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Photo Report 最高のオメガ スピードマスターが、その夜一堂に会した

スピーディ チューズデーの記念すべき第1回目で目にした、あまりにも貴重なオメガ スピードマスターの数々を披露。

本稿は2013年11月29日に執筆された本国版の翻訳です。

 先週、ハーグ郊外にあるノールトウェイクという街に飛んだ。 戦争犯罪の裁判を受けるためではない。 フラテッロ・ウォッチズとオメガの友人たちが主催する、第1回スピーディ チューズデー ゲットトゥギャザー(Speedy Tuesday Get Together)に出席するためだ。 この特別な日は、史上最も重要な腕時計のひとつであるオメガ スピードマスターの収集と研究を奨励するために企画された。正直に言って、ヴィンテージ ロレックスの集まりや時折開催されるパネリスティの会合以外ではめったにお目にかかれない、膨大な量の知識と情熱に触れることができた(もっとも、私はそのような会合にはあまり参加しないのだが)。

 この膨大な(60枚以上の!)フォトレポートでは、この特別なスピーディ チューズデー ゲットトゥギャザーで私が出合った、最高に美しく、興味深く、印象的なスピードマスターのいくつかを紹介しよう。そのなかには、オメガ ミュージアムに所属する素晴らしいチームから提供された驚くべきプロトタイプも含まれている。 さあ、見てみよう。

 スピードマスターを1本だけ持ってきたコレクター(私だ)もいれば、ケースの山を持参してきたコレクター(私じゃない)もいた。しかし、そんなことは問題ではなかった。というのも、この日は見せびらかすことが目的ではなかったからだ。この日は、その時代に多くのことを成し遂げてきた、そして理解に手こずる難解な時計についての知識を共有することが目的だったのだ。

スピードマスター Ref.2915(後期スティール製ベゼル)。

 スピーディ チューズデーの会場で見つけたもっとも初期のモデルはRef.2915で、この時に少し説明したのと同じ時計だった。これら初期のスピードマスターは幅広のアロー針とスティール製ベゼルを備えた唯一のヴィンテージ スピーディであり、鶏の歯(存在しないものの例だ)よりも希少であるためにかなり高額になる可能性がある。オリジナルコンディションのRef.2915は、しばしば6万ドル以上(現在のレートで換算して約900万円)で取引されている。上の時計はあるコレクターが所有していたもので、交換用のスティール製ベゼルが付いていたが、本当に素晴らしい時計だった。また、ミニッツカウンターのリーフ針が完全に真鍮で作られており、あまり見かけない見事な仕上がりであったことは特に興味深かった。この部屋にあったもう1本のRef.2915はオメガ ミュージアムのもので、そちらもとても美しかった(下の写真右)。

オリジナルのオメガ スピードマスター Ref.2915。

 滅多にお目にかかれない1957年から1959年まで製造されたRef.2915番台ののち、スピーディはRef.2998番台に移行した。このリファレンスには、実に6つの異なる型番が存在する。下の時計は新品同様のRef.2998-1だ。 私はこのような状態のRef.2998-1を見たことがなく、ベゼルは修理で交換されたものの、オーナーはまだそれを所有しているという。

ヨーロッパのコレクターが所有する、ゴージャスなRef.2998-1。

 この個人所有のRef.2998-1をもう1度ご紹介しよう。 ダイヤル、針、ケースのクオリティは並外れている。

 この集まりで登場したもうひとつのとても興味深い初期型Ref.2998(-3)は、Fuerza Areal del Peru、つまりFAPに納められた特殊な個体である。FAPはロレックスを含む数社の時計を使用していたが(FAP デイトナはこちらこちらを参照)、私はオメガが販売していた時計のほうがクールだとさえ思っている。オメガは特別仕様のレイルマスター(フライトマスターと呼ばれ、この記事で紹介している)から、シーマスターのダイヤルを持つランチェロ、そしていくつかの特別なスピードマスターまであらゆる時計を彼らに販売した。FAPに支給されたRef.2915 スピーディは数本しか知られていないが、世界でもっとも貴重なクロノグラフのひとつである。ミュージアムは、FAPに支給された見事なRef.2998-3を会場に持ち込んでいた。

ペルー空軍に支給されたRef.2998-3。

 この特別な時計は、たまたまだが私の手首にとてもよく似合うと思った。数年前にオメガが世界でも有数の時計取引の場であるeBayを通じて、この時計をわずか数千ドルで購入したことを知ったらきっとみんな驚くことだろう。

 だが、これだけではない! ミュージアムが持ち込んだもうひとつの特別なスピーディが、このAutomovil Club Peruanoのために特別に作られたRef.105.012だ。この時計はオメガがオーダーメイドでダイヤルを製作した数少ない例のひとつであり、宇宙開発計画がスピードマスターの重要な物語であることは間違いないものの、元々はドライバーズウォッチとして考案されたものであることをそっと思い出させてくれる。

 これらの貴重な初期のモデルに加え、オメガは残念ながら量産には至らなかった試作品(そう、プロトタイプだ)のいくつかを見せてくれた。オメガは今回の集まりで、アラスカプロジェクトに関連する時計を持ってきていた。アラスカプロジェクトは、温度や気圧の急激な変化にも完全に耐えられる、宇宙で使用するための完璧なクロノグラフの製作を目的とした社内研究プロジェクトだった。

 アラスカプロジェクトの時計は、後年のトリビュートモデルからオリジナルのプロトタイプまで、多岐にわたった。

 これはアラスカプロジェクトの初代プロトタイプで、ケースはチタン製だ。そう、当時のチタンだ。

 こちらのモデルもまた生産には至らなかったアラスカプロジェクトのプロトタイプであり、マット仕上げのステンレススティール製ケースとクリスタルを保護するための非常に高いベゼルを備えている。

 まだまだ話は尽きない。 たまたまヨーロッパの宇宙飛行士の手に渡ったNASA支給のスピードマスターも見つけた。 この時計は以前にも紹介したことがあるが、実物のそれを見るのは本当にクールだった。

 また、鮮やかな色の秒針が付いたものや、オリジナルのテレメーターベゼルが付いたものなど、特別な後期型のRef.321もいくつか見かけた。 これらは滅多に目にできるものではない。

 これは、レマニア5100を搭載した世界的にも希少なスピーディの1本だ。

 こちらは珍しいスヌーピーダイヤルのスピームダスター(Speemdaster)。

 そして駆動していようがいまいが、フラテッロ・ウォッチズのトップ5に入る金無垢、ワインレッドベゼル、オリジナルボックスのスピードマスター。

 上記の時計は、その日会場にあったスピードマスターのほんの一部だ。そして正直なところ、これらはこの集まりでもっとも注目すべき部分ではなかったかもしれない。 オメガにフォーカスしたこの夜は、フラテッロ・ウォッチズ、WatchUSeek、モノクローム、Watching Magazine、In2Watchesのメンバーといった旧友たちに会うための口実でもあったのだ。

WatchUSeekのアーニー(Ernie)。

観客に挨拶するフラテッロのロバート=ジャン(Robert-Jan)

モノクロームのフランク(Frank、キックアスタイを着用!)。

In2Watchesのジェラルド(Gerard)。

Watching Magazine. のバーナード(Bernard)。

 そして、その会場で知り合いと呼べるのは旧知の友人たちだけだった。 (私にとって)初対面の時計コレクターやスピードマスター愛好家たちに会う機会を得たのは、本当に素晴らしいことだ。スピードマスターについて語り合った6時間は、最近の旅のなかでいちばんのハイライトだった。そして、私がこれらの素晴らしい時計と素晴らしい人々に囲まれて過ごす時間を楽しんだのと同じくらい、このレポートを楽しんでもらえたなら幸いだ。ああそうそう、この下にも見るべきものがまだまだ出てくるし、この会は今後も続いていくだろう。

 フラテッロ・ウォッチズとオメガに心から感謝する!