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Introducing オリス アクイス デイト アップサイクル

ある人のゴミは、別の人のカラフルなリサイクルダイヤルとなる。オリスから最新のエコなダイバーズウォッチが登場した。

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オリスは最近、気候中立認定企業となり、2022年に向けてサステナビリティレポートを発表することを約束した。そして、リサイクルされた海洋プラスチックを使用してユニークでカラフルなダイヤルを作ることで、サステナビリティへのコミットメントをさらに強化した2つの新作アクイスを発表した。

 アクイス デイト アップサイクルと名付けられたこのモデルは、オリスの中核をなすダイバーズウォッチの新バージョンで41.5mmと36.5mmの2つのサイズがあり、どちらもPETプラスチックから作られたダイヤルを備えている。同素材は、オリスが2019年3月に発表した海洋保護をテーマにしたアクイス クリーンオーシャン リミテッドエディションに採用された、特別なケースバックメダリオンにも使用されている。

 毎年1300万トンものプラスチックが海に流れ込んでいると言われているなか、オリスは以前エバーウェーブ(旧名パシフィック・ガベージ・スクリーニング[Pacific Garbage Screening])と提携し、海に流れ込むプラスチックの影響を減らすための非常に労力を要する作業をサポートしてきた。このように、オリス アクイス デイト アップサイクルは、リサイクルされたプラスチックを使って何か特別なものを作る方法の一つにスポットを当てている。

 今から5年前の春、僕は幸運にも東太平洋に浮かぶ珊瑚礁の環礁、クリッパートン島(カボ サン ルーカスの南約1400km)への調査とエコツーリズムのための遠征に参加することになった。オリスはフランスが所有するこの島の探検のメインスポンサーであり、乗船した様々なチームの主な目的の一つは、この離島で海洋プラスチックの証拠を調査することだった。

 クリッパートンは世界でも最も遠い場所にあるにもかかわらず、調査員は低い海岸線に波によって打ち上げられたゴミの数々を発見した。水筒、キャップ、歯ブラシ、ライターなど、僕が想像していたものとはまったく違うものが、この忘れ去られた世界の片隅に捨てられていたのだ。この経験は、海がもたらす相互のつながりと、海洋プラスチック問題がいかに広範囲に及んでいるかを浮き彫りにしている。

 PETプラスチックをリサイクルする過程により同じ文字盤ができないため、それぞれのモデルにはユニークなパターンとカラーリングが採用されている。黒や青の文字盤の標準的なダイバーズウォッチに代わるものを探しているのであれば、アクイス デイト アップサイクルには魅力的な背景があり、文字盤は通常のものとは異なるものだ。

 ダイヤルがカラフルになっただけでなく、アクイス デイト アップサイクルの両サイズには、リサイクルされていないモデルとの違いはない。どちらのケースサイズもステンレススティール製で、マッチしたスティール製ブレスレットを備える。6時位置に日付表示があり、逆回転防止ベゼルにはグレーのセラミックインサートが取り付けられている。

 防水性能は300m、フロントにサファイアクリスタル、ケースバックにミネラルガラスディスプレイを採用し、両サイズともにオリスの自動巻きムーブメント733を搭載。セリタ社のSW200-1をベースにしてオリスの装飾が施されたこのムーブメントは、4Hzで駆動し、約38時間のパワーリザーブを備えている。ケースバックには、オリスが通常使用している赤のアクセントとサイン入りの巻上げローターが確認できる。

 とはいえ、この記事をご覧になった方は文字盤を目当てにクリックしたと思うが、実際に見てみるとまったく期待を裏切らないことをお伝えしたいと思う。どちらのサイズでも、カモフラとオパールの中間のような風合いとなっている。ブルー、ホワイト、そしてブラウンの色調を持つ41.5mmバージョンの文字盤よりも、36.5mmの明るい色調の文字盤の方が、より一層の輝きを放っている。

 ダイヤルはそれぞれの時計に固有のものだが、各サイズの色空間は意図的に作られているようで、小さいケースサイズは明るい色の配列を示し、大きいサイズはやや落ち着いた色調を選択している。

 この2つの違いは非常にはっきりしていて、2つのバージョンにそれぞれ違った雰囲気を与え、全体としても機能している。掲載画像を編集しているうちに、文字盤の効果が頭のなかに焼き付いた。それは、抽象化された大きな絵画やシーンのなかで、2つの小さな円を描くようなものだ。

 グレーのセラミック製ベゼルインサートに囲まれたアップサイクルは、他の要素と色が被らないため、文字盤が時刻表示を凌駕するほどの存在感を放っている。その模様は、空に浮かぶ雲の層のように、あるいは水面に落ちる油のように複雑だ。36.5mmアップサイクルの、よりパンチの効いた文字盤を見ていると、内部に電源があって文字盤が光っているように感じることがよくある。これまで多くのアクイスを見て身につけてきたが、アップサイクルには独自の魅力があると思う。

 ダイヤルを少しでもズームアウトすると、まるで絵画のように色が混ざり合い、全体的に変化し、環境光に反応してハイライトや深みが印象的に現れる。

 いくつかの画像をご覧になってお気づきかもしれないが、文字盤は非常にインパクトがあり、アクイスのようなダイバーズウォッチに期待されるような視認性の高さではない。賛否両論あると思うが、アップサイクルの文字盤の出来が気に入れば、時間を見るときに少し長めに見ても気にならないだろう。また、アクイス デイト アップサイクルは、スポーツ性やダイビングのためよいうよりも、海洋保護のメッセージを伝える手段としての役割を重視していると言えるだろう。

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 僕の場合、文字盤の複雑さによって、ダイバーズウォッチに求められる「ひと目でわかる」という点では厳しいものがあった。しかし、アクイス デイト アップサイクルでは、それが問題になるとは思えない。持続可能性という要素は、この時計が存在する理由を説明するのに役立つだけでなく、他の時計と物理的に異なる点を説明するのにも効果的だからだ。

 文字盤がリサイクルされていることがアップサイクルの存在意義であり、実際に時計を身につけたときの印象を大きく左右するのは、文字盤であることが納得できる。このシリーズの過去のレビューをお読みになった方は、短いラグを備えた堅実なダイバーズウォッチであることはすでにご存知だろう。

 他のモデルと同様に、ベゼルはカチッとしていて重すぎず、ブレスレットの質感もよくとても快適で、クラスプ式のエクステンションを備えている。41.5mm径のモデルはラグ幅47mm、厚さ13mm、36.5mm径のモデルはラグ幅42.5mm、厚さ12mmとなっている。重さは、大きい方が148g(サイズ変更なし)、小さい方が118g(サイズ変更なし)と、扱いやすい重さで、スティール製ブレスレットのスポーティなダイバーズモデルにぴったりだ。

 短いラグと比較的薄いケース(300mのダイバーズウォッチにしては)のため、どちらのバージョンも思ったよりも着用感は小さく感じられる。手首の上での存在感は、夢のような文字盤が主役だ。

 オリス アクイス デイト アップサイクルは限定ではなく、どちらのサイズも27万5000円(税込)で販売され、今回のレビューで紹介したフルスティールブレスレットも含まれている。

 どこにでもつけていけるダイバーズウォッチとしては(様々な種類のアクイス製品のなかでも)第一候補ではないが、アクイス デイト アップサイクルは、プラスチックによる汚染から世界の水を守る必要性と、リサイクルされた素材を新しいクリエイティブな用途に再利用する方法を、高級時計の世界でも紹介する特別でユニークな製品だ。

 スキューバダイバーにもデスクダイバーにも、アクイス デイト アップサイクルは、僕たちの誰もが直面している厳しい現実を思い出させてくれる時計なのだ。

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