり、彼は伝統を破り、新たなことに挑戦することを恐れない姿勢を示しています。