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スイスのCOSC、クロノメーター認定基準を引き上げへ

秘密主義の組織が初めて姿勢を変え、消費者重視の姿勢を示す。

スイス公式クロノメーター検定機関(COSC)は、クロノメーター認定の基準を引き上げる計画を進めており、競争の激化を受けて、より透明性の高い運営を目指している。めったに行われないインタビューのなかで、COSCのアンドレアス・ウィス(Andreas Wyss)代表は、同機関が今後は消費者重視の姿勢を強め、現行の日差10秒未満というCOSC認定ムーブメントの精度基準を、さらに厳格な水準に改善していく方針を明らかにした。

cosc testing

COSCラボにおける検査。

 「現在の許容誤差は日差10秒、つまりマイナス4秒からプラス6秒の範囲ですが、これを大幅に引き下げるつもりです」とウィス氏は語る。精度の基準は、1日あたりわずか5秒程度にまで半減される可能性があるという。

cosc testing

 1973年に設立されたCOSCは、スイスにおける最大のクロノメーター認定機関である。ロレックスを含む約60のスイスブランドのムーブメントを年間200万個以上テストしている。中立的な立場を取るこの組織はブランドから支払われる検査料によって運営されており、その額は1個あたり10フラン(日本円で約1700円)未満であるという。COSCは、スイスから輸出される機械式時計の約40%を毎年認定している。

 しかしながら、COSCの基準は1日あたり5秒以内の精度を求めるスイス連邦計量・認定局(METAS)など、ほかの認証機関の基準に後れを取っている。METASが定めるマスタークロノメーター認証では、精度に加えて防水性、パワーリザーブ、耐磁性といった項目の試験も求められており、これはオメガやチューダーの一部モデルで採用されている。

 同時に、各ブランドも独自の認証基準を開発してきた。ロレックスの高精度クロノメーター認定では、COSCの認証を受けたムーブメントに対して日差±2秒以内という、さらに厳しい精度を要求している。

 ウィス氏は、スイス時計産業の進化を反映するためにはCOSCの認証基準および検査要件の強化が必要だと語る。「時計業界は大きく進化してきました。私たちもそれに追随し、進化しなければなりません」

cosc testing

 COSCとその提携ブランドは、検査されたムーブメントに関する詳細なデータを消費者に提供する、新たな認証カードの導入を計画している。今のCOSCでは、各ムーブメントを16日間にわたり検査しており、施設は年末年始の10日間を除き、年間を通じて週7日体制で稼働している。

 ウィス氏によると、これらの新たな取り組みはブランドから支払われる検査料および同機関が蓄積してきた現金準備金によって賄われるという。「私たちは、精度だけでなくスイス時計の卓越性そのものを訴えていかなければなりません」とウィス氏。「これまでは一般に対してオープンではありませんでしたが、それを変えていくつもりです」

詳しくはCOSCのウェブサイトをご覧ください。