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2015年のこと。ユニビジョンネットワークのトーク番組のホスト、ラウル・デ・モリーナ氏がベン・クライマーと共にTalking Watchesのエピソードに出演した。このビデオはさまざまな理由で楽しめるが(ピンクのボタンダウンシャツに袖をとおし、スニーカーを履いてビーチで過ごすベンなど)、我々の目的にとって、その最大の魅力はデ・モリーナ氏の実用時計の膨大なコレクションだった。今日、彼はこう言っている。「皆さんに言いたいことがあります。以前は大きな時計がとても好きでした。でも今は、42mm以上の時計をつける気がしないのです。40mmのものは完璧かもしれませんが。年をとったからなのか、時計が重くなったからなのか、よくわからないけど......」
それでも、彼は大きな時計を売り払ったわけではない。実際、彼は時計を売ったことがないのだ。交換はあったかもしれないが。今回紹介するのは、彼が今、現在にいいと感じているもので、7年前にベンに見せたものと重なるのは1本だけだった。
62歳のデ・モリーナ氏は、リリ・エステファンとともに『El Gordo y La Flaca』(スペイン語版の『ライブ・ウィズ・ケリー』)の共同司会者として、今も同じ仕事をしている。スペインで育った10代のころにもらったオメガから始まった彼のコレクションは、今も健在だ。「おそらく60本くらいは持っていると思います」とデ・モリーナ氏は言うが、「最近は数えていないんです」と認めている。そして、彼の生涯のテーマである自動車レースへの情熱を物語る、公道走行可能な車にも注目だ。
彼の4本
ロレックス デイトナ Ref. 116500LN
デ・モリーナ氏は、昔からモータースポーツが大好きだった。1970年代半ばから後半にかけて、若きフォトグラファーだった彼は、フロリダで開催されたセブリング12時間レースに参加し、なんとミスター・デイトナ本人に遭遇したのだ。「ポール・ニューマンが車から降りてくるところを撮ったんです。モーターホームに入るところを撮ったりしながら、彼のあとを追いかけました。彼はロレックスのデイトナをつけていました。そのときからその時計が大好きになったんです」。それから何年も経って、彼は自分用のものを手に入れた。いい時計だが、痒いところに手が届くような時計ではない。「もし今、時計を買うとしたら、金無垢でグリーンダイヤルのロレックス デイトナにするでしょうね。あれはぜひとも手に入れたい。4万9000ドルとか5万ドルのときに『なんてこった、もう少し下がるまで待とう』と思っていたんです。それが今では8万ドルで売られていることもあるって?」
パネライ ルミノール サブマーシブル 1950 3デイズ オートマティック ブロンゾ
これにはちょっとしたこだわりがあった。デ・モリーナ氏は以前、ブロンズのパネライを手に入れようとしたが、もう少しのところで他のコレクターに買われてしまった。47mmというジャンボなサイズに人気がなくなっても、ブロンズの外観とその変化する色合いに魅了された彼は、この1本を手に入れたことを誇りに思っている。この時計は、時間が経つにつれてダークな色になっていく。「時々、ちょっとだけ拭くんです。そうしたくないという人もいますよ。トマトソースをかけたという話を聞いたことがありますが、冗談ではありません。ある人にそう言われて、あとでセールスマンに聞いたら、『ああ、そういう人を知ってるよ』って。ソースをつけて歯ブラシで磨いて、さらに古く見えるようにするんだそう。私はそんなことはしていませんけれど」
IWC ポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー・ヘミスフィア・ムーンフェイズ
多くのコレクターとは異なり、デ・モリーナ氏はコンプリケーションのダイヤルを恐れない。このIWCは、両半球の天体を正確に描写するダブルムーンフェイズを搭載している。「永久カレンダーやあらゆる複雑機構を搭載したこの時計は、私にとって非常に興味深いものです」。実際、彼はただ面白いと思っているわけではない。カメラ映えすると思っているのだ。「番組では、よくこの時計を身につけています。時計を知らない人たちから"どんな時計なんですか?"と聞かれることも多いんですよ」
パテック フィリップ Ref. 5396 アニュアルカレンダー ムーンフェイズ
「これは名作ですよ」と彼は言う。確かにそうだ。古い時代の複雑機構を搭載したパテック フィリップの時計作りに敬意を払うような、殿堂入りのドレスウォッチのひとつだ。また、この時計は、彼の嗜好の新たな進化を示すものでもある。2015年、デ・モリーナ氏はベンに、レッドカーペット用の時計はオーデマ ピゲのオーバル型のミレネリーだと語った。しかし今、ラテングラミー賞でタキシードに合わせてつけるのはパテックだと彼はいう「パテック フィリップは小さな時計ですが、私にはこれがよく似合うんです」。
もうひとつ
フォード GT40
レース好きの方なら、これが何であるかはすでにご存じだろう。1960年代のル・マン24時間レースで優勝し、『フォード vs フェラーリ』でイタリアのライバルを打ち負かしたマシンを現代風にアレンジしたものだ。彼が所有するのは2006年製で、まるで自分の子供のように大切に扱っている。「走行距離はわずか1700マイル。僕にとっては、あまりいい投資ではありませんでした。でも、とても素晴らしいクルマですよ」
Photos by Ysa Perez
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