A.ランゲ&ゾーネの新サロンについてCEOのヴィルヘルム・シュミットと語る trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Just Because A.ランゲ&ゾーネ サンフランシスコにオープンした新サロンについてCEOと少し語る

CEOのヴィルヘルム・シュミット氏が、グラスヒュッテの小売戦略に関する最新情報と、最新の“ダトグラフ”について洞察を語ってくれた。

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A.ランゲ&ゾーネの時計職人、デイビット・ウェーバー(David Weber) 氏は、20年近くこのブランドに携わっている。彼の父親もまた時計職人であった。私は、サンフランシスコにオープンしたランゲのサロン開業イベントで彼に少し会った。彼はムーブメントの組み立てのデモンストレーションを行っていただけでなく、ランゲの時計職人だけができる素晴らしいパーティートリックも披露していた。顧客がランゲを手首から外すと、ウェーバー氏は手彫りのバランスコックを数分間見て、それを誰がグラスヒュッテで彫ったのか、職人の名前を言い当てるのである。

lange san fransisco boutique

ランゲの新しいサンフランシスコサロンでデモンストレーションを行う時計職人、デイビット・ウェーバー氏。

 時計に囲まれて育ったウェーバー氏は、仕事中のほとんどの時間を時計の修理に費やしている(あるいは、同じことができるようにほかの人を育成している)。彼は時計が大好きで、いまでも空き時間にヴィンテージウォッチを修理していると話してくれた。ヴィンテージウォッチに携わるのが好きな理由は、職人技やハンドメイドのよさ、そしてその魅力を感じられるからだという。

 要するにランゲはほかのどの現代的な“グループブランド”よりも、これと同じ資質を備えているのである。私にとって、ウェーバー氏の情熱と、彼がヴィンテージウォッチとランゲのあいだに見出す繋がりは、ランゲの本質を象徴している。機械式時計製造の長い伝統を、美しい現代の時計に変えることに成功しているのだ。だからこそ、ブランドがいまでも年間約5000本しか時計を製造していない理由であり(参考までに、オーデマ ピゲは約5万本を製造していると推定される)、再興から30年しか経っていないにもかかわらず、多くの熱心なコレクターがいるのだ。

lange ceo wilhelm schmid

ランゲCEOのヴィルヘルム・シュミット(Wilhelm Schmid)氏。

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ダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨン・ハニーゴールド “ルーメン”を着用。

 サンフランシスコのギアリー・ストリートにグランドオープンしたランゲサロンで、CEOのヴィルヘルム・シュミット氏と私は、数カ月前に彼がベン(・クライマー)と話した内容の続きである小売戦略におけるブランドの転換について数分間話した。ブティックとは異なり、サロンはサンフランシスコのユニオンスクエアにある建物の3階に位置する。予約なしでも利用できるが、どちらかというと既存の顧客と時計についてゆっくりと話すために設計されているようだ。ランゲは、シリコンバレーを中心とした富裕層のコレクターに支えられており、彼らはブランドの初期からその成長を支えてきた。

 CEOのヴィルヘルム・シュミット氏は、卸売から消費者直販への移行について、「これは2017年に始まった旅です」と述べた。例えば、ランゲはサロンの開店準備に伴い、これまでのベイエリアの小売業者(ほかの米国全土と同様に)との関係を断ち切った。サンフランシスコのサロンはランゲにとってアメリカ初の出店であり、今のランゲはアメリカにおける理想的な拠点構築の最終段階に近づいているとシュミット氏は語った。

lange salon san francisco

新しいサロンの内部。

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 「私たちは10年かけて実現する計画でしたが、COVIDが発生したとき、いまやらなければ2度と実現しないかもしれないと悟りました。そこで私たちは計画を加速し、10年かけて行う予定だったことを5年で成し遂げました。現在、少なくともアメリカでは、その最終段階に差し掛かっています」と同氏は話す。ランゲは現在、アメリカ内に8つのブティックを展開しており、今後12カ月以内に少なくとももうひとつのブティックをオープンする予定である。

lange pisa datograph

10本のみ生産されたプラチナ製のピサ・ダトグラフは、これまでにつくられたなかで最もクールなランゲのひとつだ。

 小売の業務も興味深いが、ランゲにとっては常に時計が中心である。そこで今年登場したハニーゴールドのダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨンについても話をした。

 「これは究極のダトグラフです。25周年を祝うために、これ以上何ができるでしょうか?」とシュミット氏。私たちは改良されたCal.L952.4について少し話をした。マーク・(カウズラリッチ)がIntroducing記事で指摘していたように、新ムーブメントは旧ムーブメントに比べて部品点数が45点少なくなっている。シュミット氏によると、そのうちの20点はパワーリザーブインジケーターを外したためだという。同氏はウィンクをしながら、ランゲが過去10年間でよりよいムーブメントを製造するために“多くのことを学んだ”と述べ、目に見えない(彼が共有しなかった)ほかの改良点もあることを示唆した。ランゲはユーザーが目にすることのない部分にも誇りを持っていることは明らかだ。

lange saxonia

コレクターがランゲを愛する理由のひとつは、サクソニアのような“エントリーレベル”の時計にも、その圧倒的な存在感を持つハイエンドモデルと同じくらいの配慮と職人技を注いでいることである。

 もうひとつの話題としてシュミット氏は、リシュモンが支援する、紛失や盗難に遭った時計の登録および検索を支援するイニシアチブ、エンクイラス(Enquirus)についても触れた。

 「私たちは手厚くサポートしています」とシュミット氏。「常に懸念されるのは、自分がターゲットにされていると感じて、素敵な時計を身につけられないことです。それはあまりいい状況ではありません。盗まれた時計が市場に存在しないようにすることで影響を与えることができれば、素晴らしいことでしょう」

lange tourbillon por le merite

史上最高のランゲのひとつである、オリジナルのプール・ル・メリット・トゥールビヨン。

lange zeitwerk

ツァイトヴェルクを試着。

little lange 1 moonphase

リトル・ランゲ1・ムーンフェイズは、最も希少でも複雑でもないが、おそらく私のお気に入りのモダンランゲだ。

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新しいランゲサロンは140 Geary Streetにオープンしました。詳細については、ランゲの公式ウェブサイトをご覧ください。