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Interview ゼニスのパイロットウォッチコレクションとブランドの次の一手とは

過去を尊重し、未来を見据えるゼニスのウォッチメイキングについて、プロダクト開発ディレクターのロマン・マリエッタ氏にインタビュー。

ゼニスは、その長い歴史のなかで航空業界と深い関わりを持ってきました。アビエーションの可能性にいち早く目を向けたゼニスは、1888年にフランス語で「Pilote」、さらに1904年には英語で「Pilot」を商標登録するという先進的な動きを見せます。その象徴であるパイロットウォッチコレクションは、長年にわたりクラシカルなデザインと高い精度で愛され続けてきましたが、2023年に大幅なリニューアルが行われました。この刷新は、ブランドの伝統に根ざしながらも、現代的な感性を取り入れた革新的なモデルを生み出し、新しいユーザー層にも訴求するものとなっています。

スターリングシルバーのケースを備えたゼニス パイロット タイプ20 シルバー クロノグラフ

 この新しいパイロットコレクションについて、ゼニスのプロダクト開発ディレクターであるロマン・マリエッタ(Romain Marietta)氏にインタビューを行い、コレクションの背景、デザインの方向性、日本市場向けの戦略、そして今後の展望について話を伺いました。

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過去からの脱却と未来への挑戦

 マリエッタ氏は、「過去10年にわたり、ゼニスのパイロットウォッチはヴィンテージ調のデザインで高い人気を得ていました。しかし、ブランドの成長をさらに促進するためには、現代的で洗練されたスタイルへの変革が必要だと考えました」と語ります。この変革の背景には、現代の多様化する顧客層に対応したいという強い意志があり、他のコレクションとのデザイン上の一貫性を確保する狙いもありました。

 新しいパイロットコレクションのデザインは、ゼニスの主要コレクションであるクロノマスターやデファイとの統一感を追求し、ブランド全体のアイデンティティを強化しています。「伝統を尊重しつつも、時代に即したデザインを採用することで、ゼニスの進化を象徴する新たなコレクションが誕生しました」とマリエッタ氏は語ります。

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コラボレーションプラットフォームとしてのパイロットコレクション

ZENITH x PORTER パイロット オートマティック ポーター エディション

 パイロットコレクションのリニューアル後、最初のコラボレーションモデルとして誕生したのが、日本を代表するバッグブランドであるポーターとのタッグによる2モデルです。シンプルな3針とスポーティなクロノグラフがラインナップされており、どちらもカーキグリーンセラミック製ケースと波型のカーキグリーン文字盤が採用されています。

 このプロジェクトについてマリエッタ氏は「日本国内で非常に高い人気を誇るポーターと共同で新しいモデルを作り上げることができたのは、とても意義のあることでした。ポーターの持つ職人精神とゼニスのクラフトマンシップは共鳴し合い、双方の美学を融合させたユニークなモデルを作り上げることができました」と語ります。

ZENITH x PORTER パイロット ビッグデイト フライバック ポーター エディション

 コラボレーションモデルは、ロゴの配置やサイズ、素材選定に至るまで細部にまでこだわり抜かれ、時計とバッグ、両分野のプロフェッショナルたちの緻密な共同作業の賜物です。コラボレーションモデルは、ロゴの位置やサイズ、素材の選定に至るまで、両社の職人たちの手によって細部まで緻密にデザインされています。特に、ゼニスとポーターの職人同士が一丸となり、異なる分野の美学を融合させるプロジェクトとして、時計業界とファッション業界の双方に大きな注目を集めています。さらに、日本国内外でポーターの人気が高まり続けていることも、このコラボレーションの成功の要因となっています。

 パイロットコレクションの刷新は、ゼニスにとって大きなチャレンジであり、ブランドの未来を示す重要な一歩です。マリエッタ氏は「ブランドのアイデンティティに基づきながらも、時代に合った新しい挑戦を続けることで、ゼニスのさらなる成長を目指しています」と力強く述べました。ポーターとのコラボレーションを皮切りに、さらに広がる可能性を秘めたパイロットコレクションが、今後どのように進化し、世界中の時計ファンに受け入れられるのか、期待が高まります。


クラシックと革新のバランス、次の一手

ヴィンテージのゼニス クロノマスター、ロマン氏のコレクションのひとつ。

 ゼニスの現在のカタログを見てみるとクロノマスターであってもデファイコレクションであっても、現代的なデザインのモデルだけでなくクラシックなデザインが取り入れられたリバイバルモデルも展開されています。新しいパイロットコレクションは、ヴィンテージスタイルから脱却し、モダンで洗練されたデザインへと移行しましたが、一部の市場、特に中国などでは旧デザインへの根強い人気が見られ、ヴィンテージスタイルの復活を望む声が多いことも明らかになっています。ロマン氏は「パイロットモデルは現行のモダンなデザインが定着した後、ヴィンテージスタイルを基調としたリバイバルモデルを展開する予定です」と述べています。また、彼は「リバイバルモデルは単なる過去の再現ではなく、コレクションのストーリーテリングを補完するための重要な要素であり、ゼニスのDNAに深く根ざした取り組みです」と、その意義を強調しました。

 今回のインタビューでは、ブランドの未来を切り拓く新たなプロジェクトの一端を垣間見ることができました。詳細はまだ公開できませんが、ゼニスがその歴史と伝統をさらに高める重要な取り組みが進行中であることは確かです。ロマン氏はインタビューの最後に「ゼニスのDNAに根ざした新しい挑戦が、ブランドを次のステージへと導くでしょう」と締めくくりました。

詳細はゼニス公式サイトへ。

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