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我々が知っていること
ここ十数年、カルティエは注目を集めるスケルトンウォッチのリリースを恒例としている。それは2009年のサントス 100に始まり、今年に関しては、カルティエは3種類のメタルケースを使用したサントス デュモン スケルトン ウォッチを発表した。
スケルトン仕様のサントス デュモンの3モデルは、カルティエの新型ムーブメントであるCal.9629 MCを搭載している。212点の部品からなるマイクロローター式ムーブメントは、カルティエがラ・ショード・フォンの自社工場で2年かけて開発したとされる。
Antoine Pividori © Cartier
新しいサントス デュモン スケルトン ウォッチの目玉は、150本限定のYGモデルだ。ケースとベゼルには2022年のサントス デュモン限定モデルのようにブルーラッカー装飾が施されている。このほか、カルティエはPGとSS製のサントス デュモンも発表している。
ムーブメントはともかく、スケルトン仕様のサントス デュモンはお馴染みの存在だ:ケースサイズは31mm、厚さ8mm(カルティエ用語では“ラージ”)、ベゼルにはネジが露出し、各モデルにはカルティエの定番であるブルーカボション付きのリューズとブルースティール針が使用されている。
ラッカーでドレスアップしたYGケース、シリアルナンバー入り150本限定のサントス デュモン。Maud Rémy Lonvis © Cartier
カルティエのCal.9629 MCは、美しい仕上げが施された自動巻きムーブメントである。最も目立つのは8時位置のマイクロローターで、飛行家アルベルト・サントス=デュモン自身がデザインした軽量飛行機“ラ ドゥモワゼル(La Demoiselle)”を象っている(彼はルイ・カルティエと昵懇の仲であったため、カルティエは彼のためにサントス デュモン ウォッチをデザインした)。 小さなロマンを逃すまいと、この小さな飛行機は地球を飛び越えるのだ。
我々の考え
サントス デュモン SSモデルの拡大画像。Antoine Pividori © Cartier
2009年以来、カルティエはムーブメントのスケルトン仕様をゼロから設計しており、それが今回のリリースに結実した。カルティエがサントス デュモンを2019年に素敵なエントリーレベルのクォーツウォッチとして再登場させただけであることを思い出して欲しい。
それから4年後、私たちはスケルトン化されたマイクロローターのサントス デュモンを目にすることになる。私たちは皆、長い道のりを歩んできたわけだ。ラッカー装飾が施されたYGモデルは、その限定数から昨年のトリオのようにインターネット上の時計コミュニティを炎上させることはないだろうが、ブルーとゴールドの組み合わせは実に相性がいい(私はNBAインディアナ・ペイサーズの黄色と青のキットを着てニックスを苦しめるレジー・ミラーを見て育ったが、我がゴールデンステート、ノートルダム、ロサンゼルス・ラムズをはじめ多くのファンが肯首してくれることだろう)。確かに、地球を飛び回る小さな飛行機の模型(マイクロローター)はなくてもよかったかもしれないが、これがカルティエなのだ。歴史的な物語を現代のブランドに盛り込む場合、ときには失敗もする。
カルティエはスケルトンウォッチを作るたびに、少しずつ変化している。キャリバーは、カルティエのアイコニックなケースシェイプにちょうど収まるような構造となっている。タンク アシメトリックはクロシュともタンク シノワーズとも異なり、2022年のマス ミステリユーズのようなものとも異なる。確かに、これは方程式なのだ。しかし、魔法は仕上げの中に潜むのである。
ところで、今年のカルティエのスケルトンモデルは、本作だけではない。今年の複雑機構を積んだカルティエのスケルトンモデルには、ミニッツリピーター、フライングトゥールビヨン、永久カレンダーを搭載したポケットウォッチがある。しかも、サイズはわずか56mm。こんな美しいモダンな懐中時計を見ると、削ぎ落とされたサントス デュモンのよさがより一層引き立つようだ。
Antoine Pividori © Cartier
基本情報
ブランド:カルティエ
モデル:サントス デュモン
直径:43.5 ×31.4mm
厚み:8mm
ケース素材:YG × ブルーラッカーベゼル(限定モデル)、SS、PG
インデックス:ローマ数字
防水性能:日常生活防水
ストラップ/ブレスレット:ブルー&ダークブルーアリゲーター(YG)、ブルー&グレーアリゲーター(スティール)、ボルドー&ブラウンアリゲーター(PG)
キャリバー9629MCの分解図。Maud Rémy Lonvis © Cartier
ムーブメント情報
キャリバー:Cal.9629 MC
機能:スケルトン仕様
直径:23.2mm
厚み:4.4mm
パワーリザーブ:約44時間
振動数:2万5200振動/時
巻き上げ方式:自動巻き
その他の仕様:マイクロローターを含め部品点数212
価格&発売時期
価格:PG 587万4000円、YG 605万8800円、SS 451万4400円(すべて税込予価)
発売時期:今秋予定
限定モデル:YGモデルはシリアルナンバー入り150本限定、スティールとPGモデルは通常生産
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カルティエの時計の詳細については、カルティエの公式Webサイトをご覧ください。